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生の歌
生きること、それは自分の胸に「ありし日の自分」を刻んでいく作業だ。
どんな逆光にも堕ちることなく輝ける自分の像を紡いでいく作業。
孤独に耐え忍んで、時として感涙に咽びながら。
そうして今この瞬間の自分をなぐさめながら。
生きること、それは自分の色を決め、あたまの中に塗りたくっていく作業だ。
色鮮やかでなくてもいい。自分が思うところを塗る作業。
明瞭でなくたっていい。あたまの中に地図や設計図を書くのではない。
ぼんやりとでもいい。自分の色を決める作業。
生きること、それは行き先の知れぬ列車に飛び乗ることだ。
それには勇気を持たなければいけない。
自由は、必ずしも待ち構えていないかもしれない。
思うような場所にたどり着かないこともあるだろう。
だが、嘆くなかれ。僕の思念が届いて、思い通りに行くことだってあるかもしれない。
生きること、それは足りないものを補っていく作業だ。
いままでの自分を振り返ってみよう。
そこには何があるか?何が無いか?
無いものを見極めて、それを追っていくことだ。