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ひっかかり

真琴を忘れられない…ありか。

でも仕事をきっかけに同僚の人と打ち解ける機会餓あり・・・

でも真琴に似た彼にもなにやら事情が…

生まれ変わったら…


そんな話もしたよね、真琴…


いつでも想いだすのはあなたの事だけ…


「あ〜りかちゃん♪」

話しかけてきたのは同じ課の諒夏さんだった。

「…どーしました?」

「いや、ここじゃ何なんだけど…」

ちょっと頼みたい事があってさ。

「会議室まで来てくれないかな?」

尻切れとんぼの状態で呼び出されて首をかしげるありか。



会議室に入ると諒夏さんから一枚の紙を渡された。

それは今度行われるパーティの資料だった。

「これって…」

確かプレゼン作業を行ってたんですよね、諒夏さんが。

隣の席だからあわただしく資料と格闘してる彼女を横で見ていたありかは知っていた。

彼女がそれを通すのにどれだけの力を尽くしたか…

「プレゼンは通ったんだけどね、ダブっちゃって…」

「え?」

「ほら、海外市場も取り扱ってるでしょ?この会社。

 でね、その課でうちのさ…」

実は彼氏さんがその課で働いていてそこで指名したのが、いわずとわかるでしょ?

公私混同ですよ、マジで。

「でね、課長命令が出ちゃって、引継ぎ探してんだけど、ありかちゃんなら…と思ってどかな?」

無理そう?

「…いいですよ、諒夏さんには色々とお世話になりましたし…」

やりますよ。

「ありがとーーーぉ。はぁ、助かった。」

明日、会議室で説明なんでといわれ、折角通ったプレゼンを私が引き継ぐ事になった。

「災難でしたね。あんなにがんばってたのに」

「ホントよ。今度プレゼン取れるチャンスあったらアイツにも手伝わせなきゃ」

そんときは協力してよね。ありかちゃん。

「もちろん、微力ですけど」

そういって苦笑してられる時間が今はありがたかった。

何かに熱中してないときっと想いだしてしまう…


”真琴…”




資料と格闘して数日…

疑問点が出てきて、それを知ろうと隣を見れば空席。

ボードを見れば出張でそのまま直帰となってた。

誰に聞けばいいんだと課長に聞けば彼と…和葉さんも同じチームだと初めて知らされた。

彼の居場所を聞けば会議室にある個室…

まぁ一人で抱えてる仕事が大変であればそこにこもってやる場所なのだが・・・

そこにいると教えられた。


コンコン…


「失礼します」

「…上野…」

なんか仕事か?

「…えっとこのプレゼンの件なんですけど」

「…プレゼン?」

どれだ?

メガネをかけ、そして上半身はシャツだけを羽織、ネクタイが少し緩めなのが見え、ちらっと視線を流せば椅子に上着は掛けてあった。


久しぶりに話すのがこんな密室なんて…

少しドキドキしながら資料を渡し、マーカーで引いてある場所をさす。

すると彼は驚いた表情をして…


「お前もこのプレゼン関わってるのか?」

「はぃ。紫栖さんの変わりに…」

「紫栖の?」


和葉さんに諒夏さんの代わりを引き受けた経緯を話すと彼はため息をついた。

どうやら諒夏さんの彼氏さんの事で呆れている様子で…

「あいつもしかたねぇな」

これ、アイツがどんだけ力尽くしたかわかってねぇのかよ。

確かに、その資料を作るのに諒夏さん何日も残業して、寝る間も惜しんで作ってた。

それをいくら課長命令だからといってね。

「でも、諒夏さん、結構胆座ってましたよ」

「そりゃそーだろ、あいつの、ああ、あいつの彼氏な、今大変だからな」

「え?そーなんですか?」

「あぁ、まぁお前だからいいか。」

和葉さんが話してくれたのは諒夏さんの彼氏さんの部下が失態を犯し、取引先との間にトラブルが勃発したらしい。

それを解決するために無茶な要求をする相手側をどうやったら波風立たせずに攻略するかで諒夏さんの彼氏さんの処遇がきまるらしい。

「…まぁ最終的にはクビっつうのも含まれてるらしいからな」

「…確かに、諒夏さんなら…」

そういうの頭回りそうですよね。

「あいつの情報網はすげぇよ」

伊達にここでお局様の名前持ってねぇ

「お局?」

「あぁ、そんなに長くここにいるわけじゃねぇんだけどな」

あいつ。

「そうなんだ…」

「まぁ、それだけあいつの情報網がすごいってことだ」

和葉さんの話だとそんなに長くいるわけじゃないが、人付き合いがうまい諒夏さんは社内では結構なやり手として通ってるらしい。

「だけど、このプレゼン、たぶんあいつお前に期待してんだろうな」

「え?」

和葉さんがメガネを外した。

仕事する時だけメガネをつけるってのは聞いてたし、違和感もなかったんだけど。

「あいつから、ああ、紫栖な、あいつから聞いてたんだよ。」

自分の代わりをオレともう一人に任せるからって。

「お前、あいつにそれだけ信用されてるってこった」

そういうとまたメガネを掛けて「さっき聞かれたとこだけどよ」と椅子を勧められ、

説明を受けた。


その日から私と和葉さん二人だけの仕事が始まった。

仕事の時だけは彼を仕事のパートナーとだけしか認識してないからか、話も弾む。

仕事だけじゃなく、普段の話もたまにしたりする。



男性…じゃなく、人として見れる。

そして最近気づいたんだけど見た目は一緒でも真琴…やっぱりあなたと違う。


だから平気。



真琴…


私…がんばってみたい。

あなたとの事忘れられないけど…

でも、今まだ少し…頑張ってみたいの。

駄目かな?


空に問いかけるけどもちろん返事なんてない。

わかってるけど、なんとなく『しょうがないなぁ』って声が聞こえたような気がしたの。



そして、その二人だけの仕事が始まって数日…

和葉さんが仕事を休んだ日があった。

ボードには『病院のため休み』と二日間書いてあった。


「どこか悪いんですか?」

和葉さんって。

隣の諒夏さんに聞けば諒夏さんはパソコンに向かいながら「ああ…」と呟いた。

「和葉君ね、年のわりにこの会社では結構入ったの新しい部類に入るんだよ。」

病気でね、昔から心臓弱かったみたい。

「へぇ、そうなんですか」

あんまりそう見えないんですけど…

私の言葉に諒夏さんはさらっとすごい事を口にした。

「そりゃそうでしょう、ん?去年か?心臓を摘出手術したのよ。」

ほら、聞いた事あるでしょ?

脳死と診断された人が…って。

「え?じゃあ…」

「そ、その手術して今みたいになったのよ。」

今回は毎月の定期健診で休むの。


「そう…なんだ」

ありかは何か引っかかるものを感じた。


…あれ?


なんか…


なんだろう?



どっかで…



そんな話…


………どこだったっけ?


何かつながりがあるかも?とか思い始めた方!

鋭い!!

簡単にわかるように書こうかなって。


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