21 真実は過去の追体験にて (イスキローテ編Part2)
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皇帝は謁見室を後にし、自室へと戻っていた。
『グラナージ達は大丈夫かな〜?』
この状態を作り出す魔法は禁忌にあたるものの一つである。
過去の視点への介入。
それによりなにかが変わる訳では無いが、現在の通説を帰る可能性があり、下手したら帰れなくなるという危険をはらんでいることもあり、禁忌魔法として扱われている。
『視点の持ち主が死する時を目の当たりにしなければ戻れない。もし万が一、生きている者の視点であった場合長い間帰ることは出来ない。それ以外にも方法はあったはずだけど、掠れて見えなくなってたんだよね〜。』
「あの禁忌魔法が書いてある本。有用性はあるが、膨大な魔力が必要となる。マクロスはそれほどまでの魔力をもってはいない。ククッ、馬鹿なヤツだな。」
『我が子への愛情がどれほどの作用をもたらすものなのかをこいつは知らなかったんだろうね〜。』
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豪華絢爛なホール
着飾った人達。
ホールの奥の玉座。
『任命式かな〜。これは。』
昔の任命式は厳かではなかった。
おめでたい日であるから、どんちゃん騒ごうという感じであったのだ。
式だけ真面目にいればいいだろうという。
『ふーん。本当にどんちゃん騒ぎだね〜これは。』
皇帝は基本最後に登場する。
映像魔法石で、中の雰囲気がどうなっているのかを把握し、それにより登場の仕方を変えるのが、彼のやり方であった。
「少し騒がしいな。」
『……。まぁ、そうだろうね〜。皆は魔境の真実知らないんだからね〜。』
……なぜ普通に会話っぽいことをしているのだろうか。
イスキローテの適応能力が凄まじい。
長年生きているだけのことはある。
「黙らせるか。」
『うわー、黒幕っぽーい!』
なんやかんや、楽しんでいるイスキローテであった。
「皇帝のおなーりー」
大きな声が響き、重厚な扉が開く。
先程まで騒がしかった貴族達は一斉に礼を取る。
『なーんか。古。』
昔なのだから、しょうがない。
「……。」
威厳のある顔つきで、まるで覇気を出しているかのような足取りで玉座へと足を進める。
その威厳に圧倒され、少し礼を崩していたり、顔を取り繕っていなかったもの達が縮み上がる。
「……顔を上げろ。」
いつにも増して、低音の声でそう告げた。
ドスが効いたと言った方がいいかもしれない。
貴族達はなおり、そして背筋を伸ばして立つ。
「……うるさい虫が多いな。」
噂話をしていたもの、この会に対しての不満を言っていたものは一斉に震え上がった。
「…………。」
沈黙が辛い。
「「「「失礼しました。」」」」
誰からともなく、一斉に頭を下げる。
『こういうのって練習するのかな〜?』
ちょっと黙っていて欲しい。
「……まぁいい。(ここまでやれば十分だろう。)」
『まんまと踊らされてるね〜。まぁ、自業自得だけど。』
ほんと、黙って。
「これより、任命式を執り行わせて頂きます。速やかな準備をお願い致します。」
その言葉で一斉に貴族達は動き出し、自分の定位置に戻る。出されていた飲み物なども一斉に下げられる。
さっきまでの雰囲気はどこへやら。
厳かな雰囲気が漂い始める。
それを確認した、皇帝が扉の方へ合図を送る。
重厚な扉が開き、正装をした、本日の主役がやってきた。
「第2騎士団団長マクロス・グルバルト、ただいま参上致しました。」
「同じく、第2騎士団副団長ルースト・クロゼウス、ただいま参上致しました。」
「これより、任命式を執り行う。」
ファンファーレが鳴る
『……大規模。』
………。ツッコミを入れてやるなよ。
厳かさが半減どころか7割失われてるから。
読んでくれてありがとうございましたー
玉座あるので、皇帝も同様の事象を経験してます




