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第4話~現代の変化~

「……ここは…」

「俺の実験室だ。変わってないな」

「ふぅ。予は新鮮な空気がよかったぞ。」

 とくに何も変わってない。ということは、また元の世界に戻ったのだろうか

「とりあえず。俺は時空を越えた理由を見つける。お前らは……適当に遊んでろ」

「子供を扱うように言うな天才馬鹿が」

 結局文美の二年ぶり日本を散歩することに



「何も変わっておらんな」

「そりゃ、技術が進むだけ進んじゃったからね。」

 ふらふらと街を歩く。本当に変わっていないのか?

「そういえば気になったが、今仕事を何しておるのだ?」

 言葉のナイフ―(>_<→ グサリ

「駄目な部長を怒鳴ってね……。クビにならなくて済んだけど……しばらく休み……。お金…やばい…」

「…お…お…。それより康雄!予が海外へ行く時、帰って来る頃には彼女作っててやる!と言っておったが。どうだ?」

 言葉のナイフ―(>_<→ グサリ

「聞かずともおわかりでしょう…。彼女いない暦=年齢の方程式です…」

「あわ…あわ…」

「小学校の頃は友達がお前とコニーだけ…。しかもお前とコニーは修行と研究で学校に居ない時多かったし…」

「そ、そういえばそうだったの……」

「それで知らないと思うけど…。僕…。キモいとか…馬鹿…とかでいじめられてたんすよ……」

「そ、そんなことが……すまぬ…」

「い~や~…。結局僕がこんなんで生まれたのが悪いんですよぉ…。」

「そんなことはないぞ!」

「慰めないで…自分が辛い…」

 心が…裂けるチーズになる……

「そう言うでない!確かに!コニーよりはハンサムではない!しかし!予から見ると康雄はキモいとは思わん!!」

「…いやでも…」

「安心せい康雄。たとえ、世界中の人間が主のことを嫌っても、予は決して嫌わん!予と世界中の人間の言葉、どちらを信じる!言ってみよ!」

 え…それは…

「文美…かな。」

「それでいいのだ。間違ってはおらん。流石予じゃ!」

 文美は優しいな…。でもまあ、仮に告白しても結婚は無理だろうし。僕の将来は永遠にGで済ませて死んでいくんだろうな…。すると、

「見つけたぞ!!あそこだ!!」

「周囲を固めろ!逃がすな!」

 周りに武装した人たちが集まる。これは…自衛隊!?

「なんだ?どうしたのだ?」

「両手を挙げろ!スパイめ!」

 スパイ?

「何を言っている!国に連絡せい!スパイなどではないぞ!」

「連行しろ!横の男も仲間だ!!」

 あるぇー?何か変だぞー?

「何が…起こっているのだ…?」


━━━━━━━━━━━━━その頃 コニーの個人研究所、もとい家では━━━━━━━━━━━━━━━━

「さ。始めますかな。おいアイン。メインサーバにパソコンをつなげ!」

 俺の部屋。といっても、設計図や試作品でいっぱいなのだが。 アインとは、俺が作った家中を監視、制御する人口機能ロボットだ。命令をすればほとんどのことをしてくれる。

「…ん?どうしたアイン!主電源がおちてるのか?おい!」

 叫んでいると、扉をたたく音。誰だ?こんなときに。

「どちら様でしょうか~?」

 そういうと、入っていいとも言ってないのに扉が開く。なんという大胆な。強盗か?

