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第13話~お姉さま~

題名がすでに……


「つまり。この人は文美がドイツで仕事をした時の共闘者で、名前はエーリッヒ・ハミー」

 このハミーっていう人と一緒にボコられた。

「そうだ。してこやつは、自分の仕事に暇ができると、日本にすぐ飛んできおってな。予を探すのだ」

「あのたった一日で私のハートを盗んだお姉さま……罪人ですわ……」

「そちは黙っとれ!」

 ビシッと言われへこんだかな?と思ってハミーを見るが……嬉しそうで何よりです。まあ、この性格が女っ気ないから、いつかはこうなるとは思ってた。


「こやつに見つからんよう、携帯を持たず、住所も明かさず、名前も変えておった」

 このストーカーに見つからないためだったのか。

「お姉さまを見つけるのは、歩くより簡単ですわよ!」

 ああ。確かに文美ってこういう人苦手そう。

「それよりお姉さま! 一体この小太り一般人は何ですの!? まさか私に黙って浮気……」

 もう小太りってバレバレだな最近。服着ててもわかるんだな……

「浮気ではない。しかもそちと婚約を結んだ覚えもないぞ」

「いいえ! 婚約どころか結婚してますよ! 私のラヴハートの中で……(ぽっ)」

「……」

 ああ。もう文美が何もい得ない状態に。これはしばらく復帰はできなさそうだ。


「え…と。ハミーさん?」

「一般人如きが私の名を呼ばないでくださる?」

 ……ちっ。可愛くねえな。

「そういわずに……僕、橘康雄って言います。文美とは古い親友で、別にハミーさんが思う特別な関係じゃないですから」

 これで伝わるといいけど。

「そうですの? まだわかりませんわ。ま、名前くらいは覚えておきますの」

 いちいち上から目線だなコンチクショウ。

「それで。共闘者ってことは、国の下で働いてるんですよね。普段はどういう仕事を?」

 こういう時は思い切って踏み切るのさ! あんまり仲良くない人は作りたくないし。

「はぁ? なんで私がお教えしなくちゃいけませんの?」

「文美の隠し撮り写真です」

「あら。あなたいい仕事してますわね」

「それほどでも」

 いざ(G)という時に持っておいた写真が役に立った。ふぅ……また撮ろうっと。

「なんだか予の知らぬ間に危険な取引が行われた気が……」

「あ。文美。復活したんだね。よかったよかった。ねえ、ハミー」

「そうですわね。あ、お姉さま。何でもありませんわ」

 気のせいだよきっと。



「改めて自己紹介ですわ。私の名はエーリッヒ・ハミー。普段はコードネームのロートと呼ばれてますの」

 ちなみに、ロートのトがドイツ語らしかった。

「国で暗殺を主にしてますわ」

 うっへ。この可愛い外見して暗殺……怖いわ。

「康雄。こやつの特技は針投げであってな。予も初めてみた時はビックリしたぞ」

 針投げ?てことは……針で人殺すの!?

「お姉さま。お褒め頂ありがとうございます。つきましてはゴートゥーザベットを……」

「なんとだな。こやつは毒針を狙った場所にブレなく当てることができるのだ」

 文美。完璧なスルーだ。あとハミー。なぜそこは英語なんだ。

「ふぅーん。ダーツとか得意そうだね。にしても、毒針ね……」

「ただの毒針ではないのですわよ? 毒の種類はたくさんありまして、人を一瞬で殺したり。苦しまずに殺したり。眠らせたりと、様々ですわ」

 なんで笑いながら針を構えられるのだろうか。

「だったら文美のことを眠らせて襲えば?」

「いえ。お姉さまにはほとんどの毒が効かないんですわ」

 効かない? え?

「康雄、後で覚悟しておけ。 そうだ。予は小さい頃からの修行で、並の毒では効果がないぞ。予の職は常に命を狙われるでな。毒を盛られたら大変なのだ」

 あれ?最初の方に地獄が聞こえたんですけど? 気のせいかな? てか、毒を克服するとか。ガチで人間離れしとる。大丈夫かな? 

「確か、前にフグの毒を盛られたこともあったの」

 待って。それはおかしい。

「まあ効かないこともありますけど。その前に私の針を全て回避してしまうのですけどね」

 あ。それはまだありえる。ありえちゃいけないけど。



「ふむ。では、そちも長期休暇を?」

「はいそうですの。新しい暗殺者を探すとかで、しばらく休みをいただきましたわ」

 へぇ……国の裏って怖い。

「ですので! 私はお姉さまの家に泊めてもらおうか……」

「予たちはしばし旅に出る。そちは帰れ」

 え。それ言っちゃうの?そしたら……

「な。ん。で。す。と。? たち……? ということはそこの一般人と……!?     」

 体中が僕に危険が迫っていると警告してる。だってハミーさんの目が獣なんですもの。

「Mein Leben endet, wenn nicht töten diesem Mann(この男を殺さなければ私の人生は終わる)」

 ドイツ語だった。が、僕は意味がわかった。そういう顔をしてるから。逃げよう。

「待てハミー。一緒に行くのは康雄だけではないぞ。コニーという親友と、ヒューズというやつも一緒だ」

 それ言うとコニーにも危険が……(ヒューズは多分男だろうけど、BRには性別がない)

「Zwei Menschen Mann?(男が二人?)」

 ほら。終わった……と思い目を閉じた。が、何もこないため目を開けると、

「そうですの。わかりましたわ」

 なぜか日本語で落ち着いていた。あれ?

「おお。そちもわかってくれたか」

「ええ。それがわかれば話は早いですわ。私も、その旅に同行させていただきます」

 ―――え?あ、一瞬意識飛んでた。え?今なんて?

「……なぜそうなった」

「お姉さまと男が二人。これは私が殺すよりも、男が手を出さないように見張るのが一番ですの。それに、旅先でナンパなんてされたら大変ですわ」

 効き間違えてなかった……。てかドンダケ文美一筋なんだよ……

「しかしだな。ハミー。この旅は危険なのだ。命を落とすかもしれん」

「駄目だよ文美。多分、これだけ愛が詰まってるならそんなことは関係ない。ハミー。どうせお前、だったら尚更ついて行きます。って言うんだろ?」

「……そうですわ。なぜ御分かりに?」

 簡単だ。僕も、一応だが文美が好きだ。だけど、また恋愛的な好きではない。ギリギリ違う。それでもわかった。人を愛することは、何よりの力になる。勇気になる。と。

「まあ色々あってね。でもハミー。この旅は普通の旅じゃない。理解するまで複雑だよ?」

「そうだハミー。実際予も、今の状況を理解できてない」

 そういうと、ハミーは「ふぅ」と軽いため息をする。そして口を開いた。

「私は、どんな場所であろうと状況であろうと構いませんわよ?だって……」

 次の言葉を言った瞬間。また、懐かしい感じがした。頭がボーっとした。

「私は。お姉さまを守るだけですわよ?」

 ボーっとするのが終わる瞬間。何かが頭の中を走った。一瞬だけ何かを思い出しそうだった。

「うむ。コニーも言っていたが、戦力が多いに越したことはない。ちと心配だがな。……康雄。どうした?」

 文美の声で我に返る。ほんと、なんなんだ?


「そういえば。康雄。主にはお仕置きがあったの」

 山を降りる途中。そういわれる。あれ? そうだっけ?

「橘康雄。ずるいですわ」

 うんこいつもこいつで頭大丈夫か?

「覚悟せい」

 その後。コニーからの電話がかかってくるまで意識不明だったのは言うまでもない。


エーリッヒ・ハミーが仲間になった

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