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再出発

寂しい…辛い。

そんな思いだけが自身を支配する。

彼女は今、そんな思いから抜け出したくて…

≪ありか…≫



”誰かの声がする…”



ひどく懐かしくて、切ない思いが胸をこみ上げて来るこの声…


私は立ち止まり、後ろを振り返った。


でも、そこには誰もいなかった。


そこはただの路地裏で、まだ朝早い時間だから人通りだってそんなに多くない。

だから、


”気のせい…だよね”


あの人の声が聞こえた気がしたの…

だって、それはありえないことだから。



もう数ヶ月前の出来事。


幸せの絶頂期…本当にそういう時期であったと思う。

人生で何度もそうはない。

幸せの絶頂期。


結婚式。

二人で数ヶ月という時間をかけて選んで選んで最終的に決めた場所。

招待する人に対して意見が合わないこともあった。

喧嘩も、もぉダメかもと何度思ったか。

でもその喧嘩の後…必ず思うことは、

『この人と一緒に生きていきたい』と言う事。



なのに…突然の不幸が私たちを襲った。

婚約者である彼が結婚式当日、事故に遭って、そのまま息を引き取ってしまったのだ。

後から聞いた話では路上に飛び出した子供を助けようとしたのだと言ってた。

でもあの時は気が動転してて、何を言われても覚えてなかった。


自分の子供のせいで、ごめんなさい。

そうその飛び出してきた子供の母親は誤りに来たそうだが、私は作り笑いしか出来ず、

何を話したかなんてほとんど記憶にない。



よく物語ではある、シリアスの王道。

でも、自分がそんなのに遭遇するなんて…思いもしなくて…

なのに…


”真琴……”


空を見上げた私はその場所をそっと後にした。

思い出しても辛いから…

そして、そっと目を閉じて心の中で彼に『行って来ます』とだけ呟いた。



再出発する彼女をどうぞ見守ってやってください

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