「コニー君!戻っていたんだな!」

 するとそこには康雄のお父さん、康人やすとおじさんが。

「どうしたんです康人おじさん。康雄なら町を散歩してますが。」

 よく見ると、走ってきたようだ。そして、だいぶ顔色が悪い。

「逃げるんだ今すぐ!今ならまだ!康雄も危険だ!」

 どういうことだ?聞き返そうと思った瞬間。扉が外れる。どうやら蹴り倒されたようだ。そこには自衛隊の人たちが

「動くな!発砲許可はでている!おとなしく両手を挙げろ!!」

「しまった。つけられていたか…!!」

「お前たち!ここは俺の私有地だ!勝手に入りこむのはどうかと…」

 思うが。とまで言おうとしたが、それは自衛隊のやつの声でかき消される。

「あの男銃を持っているぞ!!撃てぇぇぇ!!」

 なッ。気づくと、腰には護身用の銃が…しまった…

「トニー君ッ!!」

 ズガァァンッ!!そう聞こえたときは、もう意識が薄かった。



「いでしっ!!」

「ここでおとなしくしていろスパイどもめ!どうせ五日後には死刑が決まっている!」

 鉄格子。コンクリートの壁。ここは牢屋のようだ。文美と僕は、そこに放り込まれる。

「いって…。酷いあつかいだ。文美、大丈夫か?」

「予は大丈夫だ。しかし…どうなっておる…。予の契約では、国での犯罪行為は殺人以外見逃されるはずだ。仮にそれがないとしても、予は一度もそのようなこと…」

 うん。その契約まず根本的におかしいね。でも…

「もしかして。とは思うけど、やっぱり魔族に関係してるんじゃ…」

「どういうことだ?」

「僕にもよくわからないけど。僕たちが過去に行ったことによって魔族や魔法があるとすれば、この現代にももちろん魔法と魔族は存在するじゃん。それによって、何かが変わったんじゃ…」

 コニーがいればもっとわかるはずだけど…

「ふむ…。して、向こうの牢屋から聞こえる妙な音はなんだ?」

 妙な音?そういえば、変な音が響いてる

 グォングォングォン… と

「ん?その声はまさか…。康雄!康雄なのか!」

 え?この声。って

「父ちゃん!?なんでここに!?」

 今目を凝らして見たらすぐにわかった。あれは紛れもなく僕の父。無職の貧乏人だ。

「やっぱり康雄だったか。お前も捕まったか…」

「だ!か!ら!なんでここに!?」

「ああ。コニーが撃たれて、大した処置もしないままここに入れられたんだ。」

 ちっくしょう!やっぱり話が昔からかみ合ってない!!ってん?

「コニーが撃たれた!?」

「お前たちに逮捕状がだされて二日。康雄たちの目撃情報が入ったと噂を聞き、コニーの家に行ったらコニーがいてな。そこで一緒に捕まったんだ。」

 話の順番がおかしいね。それを先に言おうよ。

「ねえ聞いて!コニーが撃たれたってどういうこと!?」

「まさか三日も行方不明だと。父ちゃんも心配したぞ。」

「お前の頭の方が心配だよ!!あと耳も大丈夫か!!」

 わかってはいたが、この爺は本当に人の話を聞かない。聞くとすれば…

「康雄の父よ。コニーが撃たれたとはどういうことだ?」

「ああ。たまたま銃を持っていたコニーが、敵意を見せたと勘違いされて撃たれたんだ。今応急処置を終わらせたとこだ。」

 女性だけ。あのクソ親父は女性の話は絶対に聞き逃さない。そろそろお墓たてないとな…。女の人が入ってる墓とは隔離してるやつ。

「応急処置?」

「あ。そっか。文美はしらないっけ。父ちゃんの元仕事。ああ見えて医者だったんだよ。今は無職だけど。」

 医者は給料安定してるからよかったんだけどな…。ま、しょうがないか。

「ふむ。康雄の父よ。なぜリストラされたのだ?」

「手術中。俺はまだ下っ端あつかいだから、手術道具を渡す係りだったんだけどな。そのとき、手術してる大先生が確実に判断を誤っててな。そこを注意したら、手術中に口を挟むな!って言われてね。堪忍袋の尾が切れた俺は、気づいたら大先生殴って気絶させて手術終わらせてた。」

 こんなんでリストラじゃ、何もいねえよな~

「そのようなことが…。して、予たちに何があったのだ?」

「…やっぱり知らなかったか。お前たち、三日目に行方不明になったんだよ。どこ行ってたんだ?」

 …それは言わない方がいいだろう。

「まあいい。それでだ。次の日、テレビでお前たちが指名手配されてるではないか。内容はこう。国を揺るがすスパイだと判明した。だって。そんなはずはない。なぜなら俺が一人で育ててきた息子だからな。俺は間違いだと思った。だから、お前たちが今日目撃されたと聞き、集まりそうなコニー君の家へ行ったんだ。しかし、まさかつけられるとは…」

 スパイ?なんで僕たちが?それに三日?ということは、僕たちは三日後に帰ってきたのか?

