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番外編~康雄の思い出⑦~

「さて……。眠ったこいつらを縛ったはいいものの」

「これが見つかれば大変なことだな……」

 さっき捕まえた二人の持ち物を取って縄で縛った。この銃を使えるのがコニーだけって、かなり危険だ。僕は筋力ないし、文美は弓矢の一刀流だし。

「で? どうするの? このままボスに挑んでシヌ?」

「なんでお前は死ぬ前提なんだ?」

 だって怖いし危険だし二人は頭おかしいし。

「そうだな。実際、見つからない場所でジっとしてるのがいいんだがな」

「え! とうとう安全な方向性に……!」

「俺のプライドが許さないからテロ群をぶっ潰す」

 コニーのバァカぁァァ……。このまま突っ込んでも人数的にオワタだよ。いっそこの銃を口に突っ込んで……あ、だめだ。重くて持てない。


「じゃあだ。康雄、お前が囮だ」

「うん。なんの話をしていたか知らないけど勝手に決めないで」

「うむ。負けたふりをして、まず康雄が捕まる。その隙に襲撃だ」

「うん。それって僕が安全に助かる確率って」

「「無に等しい(ぞ)な」」

 なんて人でなしなんだ。

「冗談だ。お前は安全そうな場所に残れ」

 え? いいの?

「主は戦闘力がないからな。事態が解決した後に出てくるがいい」

 あ。それはとっても助かる。まあ、ちょっと心ぼそいけど。

「これを持ってろ。この無線機で連絡を取る。ま、相手にも聞こえてるだろうから場所の言い合いはしないが」

 と言い、無線機を渡される。使い方はわかるが、相手にも会話がマル聞こえってのもな……。とその時無線機がなる。

『こちら見張り組。3階調査組の安否を確認する無線だ。応答どうぞ』

 3回調査組とは、おそらくこいつらだろう。ここ3階だし。

「三回見張り組は今お昼寝中です。どうぞ~」

 やっぱり無視はしないでコニーがでる。どんだけ目立ちたいんだ。

『……!? お前ら、本当に何者だ?』

 無線の相手が少し震えながら言う。その言葉の後、また別の声が聞こえる。

『さっきのヒーロー気取りか。今昼寝してる奴らは何番だ?』

 本当に寝かせたのか確認するのだろう。コニーは番号を探し、

「15と17だな。16はどうした?」

『お? 16はいないのか? おやおや……』

 ん? なんだか様子がおかしい。すると、扉の向こうから小さな声がする。


「ここか?」

「ああ……。確かにここだ」

 コニーは気づいていない。文美は気づいたようだ。足音からして数人いる。しかも、この無線の相手の声もする。向う側にいる……のか。

「おい何企んでる? 言っておくが俺達は本気でお前らを……?」

 その時、文美が小さな声でコニーに伝える。

「コニー……。話を終わらせろ。上から逃げるぞ」

 コニーはまだ気づいていないせいか、顔にクエスチョンマークが浮かび上がりそうなくらい不思議な顔する。

『達? お前、他にも仲間がいるのか?』

 複数人と気づかれたらしい。さっさと逃げないと……。

「くっ……康雄! 跳べ!」

 文美が突然僕をつかみ、通気口に放り投げる。……タマヒュンした。こえェェ。

「コニーも行けェ!」

「? よっと」

 コニーも無線機を持ったままマ○オ級に跳ねる。

『突っ込めェェ!』

 コニーが通気口に入った瞬間、扉が開き数人の人間が入ってくる足音がする。まだ文美が残って……。


「!? 女一人!? あの男はどうした!?」

「ここは任せい……行け」

 奴らが驚いている間、文美が小さな声で言う。文美……ここで食い止める気? ……フラグなんだけど。

「康雄、いいから進め……っ」

 コニーに言われ、通気口を這っていくことにした。

文美ィィィ!!

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