表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/37

神様からの警告……だと信じている

 リア友から電話があった、笑いながら。

『あのホラー小説笑えるんだけど! 口調が違いすぎて笑えるんだけど!』

 ……少し凹んだ。普段の口調で書いても怖くないだろうと思い、このような文体にしたのだが。

 しかし、「”ちょこっと”ではないですよね」と言ってくださった方が数名いたので、このまま突き進むとしよう。


 A県某所、公園。

 徳川家が関わっているその公園は、紅葉が有名だ。秋になると大勢の方が訪れるらしいのだが……。私は出向いたことがない。

 尚、その公園付近に電車の駅があるが、正面には廃墟がある。火事で燃えてしまった旅館だ。

 だが別に、そこは関係ない。廃業してからの不審火? により燃えてしまったので犠牲者は出ていない……とのこと。

 火災で有名になった旅館は、隣の駅だ。そこがG県最大の心霊スポット……であると認識している。

 そのうち、この公園へ行ってみたいと思うが。行く事はない気がする。


 さて、本題に戻る。

 この公園内に、祠があるらしい。何を祭っているのだろうか、本当に祠なのだろうか。徳川家の墓所でもあるらしいが、行った事がないので何かよく解らない。

 ともかく、父とその心霊スポット好きの一同がこの公園へやって来た。

 ……ということは、何か問題がある公園だったのだろうか? 何故この地を選んだのだろう、気になる。

 公園内を散策していると、祠を見つけた。

 紐で縛ってあるだけで、簡単に扉が開くものだったそうだ。

 父は、友人を止めたらしい。何度も止めたらしい。

 だが、彼は祠を開いてしまった。中に何があったのかは、知らない。

 祠の扉を閉めて、公園を立ち去る。


 その夜。

 彼は激痛に襲われた、片目が異常に痛かった。

 翌朝、鏡を見て彼は青ざめた。

 ……片目の黒目が、”削れて”いた。

 解るだろうか、徐々に白目しかない眼球になっていったのだ。

 満月が欠けていくように徐々に、徐々に。

 実際に父もその目を見ている。本当に黒目が消えていったのだという。

 瞳には、何も映らなくなった。痛みはなくなったが、見えなくなってしまったのだ。

 白目のみになった彼は、病院を回った。

 片目しか見えなかったので、友人に連れて行ってもらった。

 医師達は、口を揃えて「解らない」と言った。

 状況を説明しても、解って貰えなかった。

 4.5日が経過した。

 気休めにしかならない処方された薬を貰い、飲んでいたが片目の視力は失われた。 

 もう、このままだろう。

 彼は諦めた。

 気落ちする彼を、友人達が気分転換にと遊びに誘った。

 N河へ行き、皆で河原で遊んだ。バーベキューなどで楽しんだ。

 その時、彼は気づいたのだ。叫んでいた。

「あ、あれ!? 目が見える!」

 そうなのだ、彼の視力が戻った。瞳には、黒目が戻ってきていた。

 

 ……思うに、それは神様からの警告だったのではないだろうか。

 心霊スポットへ出向き、無意味に騒ぐ彼に、お灸を据えたのではないだろうか。

 もうするな、と。

 だから彼があの日の自分を後悔し、河で遊びながら嘆き悲しんだので神様が許してくださったのではないだろうか。

 神でなければ、視力は回復しなかったと思うのだ。

 そして彼は、心霊スポットへ行かなくなった。

 当然、私の父も誘われることがなくなったので、行かなくなった。

 

 これで、父の話は終わりである。

 面白半分に、興味本位でそういった場所に近づいてはならない。

 小学生の私は、頭に叩き込んだ。……いや、絶対に行かないが。

 

 次回は、私の話。

 この書き物は、私の幼い頃から順を追って書いている。

 小学六年生、卒業間近の私の話。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろうSNSシェアツール
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