ファンタジー学園入学式
自分が生まれて一番初めに喋った言葉を覚えているだろうか?
俺は覚えている。公式記録では『パパ』ということになっているが実際は『まぶし!』と言った。
残念ながらこの世界の言葉と俺の前世の母語は違ったようで、誰にも理解されなかったが。
さて、なんで俺がそんなの覚えてるかって?気になるだろう。なに?だいたいわかるって?まあまあ落ち着こう。一旦深呼吸でもして。ついでにラマーズ呼吸法も試して。
さて、その理由は、俺が人生を送るのが2度目だからである。本来なら物心どころか首も座ってないうちから、物心どころかもはや親心すらあったのだ。
聡明な読者諸君ならもう流れはお分かりかと思うので、色々省略して、幾つかこの世界の特筆すべき要素を紹介しようと思う。
まず第一、この世界の文明レベルは低い。上下水道はないし、コンピューターとか当然ない。いまだに馬車走ってる。
なんか魔物とかもいる。魔石とか持ってる。魔族もいる。人族以外にも喋って二足歩行で火を扱う奴らがいっぱいいる。
そして、魔法がある。
魔法は、なんというか、ゲームっぽいやつだ。土の壁出したり、火の玉で攻撃したり。
で、最後、魔法とは別で、スキルというのがある。
これも、ゲームっぽいやつだ。前世じゃスマホでソシャゲをちょっとやるくらいだったので、ドラクエすらやってないのだが、ドラクエみたいな感じだろうか。スキルは全員が持ってるわけでもないらしい。
ちなみに、俺はスキルを持っている。鑑定というスキルだ。これを自分とか他人に使うことで、その人の能力値みたいなのを見ることができる。
試しに、1歳の時の俺のを見せてやろう。
ライル・セントリー
レベル1
HP2/2 MP1/1
力 0
魔力 1
体力 0
敏捷 0
スキル
鑑定
これを見て、まず俺が思ったことは、文字読めねえである。俺にしか見えないようになってるくせして、なぜか言語が俺に対応してないという不思議である。最初にこれを見た時は、まだ俺は乳飲み子だった。なので、文字なんか当然わからん。
というか、鑑定自体も、なんか出たという感じだった。暇を持て余して色々やっていた時に、たまたま出たのである。赤子の暇具合舐めるなよ。
そして、スキルを使うと、魔力を使うので、めちゃくちゃ疲れた。最初は使ってすぐ気絶した。
とはいえ、赤ん坊の身体は、暇すぎて、起きてる間はずっと鑑定を使っていた。大体自分に、時にはメイドとかに。
そう、ウチにはメイドがいる。うちは貴族階級だったらしく、俺を世話する用のメイドがいるのだ。
貴族生まれってのは嬉しい話だ。親が金持ちなんて素晴らしいことだ。まあ、そのせいで後々色々面倒もあるんだが、それは今はいい。
とにかく、鑑定スキルを使っていると、魔力の能力値が伸びた。身体能力はそりゃ使えば伸びるだろうが、魔力がそうであるというのは、その時の俺にはすごい発見だった。
そして当然、魔力を使う使う。それしかすることないしな。まあそのおかげで魔力も伸びた伸びた。そのうち使い切るのもめんどくさくなるくらいには伸びた。その頃にはもう立てるようになっていたので、もう片っ端から鑑定したね。
その過程で色々発見もあった。
うん、説明めんどいな。
まあ、とにかく、そういう事情で、俺は魔力がアホほど増えて、貴族なせいで学園に入らなきゃいけなくなって、前世あるせいで、主席取っちゃって、今ちょうど、入学式で代表挨拶をしているということである。




