表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/30

第22話~次勝利~

今回はちょっと長めです。

「(題名を)またまた変えさせていただきましたぁ~!」

「怪しいって。どういうことだよ?」

 ハミーの言葉に疑問を覚える僕。聞き返すと、思いもよらない答えが返ってきた。

「さっきの食事……。ふたつあったでしょう? 私の感じる毒では……」

 次の言葉を聞いた瞬間。頭が混乱した。

「どちらにも入ってるんですの」

 どちらにも入っている。それはつまり、どちらを選んでも当たる。ということだ。それはルール上おかしい。4つのうちのそれかに入っていて、その中から選ぶはず。なのに……。

「今、コニーと話ていたのですが……。あらかじめ解毒剤を飲むにも、毒の種類がわかりませんし……」

 これははっきり言って絶体絶命だ。食べても死に至る可能性と負け。食べなかったら負け決定。どちらに転んでも僕達にとってはかなりの痛手だ。どうすれば……。

「最終手段で、食べた後、普通に私が装う……なのですが」

「! そんなのダメに決まっている! それじゃあハミーが危険じゃないか!」

「……わ。私は大丈夫ですの。今はこの場を乗り切るしか……」

「いいや! ちょっと待って。何か……ないか……」

 僕たちにある手段……。ヒューズの時は解除薬を渡せたけど……。

「! そうだ! ハミー。急いで行ってほしいとこがあるんだ!」



「さあ! 再開します。今残っているのは3人。残り選ぶのは一品、誰が残るのでしょうか!?」

 また再開し、少しずつ観客が会場に集まり始める。うまくやってればいいけど……。

「先ほどと同じ場所に座ってくださいね~。おっと、そこじゃありませんよ~」

 選手が全員座ったのを確認すると、司会が大きな声で。

「では! 最後の料理。選んでください!」

 そう言い、3人が料理を選ぶ。実際、二分の一という最悪の運試し。どうなる……。

「選びましたね? では、食べてください!」

「待ってください! やっぱりこっちにしたいです!」

 そう叫んだのは一般人。青ざめている。きっと怖いのだろう。でも、おそらくあの人の料理二つにも……毒が。

「ダメです。早く食べないと無理やり口に押し込めます」

 そう司会が言うと、急に一般人の後ろに大男が現れ、口に料理を流し込む。ひ、酷い……。

「がはッ……く…そ……」

 可愛そうなことに、その人は倒れた。泡を吹いていないとこを見るとやはり別の毒らしい。

「さ。こうならないためにも早くお食べください」

 その人が運ばれたのを確認すると、司会は二人に催促する。

「ふっ……うまい」

 江戸選手が食べる。すると、毒は入ってなかったのか。パクパク食べる。そして、ハミーの方を向き、「どうだ?」という顔をする。あいつはあの顔からして、毒が両方に入っていることを知っている。さて、そろそろかな?

「ヘァァックション!!!」

 大きなクシャミが会場に響く。勿論皆音源を探す。すると、音源の方向は意外な場所だった。

「おっとっと。すまない」

 そこは選手観客席と呼ばれる場所。その名の通り、選手が試合を見れる場所だ。しかし、イカサマなどないように試合場とはかなり離れている。そして、その音源の招待はヒューズだった。あいつはクシャミもでかいんだな。てかクシャミできるんだな。


「コホン。気を取り直して。羽実選手、食べてください」

 そういわれ、ゆっくり食べ始める。ハミー。その時江戸選手は、まさに「勝った」という誇らしげな顔をしていた。だが、その顔が青ざめるのも遅くなかった。

「ごちそうさまですの」

 ハミーは何事もなかったかのように完食した。

「おいおい! ちょっと待て! なんでお前が平気なんだよ!」

 とうとう言ったか。江戸選手が立ち上がり言う。まあそうだろう。予想外だろうからな。


━━━━━━━━━━━━━━休憩時間の会話━━━━━━━━━━━━━━━

「! そうだ! ハミー。急いで行ってほしいとこがあるんだ!」

「言ってほしいところ?」

「ああ。そこは、僕達の世界のコニーの研究部屋だ」

「は? なぜですの? そんなところに勝てる方法なんて……」

「違うんだ! 実は、その部屋にはもう一つ。というか試作品の転送装置があるんだ」

「……? それで?」

「それを持ってくれば、ここにあるやつとで二つ。意味わかるか?」

「単刀直入に言いなさい糞蟲くそむし

「ヒドッ。じゃなくて。いい? まずハミーが最初に、別の人の席に座るんだ」

「そんなことしても注意されて終わりですわ馬鹿」

「ヒドッ。違うんだ。その時、その試作品をばれないように置く。そして、自分の席に座る」

「? アホが」

「ヒドッ。ってなんで言ったの!? でなく。そうして、なんかでハミーの方の注意をそらしている間に、試作品を置いた席の毒なし料理と、ハミーの毒入り料理と入れ替えるんだ」


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


「ずるい! おかしい!」

「あら江戸のお方。なにがずるいので?」

「ウルセェ黙れ! 俺は確かに毒が二つ入るのを見た! なのに平気なんて……!!」

 あいつバカだな。自分から言いやがった。

「あなた。今、ご自分で自分の罪を吐いていますわよ?」

「や……今のは……」

 すると、さっきの大男が出てきて江戸選手を持ち上げた。

「な!? 何するんだ! 俺は言われた通りに……!」

 連れ去られた。というか持って帰られた。なんだったんだろうか。それに最後の「言われた通り」という台詞。それは、このイカサマもさっきのドーピングも、江戸の大主がやったことってことなのか? 

 そう考える間にも、次の試合の準備が開始していた。次は、文美の弓道だ。普通ならいいけど……。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