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ベル

2021年2月18日2:18頃。

 約9年共に過ごした、ホーランドロップのベルがお月様へ行きました。

 この子は私の前に別の飼い主さんのもとで過ごしていた子で、年齢は約12歳。

 前の飼い主さんが飼えなくなった、ということで、『(仮)うさぎSOS』という掲示板で引き取りに行けるうさぎを探し、譲って貰った子です。

 引き取った後、「その子は懐きませんよ」と言われましたが、そんなことはなく、いつも一緒でした。

 先に見せて戴いていた写真から、「随分警戒しているなぁ」と思っていたので、正直私が引き取ってよかったのだと思いました。

 ※うさぎの話が読みたい場合は、短編で『わたし うさぎの ベル』が上がってますので、よろしければそちらをご覧ください。



 今回は、怖い話ではない。

 不思議な事が起きた、と思って頂ければ。


 2021年3月1日0:50頃。

 就寝前にスマホを見るのはよくないと分かっていても、まったりした時間だとどうしても手が伸びる。

 好きなアナログ絵師の動画を拝見していた時だった。


 キ、トンッ。


「ベル!」


 私はすぐさま左を見つめた。

 そこにはまだ、あの日のまま、うさぎのケージが置いてある。

 聞き間違える筈がない。今のは、『ケージの中でベルが方向を変える時の音』だ。

 暗闇の中、ケージをじっと見つめる。

 満月から、月が欠けていくその日。

 ベルの姿は見えないが、私は涙が止まらなくて暫しそこで涙をボロボロと零した。


 主人が「遊びに来てくれたんだね」と言うので、さらに泣いた。


 しかし、確かに妙な音がした為、主人は隣の動物部屋の様子を見に行った。

 ベルはいないが、小鳥が六羽、その部屋にはいる。

 みんな寝静まっているが……。


「レモ! レモ!?」


 高齢で、次に虹の橋を渡るのはこの子だろうと思っている、黄色いコザクラインコのレモ。

 ケージの下で、普段とは違う形でうずくまっていた。


 慌てて主人が抱きおこし、すぐに手の中で普段の調子に戻ったものの、最近頻繁に発作を起こし、ひっくり返ってしまうので不安である。

 発作を起こす時はたいてい暴れるので、ものすごい羽音がする。

 今回のように、体調不良で静かに耐えている時もあるのだろう。すぐに気づいて駆け寄れたらよいが、音を出さないと私達は分からない。


 今回、もしかしたら、ベルが『黄色い鳥を見て!』と教えてくれたのかもしれない。

 というか、私はそう思っている。


 仲が良いわけではなかったが(レモが一方的にベルを警戒していた)、揃って眠っている時もあった。

 ベルは優しい子だったので。


 動物とは、とても、不思議なものである。

挿絵(By みてみん)

 年末から「もうだめだろう」と思いながらずっと看病していましたが、ベルを抱き、手を握って看取ることが出来てよかったと思います。


 私はペットショップでウサギを買うのではなく、手放されてしまった子を引き取りたいと思っています。

 コロナ禍でペットの需要が一気に増え、そして捨てられるというやるせない事態が起きています。

 多分、うさぎも捜せばすぐに捨てられた子に出逢えるとは思いますが、なんとなくそのうち御縁がある気がするので、今しばらくは鳥達と過ごしています。

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