第17話~新たな世界~
今回は短いし、説明も不十分です。ちょっと読みにくかもしれません。
二人が退院し、時間の中心に戻ってきた。
「ただいま~。って、あれ? ジオだけ?」
机の下のジオだけだ。コニーとヒューズがいない。まさかウォーと二人で猛特訓!?
「ん? おお、帰ってきたか。なんか怪我してるな」
「ああ。ちょっと襲撃をな」
「どうせお前たちから吹っかけたんだろ?」
よくもまあお見通しですな。まあわかるだろうけど。それにしても、ジオって服の上からでも、包帯巻いてるのわかったんだ。
「それでジオ。二人はウォーのとこにいるん?」
するとジオは首を横に振る。そして、指をさす。その方向を見ると、
「「「(何かできとる!)」」」
三人の心がシンクロした。いままで3つあった扉の横に、もうひとつ扉が。しかも自動に見えるが……。
「ん? おお。帰ってきたか」
中からコニーが出てくる。
「ちょっとコニー! これ作ったの!?」
「ああ。その辺に落ちてた物を使って、研究室を作った。力仕事って言ったろ?」
「ここには、時々時間軸から外れた道具が迷い込むんだ。時空が歪んだ瞬間に強い衝撃を受けたりとかしたやつな。俺もそれでここを作ったんだ」
珍しくジオがしゃべる。ドヤ顔っぽいのしてるから自慢したのか。ま、無視するけど。
「そうか。そんなことが。一体やつは何者なんだ?」
魔法世界であったことを話す。仮面のことも言ったが、それよりも包帯女だ。
「名前も教えてくれないんだよ。とりあえず宇上鋼下石を……って」
ほんと、なんなんだ?
「ふん……。あ。そうだ。康雄、酒はあったか?」
あ。そうだった。散歩してたら魔酒っていう怪しいやつあったから買ったんだ。確か袋に入れてた……
「えーと。どっちだっけ。こっちか? はい。魔酒ってやつ」
いかにも飲んだら体が悪に満たされるような酒だ。
「魔酒ね……?」
コニーが袋を開けて真顔になる。どうした?
「康雄。これ……どぶ水氷なんだが……」
あ。ミスった。
「で。次はどうする?」
「できれば情報はあったほうがいい。その石を探そう」
「やはりそうなるのか。して、ヒューズはどこへ行った? 先から見当たらんぞ?」
文美が言って気づく。確かに見当たらない。ウォーのとこにもいなかったし。
「それがな……なんでも調子が悪いらしいんだ」
「え!? ヒューズが!? あの感染者が!?」
ありえない! 最強の戦士を作ろうとしたやつなのに!?
「あいつ自身は休めば大丈夫と言ってな。どうすれば本当のことを言わせられるんだ? 絶対無理してるぞ?」
うーん。ヒューズが意思が固いからな……。難しいぞ。 あれ?
「ねえコニー。もしかして。ストレスじゃない?」
「は?」
「だって、ヒューズって戦う時、イキイキとしてるじゃん。それが、全然外に出られなくて」
この状況じゃあ、それにか考えられない。そろそろ時間旅行させないと。
「てことだヒューズ! 行くぞ!」
僕は寝ているヒューズ(目開いててメッチャ怖かった)を起こして引っ張る。
「行くって……次の行先、決まってるのか?」
決まってない。でも、少しでもやる気にしないと。そう頑張って説得してると、
「康雄。次行くのは、科学世界・日国風世界・竜人世界のどれかだそうだ」
文美が言ってくる。この三つか。
「ほらヒューズ! どれに行きたい!?」
やべぇ。そろそろ引っ張る腕が限界だ……。
「だが俺は調子が悪い。足手まといになったら大変だ…」
むぐぐ……じれったい……
「いいからさっさと決めんかァァぁい!!!」
「うわっ! わ、わかった! じゃあ! 日国風世界だぁ!」
喝をいれてヒューズの固い心を貫いた。うっし。そうと決まったら。
「しゅっぱぁぁつ!」
「康雄の勢いに負けて14行で決めたが……」
「ああ。ここはどういう世界なんだ?」
扉をくぐって、どうやらここは日本らしいが。どうも様子がおかしい。
建物も、ビルなどの高いものはなく。瓦や木でできている。車も通っておらず、人力車が。一言で表すなら、
「「「江戸時代」」」
あきらかにスーツ男と緑怪物は目立っていた。