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第11話~時間の中心~

 眩しい光に包まれ、時空を移動した。そして。目の前に景色が見え始め、次の時代に到着した。が、

「……。ん? ここはどこだ?」

 周りは暗い。といっても、どこからか光が当たっているのか。意外と遠くまで見渡せる。でも、時代がわからない。

「……。こんな場所。世界中にもないぞ。おそらく、どの時代にも」

 文美も知らないようだ。この景色。一言で表すなら……宇宙。実際に見たことはないが、なぜかそんな感じがする。遠くまで暗い場所が続き、果てがない気がする。

「おい。あれなんだ?」

 と、ヒューズが指差す先には、扉があった。なぜこんな所に?

「ふん……。ただの扉か。裏には特に建物はないし」

 確かにそうだ。近づいて見ても、変わらずに。ただ立っている扉。しかし、

「む? この扉。中に何かあるぞ?」

 文美が扉を開けて言う。覗いてみると、確かに何かある。暗闇じゃない何処かが。

「入ってみよう」

 そう皆に言って入る。そこは、何かの建物のようだ。


「不思議なものだな。何もない扉から知らない場所へ……。どこ○もドアだな」

 コニーえもん黙れ

「あ? 誰か来たのか? 珍しいな」

 周りを見ていると声が聞こえる。奥からだ。


「「「「……」」」」

 そこに人はいた。が、明らかにおかしい。

「久しぶりの人間……と思ったら。こりゃまた変な連中だな」

 お前だ。と返してやりたい。なぜなら、普通の机の下に体育座りで入ってる。なぜか椅子はなく、机とその下にいる男が。

「小太り。弓矢の姉ちゃん。機械。化け物。お前らは何ていう団体だ?」

 なんか言われてるけど無視するか。机の他のは、扉が3つ。あとは端っこにガラクタが積まれてる。


「話してもらおうか。まず、ここはどこだ?」

 この男が静かになったら、コニーが質問する。

「俺の話は聞かねえくせに……。まあいい。ここは 時間の中心。絶対時間にも相対時間にも左右されない、いわば孤独の場所」

 やべぇ。まったくわからん。後でコニーに説明してもらおうかな。

「左右されない?」

「ああ。そこの三人はイマイチ理解してないな。ま、メンドクサイから機械君お願い」

 イマイチどころか一切。てか話すときぐらい机から出てこいよ。


「機械君って。まあ後で自己紹介くらいするさ。で、説明か……」

 ここからコニーの、「確かに分かり易いけど無駄に長い説明」は入ったので省略。話し終わると、ヒューズが確認する。

「それはこういうことか? たとえば、時間というものが円状だとする。その時間はクルクル回っているが、ここはその時間という円の中点であって。時間が回っても影響がこない場所と」

 微妙にわからないけど。つまり、ここは何処の時代でもないと。

「まあそういうことだ。で? お前は誰だ? それと、なぜ俺たちはここに来た?」

 すると男は手を少し挙げ、「やれやれ」とつぶやく。だから出てこいよ。そして話し始める。


「俺の名前はジオ……とでも呼んでくれ。本当の名前なんて忘れたさ」

「忘れた? どういうことだ?」

「メンドクサイから話さん。それで、お前たちがここに来た理由だが……」

 話変えやがった。

「お前ら。時代はいつだ?」

「俺は魔暦2600年だ」

「僕と文美とコニーは、南暦2060年」

 そういうと、ジオは「スィーー」と息を吸って、

「いいか?時空と移動する時、別の時間軸。または時代のやつが一緒で4人以上だと、ここに飛ばされちまう。時空が歪むんだ。今回は時代でもあるし時間軸でもあるな」

 時間軸?

「康雄。お前時間軸の意味知らないな。時間軸ってのは、簡単に言って別世界だ。たとえば、俺が大天才の時間があるだろ?でも、違う時間軸だと、俺がただの人間だったりする。ってことだ」

 別世界。ね。てことは、魔族のいない世界といる世界で別って意味か……


「あれ?待って。てことは、ヒューズの世界と僕たちの世界は違うの?」

「そうなるな」

「てことは。魔族のいない僕たちの本当の世界は、まだあるってことじゃん。別に過去を変える理由なんて……」

 もともと。魔族がいない世界に戻るためにやってきたこと……。それが解決できるなら旅の意味は……

「ああ。だが、俺たちにはゲザラスを倒すというな……」

 「あ。そっか」と僕が言おうとすると、ジオが先に口を開いた。

「お前ら。ゲザラスを倒す気なのか……?」

 え?意外な反応。ジオはずっと無反応だったのに。これの話を始めると顔色を変えた。

「そうか……。ちょうどいい。俺も困ってたんだ。ゲザラスの誕生で」



 ここで、ゲザラスについての事を聞いた。まとめると、

・ゲザラスは、元々は地球にいる存在ではなかった

・が、いつのまにか地球に来ていて、誕生した

・ゲザラスの誕生で、時空が歪みやすくなり。同時に別世界も誕生した



「だがな。もうひとつ。おかしなことがあるんだ……」

 ジオがそう言い。顔を地面に向ける

「ゲザラスは……どの時代にもいないんだ」

 え?これを聞いたら、絶対におかしいと思うだろう。誕生したのにいない。どういうことだろう。

「いや。実際にはどの時間にもいる……だ。だが、見つけられない」

 わけがわからない。どういう意味だ? 表情を見る限り、コニーにもわかっていない。

「まあいい。おそらくジオにもよくわからないんだろう。それでジオ。ここから時間移動するにはどうすればいい? 時計が止まっているんだが」

「ん?ああ。そりゃここでは時間は動いているようで動いていないからな。時間移動なら、あの扉の一番右に入ればいい。そこには大量の扉がある。それぞれ、どこに繋がっているかは知らんが、見つけることができればお望みの時間へ行ける」

