第21話~露西亜小輪~
「さあ! 始めりました二回戦! 注目するのは先ほどの相撲で圧勝した京都の組の奴。江利灯羽実だァァ!」
今度は選手が一斉に出てくる。そして、同時に料理も出てくる。最初の料理は魚料理。にしても、ハミーのやつ。3つも食えるのか?
「さあ。料理を選ぶ時間です。まず、一つ。それぞれ選んでください」
選手の前に並べられた4つのうち、一つを選ぶらしい。だが、よくよく見ると、他の選手は少し震えている。てことは、この運試しはほぼ強制的に選ばれたらしいな。
「さあ。選び終わりましたね? では。どうぞ!」
一分ほど待ち、とうとう食事タイムが来る。大丈夫だろうか?
「う…ぐ……がはぁっ! ……」
「ぶ……が……」
一口食べると、既に泡をはいて倒れる人が二人出てきた。かなりの猛毒だ。6人のうち2人アウトで運ばれていった。それと同時に、「っち」「外れた」「大損だ」と、言って会場から離れる人が出てくる。あの人たちを選んだ人だろう。勿論ハミーは大丈夫。パクパク食べている。だが、今の脱落で、恐怖を覚えた選手も出てくる。まさに、喉を通らない状態だ。ちなみに、全て食べられないと脱落なので、わざと食えない仕草をするものもいるらしい。
「食べ終わったぞ」
「……(ブルブル)」
「ごちそうさまですの」
「……(ガクガク)」
四人。無事に一食品目クリアだ。あの震えていない狂人間は江戸の選手と百合野郎だ。
「いいですね? では。ニ食品目です! 選んでください!」
ここからは中々運が効かなくなってくる。三分の一。心配していると、すぐに食べる時間となる。
「食べてください!」
食べ始める。最初は普通に食べ、安心した人もいたが、
「がはっ! ……」
急に泡を吹きはじめた。
「言い忘れていましたが。この三つの毒入り料理。それぞれ毒の種類が違います。あの人は、時間差の毒を食べたのでしょう」
アナウンス。まあ司会が言う。それを聞いた一般人一人は、震えあがる。と同時に、さっきと同じように去る人も。
「うまかった」
「おいしかったですわ(そろそろ腹いっぱいな顔)」
「…………(もう嫌だ)」
あの凡人。僕と同じ臭いがするぜ……。そうやって、少し盛り上がってきた時。場の雰囲気をぶち壊したいと言わんばかりに司会が言う。
「ではここで休憩と取ります。開始は30分後でございます!」
観客からブーイングが飛ぶ。まあ当り前だろう。僕は、トイレ行きたかったし。丁度いいかな~。
「ふぃ~スッキリ」
用を足してズボンをあげると、丁度電話が鳴っていることに気が付く。てことはコニーだな。
「はいはいもしもし」
「私ですの。この糞野郎が」
なんだろうと思い出てみると、いきなり罵倒でビックリした。ってハミーか。
「なんだよハミー。いきなり罵倒なんかして」
「はっ! 電話されただけでも喜べですの。そうではなく、今回の試合。なんだか、怪しいですの」
え? どゆこと?