戒めのお経
相方殿から聞いていたけれど、記載していなかった話。
やはり神様仏様は存在するのだと思う。
そして、「二度と悪い事をしてはいけないよ」と戒めるのだと。
相方殿が中学生の頃。
十円玉をライターで燃やしていたそうだ。
緑色の火が出て、珍しくて、綺麗だったから。
夢中になって燃やしていたそうだが、人気だったラジオ番組が始まるのでそれを止めて、聴きながら勉強を開始したらしいが、気づいたら眠ってしまっていたそうだ。
その夜。
眠っていたが、ラジオをつけたままだったことに気づいて、目を覚ました。
ラジオはまだ流れている。
しかし、寝ぼけながらも何やらおかしなことに気が付いた。
ラジオは流れているが、後ろからお経のようなものが聞こえてくる。
聞き間違いだろうと思っていたら、徐々にそれは大きくなり、お経のみが聞こえるようになった。
怖くて怖くて布団を被ってみると、金縛りに遭い。
恐怖しかなかったそうだ。
翌朝、恐る恐るラジオを見に行くと、血の気が引いたらしい。
昨日、燃やして遊んでいた十円玉がスピーカーの上に乗っていたそうだ。
「あれは恐らく、十円玉に描かれている平等院鳳凰堂からの戒めだったと思う」
と語る相方だが、そうだろうか。
私は……火遊びをするな、というお叱りだったのではないかと思う。