 ああ……。だめだ。わけがわからない。まあ、とりあえず扉を探せばいいんだな


「あ。それと、ここには一人残らないといけないからな。で、残るなら左端の扉にいる奴にも挨拶しとけ」

 あ。そっか。残るのか。って他にも誰かいるの?




「へぇ……。こりゃまた」

 左端の扉に入ると、広い空間に出た。何もない。しかも誰もいない。あれ?

「む? 拙者に何用だ?」

 すると声がする。どこだ? と周りを見渡すと……

「ここだ」

 上から声が。上を見上げると、そこには天井に張り付いている人が。

「拙者。闘いの神というものだ。ジ・ウォーとでもウォーとでも呼ぶがいい」

 「スタッ」と大きな音もせず床に着陸するウォー。なんでここには変人しかいないんだ。

「忍法写し耳で話は聞かせてもらった。して、誰が残るのだ?」

 ただの盗み聞きだろうが。

「そうだな。今から現代に行くんだし、ヒューズはちょっとやばいか。すまん! ヒューズ。残ってくれ」

 あれ? 僕じゃないの? 一番弱いから残されるかと。

「ああ。わかった」

「お前が残るのか。元人間の怪力持ち。戦闘ウイルスに感染され、脅威のパワーを手に入れた者よ」

「!? なぜ知っている!」

 え? え? 何? 変人の上にストーカーまでしてたの!?

「拙者は闘いの神だ。力を持つ者なら、人目でわかる。それ、そこの弓矢女。前へ出ろ」

 そういわれると、文美はウォーの前に立つ。


「ふむ。幼少からの厳しい修行で得た超人級の弓道を進んだ者。だが、まだ完全な力を出し切ってない。扉で魔法の世界に行くといい。きっと新たな力が開花する」

 むむ。このウォーとかいう男。本当に見抜けるのか? それともただのストーカー?


「そこの機械男は……。素の体では驚異的な頭脳しかないが。そのスーツ。それを着ることにより、筋力から体力。人体の能力を補い高い能力を得ることができる。得にその発電機。それが宇宙のエネルギーを秘めている」

 すごい。全部あたってる。しかも隠れた才能まで見抜くとは……


「そこの小太りは……」

 おお。ついに僕の力が発覚する時!

「ただの人間だ。筋力もなければ、知力もゼロに等しい。隠れた力もなければ、開花する可能性もゼロ。言うなれば凡人だな」

 |||||(´ω`;)|||||


「何もそこまで言わなくても……」

「いや。本当にないのでな。そこら辺にいる大人と交換してみろ。戦力が上がるかも知れん」

 わかってはいたけど。流石にそこまで言われると……ぉ。


「いや。康雄はただの人間ではないぞ」

「いいんですよ文美さん……どうせ僕は小太りの凡人ですよ……」

 はぁ……帰って仕事始めようかな……

「違うぞ。主は予を助けようとしてくれた。前も言ったとおり、勇気がある男だぞ!」

「俺もだ。康雄は、初めて俺を信じてくれた奴だ。ただの人間じゃねえ」

「そうだぞ康雄。俺も、お前のような人間は中々いないと思っている」

 うう……やめてくれ……逆に悲しくなる


「ふむ……。信用。勇気。か。面白い」

 なんだ?勝手に納得しやがって。あの忍者野郎

「お前たち。現代ということは南暦2060年だな? だったら、ちょっと調べてきてくれないか?」

 ん? 印? 調べ?

「確かその扉には、 通常:未調査 と書いておいた。で、 おでん味アイス という期間限定商品がまだ売ってるか調べてほしい」

 おでん味アイス? 不味そう

「自分で行けば?」

「拙者は絶対時間がずれてしまった。だから、扉に入っても一分くらいで強制にこちらに戻される。頼んだぞ。それと、もし稽古をつけてほしかったら拙者に言え。小太り以外なら相手してやる」

「けっ! 誰がてめぇに相手されなきゃいけねえ!」




「……。なんか。たくさん扉があるが……。ほぼ全部に字が書いてあったな」

 「魔法:あり」とか「超能力:なし」とか「不明:未調査」とかあった。どんだけ探してんだよ。

「ここか。通常:未調査。よし。行くぞ」

 扉に入る。そこは、最初真っ白の世界だったが、すぐに見慣れた景色が見えてきた。


なんか今回ばかりは、展開早くて読み辛いって言われそう

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