酒に酔っても暴れるな
バ○ス!!
「何故こうなった」
アロハシャツを着た青年…イチカは顔を盛大にしかめた。
此処は自分の部屋のはずだ。
だが視線の先には、黒いレースがあしらわれた真っ赤なチャイナドレスに身を包む泥酔した三男…ミカドが、トナカイの格好をした次男…ニコを剣を片手に追い回していた。
「待ちやがれ!昼飯!!」
どうやら泥酔状態のラゼルには、トナカイの次男は、昼飯と認識されたらしい。
「誰が昼飯だアホ!!トナカイは一年に一度夢と希望を運ぶ白髪のジジイのペットだぞ!!バカにすんな!!えっへん」
逃げながら威張る無駄に器用な次男ニコ。一応、こちらも泥酔状態である。
広い部屋の中で縦横無尽に鬼ごっこを繰り広げる兄弟にイチカは、頭を抱えた。
今すぐに部屋のドアを閉め見なかった事にしたいのだが、放置すれば他の兄弟も絡んで騒ぎが大きくなるだろう。
外や人間界ならかまわない。好きなだけやればいい。だが、部屋の中は困る。
「仕方ねェ。あの二人、止めさせるかィ」
そしてふと思う。二人は何の酒で酔っぱらったのか。酒に滅法強いニコとミカドが、並みの酒で此処まで酔っ払うのか。
よく見れば、部屋の中に見覚えのある酒ビンがゴロゴロ。
貰った物や自分で買った酒を収納する棚は真っ二つ。
非常に高い物や、品数の限られた有名な物も多数床にゴロゴロ。
「………(怒)」
怒りによって沸き上がる魔力を押さえず部屋に魔方陣を展開。
そして怒りの一言。
「バ○ス!!」
その刹那、魔方陣から爆発が起こったのだった。
…部屋は部屋の主により爆発に見舞われ、しばらくの間、使われてない部屋を自室がわりに使用する事となり、ぶちギレた長兄に土下座し謝罪する次男と三男を見た兄弟は口を揃えて「兄貴は、やっぱ最強じゃね」と発言したのだった。
ネタが無い。更新遅めです。亀更新です。