第四章:命の輪っか(数珠)に包まれて
いよいよ最終回です。最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございます。
壮絶な喧嘩の日々を乗り越え、言葉も音も超えてたどり着いた、一人と一匹の「本物の絆」の結末をどうぞお読みください。
夜、俺は布団の中にいる。
寒くもない。むしろ、白玉の体温のせいで、少し暑いくらいだ。
白玉は、暑くなったら顔や上半身だけを布団から出し、寒くなったらまたもぐる。
そうやって完璧に温度調節をしながら、けれど、下半身や小さな手だけは、絶対に俺の足にピタッと添えて、またぐようにして離さない。
今まさに、俺の足を枕にして、スヤスヤと気持ちよさそうに眠っている。
耳が聞こえない彼女が、寝ている間も俺を一瞬も見失わないための、肌で感じる命綱。
「寝にくいだろうに、よくやるよ」と苦笑しながらも、俺はその足を動かすことができない。
かつて旅行先でバラバラに弾け飛んだ数珠の「珠」。
あの時、離れてしまった愛犬との縁が、今度は「白玉」という一つの温かい命の輪っかになって、俺の足元を優しく、がっちりとホールドして眠っている。
「白玉、おかえり。もう、絶対に離さないからな」
足元に伝わる、ずっしりとした、死ぬほど頑丈で温かい重み。
俺は目を閉じて、その愛おしい奇跡のぬくもりを、全身で受け止めながら眠りについた。
全4話、最後までお読みいただき本当にありがとうございました!
実は今、この後書きを執筆している私の足元(布団の中の股の間)では、白玉が私の足を枕にして、小さな手をピタッと添えてスヤスヤと眠っています。
1年前は手が血だらけで毎日喧嘩をしていましたが、諦めずに、この頑丈で愛おしい相棒と向き合い続けて本当に本当によかったと心から思っています。
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