番外編~康雄の思い出⑤~
テロリスト撃退編
━━━━━━━━━━━━━━高校生時代―デパートにて━━━━━━━━━━━━━━━
「久しぶりに会って。で買い物かい!」
康雄、文美、コニーの三人はデパートにいた。目的はもちろん買い物だ。文美は次の旅で使う用具を。コニーは研究材料(なぜデパートで買えるかわからない)だ。
「あのね! 僕はもっと想い出が作れる場所がいいんだよ!? カラオケとかさ!」
康雄はできる限り小さい声で言う。まあ二人は聞かないけど。
「なあ康雄。どっちが小型爆弾のカプセルに向いてると思う?」
とガチャポンの殻とビニール袋を差し出してくる。
「バカたれが! 話聞けよ! てかどっちも向いてねえよ! 言うなら殻だよ!」
康雄の声が大きくなる。
「なあ康雄。どちらが次の保存食に会うと思うかの?」
と段ボールとカブトムシを差し出してくる。
「バカ野郎が! 話聞いて!? てかどっちも食い物じゃないよ!? 言うなら段ボールに決まってんじゃん! その無抵抗のカブトムシIN虫篭を食う気かい!?」
また少し大きくなる。
「「なあ康雄。どっちが……」」
「阿呆かァァァァァ!!!!」
もうデパート中に広がる声だった。もう皆康雄を向いている。
「くそっ。お前らのせいで恥かいた!」
「「(自分で大声で出したくせに)」」
屋上(閉鎖中だったがこじ開けた)に来て一目を避ける。もう溜息しか出ない康雄である。
「それにしても。なんだか下が騒がしいな」
コニーが言う。すると文美が下を見開き(遠くまで見るやつ)見てみる。
「ふむ……警官が並んでおるの。康雄、何かしたか?」
「なんでまっさきに疑うの? まだコニーの方が捕まる理由あるよ?」
しかし、よくよく見てみると本当にパトカーがあることに康雄は気づく。そして、拡声器を使っているせいで屋上まで聞こえてくる。
「犯人に告ぐ! テロ行為などやめ、率直に人質を解放しろ。そちらの要望には従おう!」
その単語は、康雄たちを再び窮地に来たことを知らせるものとなった。
「ふむ……どうやら奴らは拳銃を持っておるな」
文美が床に耳を当てて言う。
「なんでわかるんだよ」
まったくそう思うが、コニーは
「まあそれはおいといて。どうするか……」
と、顎に手を当て考える。
「大人しく捕まろうかな。僕は」
康雄が下に降りようとすると、
「おいテメェ! 大人しくしやがれ!」
テロリストの一人が上に上がってくる。康雄が「僕大人しくしまーす!」と言おうとすると、
「下がれ康雄!」
「へ?」
急に文美が前に出て、
「ぐぁっ」
「がっ」
矢を放った。
「……ひどいよ。これで敵対する気満々やないか」
「がざ……ザザッ……こちら4番。屋上組、応答願う」
奴らのトランシーバーから声が聞こえる。安全の確認だろう。安全にいくなら無視した方が……
「もしもしこちらイケメンコニー」
「ソォォイ!!??」
康雄は驚いた。今世紀最大級の顔をして。
「ちょちょちょ。何喋ってるの?」
「?? ……誰だ貴様……」
「ふふ~ん。お前らの仲間……の、11番と12番? そいつら、今ちょいと寝んねしてるぜ~?」
コニーがポケットに番号付き名札があるのに気づく。
「何者だ……サツじゃねえな」
「ああ。言うなら、おちょうしヒーロー……かな?」
「……随分と先を考えてないな。そんなことをすれば人質が危険だろ?」
「いいや。考えてないのはそっちだ。お前らは要求がある。なのに、内部の俺らに邪魔されて殺せば、何の利点もなく負ける。人質がいなくなれば警察がなだれ込んでくる。まあ、俺達が何かするたびに一人殺す……となれば話は別だが」
この話方だと、コニーは相手の様子を見ている。あえていい方向のことを言い、それに乗ってくるか。それとも別の方針でいくか。それを待っているのだ。
「お前、只者じゃねえな。頭がいい。俺は位で言えば3番目くらいに偉い。だから、リーダーじゃないから方針はどうもできねえ。だが、この通信はリーダーに聞こえている。と言っておく。じゃあな。また会おう」
そう言い、トランシーバーの通信が切れる。出方は……わからない。
「コニーと康雄。どうする?」
「まずは情報が欲しいな。リーダーの顔と、要求を知る」
「僕は縄をひっかける天井と少し長めの縄が欲しいな。首をひっかけれるほどの」
康雄が死ぬ気満々な件について。
「まあ。これで俺達が屋上にいることは相手にわかっている。だったら、ここから移動するまでだ」
そう言い、通気口を指さすコニー。そこから移動するようだ。