「む?主の母はどうしたのだ?」

「文美。お前確か葬式に来たよな?僕の母さんは中学二年の頃に癌で死んだよ。」

「あわ…あわ…。いや…忘れていたわけでは…」

 戸惑ってるな…。ま、無理もない。あの日はピッタリと仕事が入っていて、文美はそのついでにわざわざ寄ってくれたのだから。あの日は一生忘れない。

「え…あ…。そうだ。この音はなんなのだ?さきからちとうるさいぞ。」

 話を変えてきた。まあそれはそれでこっちも助かるけど。

「この音かい?それはこの機械の音だよ。」

 と、奥で寝ているコニーにつけられている機械を指差す。なんだ?

「銃で撃たれたせいで一度心臓が止まったんだ。出血が酷くてな。これは、古いタイプの心臓補助装置(ペースメーカー)だ。主な部分は外にあって、体内とコードで繋がっている。持ち運びが大変でね。」

 そんな酷い状態までに…。なんで…

「でもどうして予たちがスパイなんぞに…」

「それがわからん。お前たち、まさか魔族に恨みでも買ったんじゃないか?ま冗談だけどな~」

 魔族?

「やっぱり魔族がいるの!?父さん!」

「そんな会えるほど身分高くねえもんな~はっはっは」

 あのクソ野郎。やっぱり話し聞いてねえ。

「文美。お願い聞いて」

「うむ。康雄父よ。魔族に恨みをもたれるとどうなるのだ?」

「ん?文美ちゃん。勉強してないのかい?魔族は今や各国のトップ。あいつらに恨まれたら死刑なんて簡単だぞ?」

 魔族がトップ?どういうことだ?

「1756年。どこかの小隊が魔族の一軍を全滅させたのがきっかけだったな。それを聞いたら魔族は一気に退散して、1900年まで力を蓄えていた。そして1923年。魔族が各国を一度に襲った。それのおかげで、国が他国の応援にいけなくなって、世界中の国は降伏するしかなくなった。それから、ゲザラスの力も奪われ。魔族が中心の世界になっていった。社会で習わなかったか?」

 そんな歴史は知らない。……あれ?もしかして、どこかの小隊って僕たちのことじゃ…。あれってまさか一軍だったの!?え…。えらいこっちゃ

「(む?お主も気づいたか。だったら話は早い。過去へもう一度行き、あの一軍の全滅を阻止しよう。魔族を助けるのはきにくわんが)」

「(それが一番だな。さて、どうやって行こうか…コニーも動けないし。文美も弓矢ないし)」

「(それだが。考えてもみい。学校へ行くときも肌身離さず持っていた弓矢を簡単に手放す予と思うか?)」

 思わない…けど。見るからに弓矢を持っていないけど

「(こんなこともあろうかと。取り替えておいたのだ。さき奪われたのは偽者だ。本物は……ここに)」

「ぶっふぁぁぁ!!」

「ぶっふぁぁぁ!!」

 文美がいきなり服を脱ぎ始める。それに驚く……って父さんもかいぃ!!

「ここだ。」

 文美が下着にまでなって取り出したのが、棒と糸と矢。え?

「あの小さい頃から持っていた弓矢は、成長とともに改造していた。その段階の途中で、組み立て式にしておいたのだ。いつも体につけておる。」

 まさに肌身離さずですか。組み立てると、いつもの弓矢になる。

「どうだ!この美しいフォルム!最高の弓矢である!!」

 うん。よかったね。それより…

「文美……早く…早く服着て……死ぬ」

 耐性がないから生身の「これ」には耐え切れない。鼻血とまんね。死ぬ。

「むあ!?どうして康雄は出血しておるのだ!?康雄父!助け……ってお主もか!!」

 お……父さんも…死にそうか…。

「文美…ちゃん…。ナイスボディ」

 父ちゃんが鼻血を抑えながら超発音良く言う。外人顔負けだ。そして、力尽きて倒れる父ちゃん。

「とぉぉぉぅちゃぁぁぁん!!!!!」

 僕も意識が…。ああ…文美が完全に戸惑ってる…かわいい…なっ      …

康人さぁぁぁん!!康雄ぉぉぉ!!!お前たちは立派な紳士であったぁぁぁ!!

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