昼休みの憂鬱
初めまして。岸戸未蘇歩です。仰々しい名前ですが、初投稿なので名前負けしてます。暖かい目で見てください。
「暇だな。」
隣の席に居座る友人にして唯一の親友はそう呟いた。「まあ、そうだね。」と僕は曖昧に頷く。
「暇というのは人を堕落させる。そうして俺たちのやる気を奪っていく…。」 「とりあえずそこどいてあげたら?そこの席の柏木さんも困ってるし。」
暇だ暇だとぼやく友人の後ろには、居心地悪そうに柏木さんがおどおどしていた。
「あ、あの…。三木谷君。そこ、わたしの席…。」
「おお、わりぃわりぃ。」といいながらも僕の友、三木谷直也はどく気はなさそうだ。余りにも柏木さんが気の毒なので、僕は直也を強引に席から引っ剥がす。「あ、ありがとう…。」 「いやいや、こっちこそうちの直也が迷惑を…。」 「?俺、なんか迷惑でもかけたか?」
どうやら本人に自覚は無かったらしい。後でお灸を据えねばならない。
「そんなことより、どうやって暇を潰すか考えようぜ!」
「そういわれてもなぁ…」 確かに暇である。かといってやることはない。クラスで弁当を食べる速度ランキング一位二位を争う僕らにとって、昼休みの余った時間は退屈だ。だから今日もこうして「暇だ!」と叫んでいる。
余りの沈黙に耐えかねたのか、直也が口を開いた。
「よし、じゃあ、政治について語り合おうぜ?」
「何で疑問系?別にいいけど、政治、わかるの?」 「いや、全然。」
「・・・・・。」
「・・・。…まあいいや。部活の話とか…」
「…僕ら帰宅部だけど。」「・・・・・。」
話のテーマが皆無だった!だめだこりゃ!
「よ、よし。じゃあ面白い話しようぜ!大爆笑必死のギャグを見せてやろうぜ!」
「ちょ、急にハードル上げないでよ!」
バカがバカなことをいってしまったのでみんなからの注目を浴びる僕たち。絶対にやらなきゃいけない空気になったじゃないか!ええい、くそ!ヤケクソだ!「この前、従兄弟に聞いた話なんだけどさ」
「おう」
「エレベーターに乗ったときに誰かがオナラをしたみたいなんだよ」
「へえ」
「その従兄弟がしたんじゃないの的な空気になったときあることがおきたんだ」「あることって?」
「エレベーターが『五階(誤解)です』っていったのさ!」
ど、どうだ?
『・・・・・。』
教室中がしずまりかえった!
「プッ…クックックッ…」 いや、柏木さんだけツボに入ったみたいだ!わ、わからねぇ!あの子のわらいのツボわからねぇ!
キーンコーンカーンコーン チャイムが鳴った。暇だと思ってた昼休みはあっさりと終わっていった。物凄い疲労感を僕たちに残して…。