3/5
失うこと
失えば
それはきっと儚くもうつくしいもの
けれども失った瞬間に
ぎっしり詰まった悲しみをもたらすもの
あぁ僕はこんなにも疎い
空想の中でしか言葉を口にすることができない
まるで重力の無い地球に暮らしているようだ
蓋を開ける前から
僕は失うことを恐れている
描いてみなければどんな絵になるかはわからないというのに
失って初めて、僕の絵は完成するかもしれない
けれどもそれは僕の描きたかったものではないかもしれない
絵筆を持っているのは
君かもしれないからだ
失うために
僕はもっと真実を知る必要がある
何が大切で
何が大切でないか
物事をきちんと把握して
現実の中で生きる必要がある