振り子時計
先日、帰省した。
主人のセキセイインコ、プッコちゃんが亡くなった為だ。
うちは賃貸マンションの為、庭がない。
そもそも、もうすぐ引っ越しをする。
うちの実家か、主人の実家か迷った末、近距離(といっても、関東と東海だが)のうちの庭に埋めることとなった。
さて、実家には応接間があったのだが、そこは私が成人してからゲーム及びパソコン部屋となり、来客が来ると亡くなった祖母の部屋だった場所へお通ししている。
内装は父が趣味で古民家風に改造した為、趣のある良い感じの部屋だ。
さて、その部屋に、このような振り子時計が設置されている。
画像は、当日撮ったもの。
普通の振り子時計である。
時刻表示はあっているが、壊れて数年、振り子は停止している。
動いていようが止まっていようが、時間が正確ならばそれでよいので、我が家では放置されていた。
さて、先日帰省した際。
父が「いやー、お盆の夜中に、突然振り子が動いていてね。驚いたんだよ。おそらくおばあちゃんが帰って来ていたんだろうね」と言い出した。
当初、二時であった為見間違いかと思ったが、翌日も動いており、母と一緒に確認したらしい。
※トイレへ行く際にその部屋の前を通過するが、中でピカピカと何かが反射し動いていた為気づいたらしい。(その部屋は硝子戸なので、うっすらと中が見える)
と、言い終えて、止まっている振り子を父が触って動かした。
当然、振り子は止まった。
「そっかー、お盆におばあちゃん戻って来てたんだね。会いたかったなぁ」
という会話をしながらテレビを見ていて、それから数分後。
「あっ! 動いた! 動いてる!」
「ほ、ほわー……、お、おおぅ……」
止まっていた振り子が動き出した。
おまけに、速度が一定ではなく、突然速くなり、全力漕ぎのブランコ状態である。
流石に私も目が点になった。
其の場には主人も息子くんもいた。
母が「たまこが帰って来たから、おばあちゃんが嬉しくて来てくれたんだよ」と言った。
すると、息子くんが「……プッコかもしれない」と、呟いた。
真相は分からないが、寒気はしなかったので、私は恐らく祖母とプッコちゃんだと思っている。
祖母は、鳥が好きだったから。