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14 魔鬼との戦闘?は書斎にて

遅くなりました



微動だにしない。イスキローテ。

それをじっと見るグラナージ。


その姿を笑う魔鬼。


それらを呆然と眺めている皇帝。




「で。イスキローテが使えなくなったわけだけど、グラ?どうする?」


「俺の名を呼ぶな。」


「え〜?なんで。」


「…(なに、この状況。イスキローテ様は生きてるのか死んでるのか分からないし、なんか色々ヤバそうだし。助けはきっと来ない。来たとしても魔鬼に勝てるわけが無い。)」


下手に喋ったら、こっちに矛先が向いて、殺されかねない。

どうすれば良い?

どう動けば、この帝国を守れる?

考えろ。

考えろ。

というか、城内人達は今どうなっているんだ?



「あ、そうそう。そこの君〜。」


「え?」


グラナージが皇帝を守るように前に出る。


「そんなに警戒しなくてもいいじゃん。喋るだけなのに〜。」


「信用出来ん。」


「あらま〜。これでも魔境の管理者だったのに〜」


「え?」


「管理、者?」


「え?あれ〜?イスキローテから聞いてないの?アハハ!」


「は?どういうことだ?」


「ハハッ!!本当に何も聞いてないんだね〜。僕はね〜。魔境の隠された真実を知っちゃったんだよ。それを良いことに皇帝は僕に魔境を管理するように命じた。"魔物"が暴走して出てこないように。僕は強かったからね〜。"魔物"を殺すのに適任だと思ったんだろう。」


「は?」


「僕は、不都合な事実を知ってしまったが、ために追いやられたんだよ。まぁ、やり方は少し違うけど、今の辺境伯の役割を最初に担っていたのは僕ってことになるね。」



「………」

グラナージ様の顔を見る限り、彼も知らない様子だ。イスキローテ様は知っていたのか?

どこまでが嘘で、どこからが真実だ?

分からない。

判断できる材料が少なすぎる。


「お前は魔境で産まれたんだろ?人間なわけが無い」


「…アハハハハッ!!え?何その話〜。僕は普通に生まれたよ〜。」


「…。だったらなんで、"人間"のお前が魔物である俺を拾った?ローテの元に行き自我を取り戻した?」


「え?拾った?あー知らないのか。自分の正体も、魔境の真実も。もしかして、イスキローテも知らなかったのかな?皇族とはいえ、皇帝を継ぐ立場では無いから。」


「は?」

何一つ言っている意味が分からない。

分からない。何も。


「グラナージ。君は僕の息子だったんだよ。」


「妄想ならもういい。」


「違うって〜。本当に息子だったんだよ。」

微笑みながら魔鬼はそう告げた。

明らかに今までのおちゃらけた雰囲気とは違うものだった。


「………。」

あまりにも真剣に懐かしそうにそう述べるので、グラナージはどう答えていいか分からなかった。


「息子だった。何故過去形なのですか?」


「…。うーん、僕にとっては過去だからさ。捉え方によっては変わるのかものだけど」


「…はい?過去というのはどういうことですか?捉え方とは?息子は例え離れ離れになったとしても、いつまでも息子なのでは無いのですか?認識云々ではなく。」



「本当に知らないんだね。魔境という場所を。グラのことを。」








「魔境から説明しようか。

………魔境はね。本当はただの森だったんだよ。」





「え?」




「その森は、皇帝が秘密裏に人間を処理するために使っていた場所なんだ〜。まぁ、処刑場ってこと。そんな場所に勝手に出入りされたら困るでしょ?だから"魔境"って名前を付けて、ここは魔物が生まれる場所でとても危険だから、入ってはいけないよ〜ってしたわけ。僕は、そこに腕試しとして入ってしまった息子を追いかけて、気づいてしまったんだよ。ここにいるのは魔物ではなく、人殺しだと。」


「は?なんだそれ?そもそも、実際に魔物はあそこで生まれてるじゃないか。」


「生まれてるの見たことあるの?魔物という存在は確かにいるけど、生まれるわけでは無いんだよ。動物や死体が魔力を吸いすぎた時に突然変異として強化されたり復活したりしたのが魔物の主な正体。魔法を使いすぎた場所とか、逆に使わなさすぎたところは、魔力濃度が高まるんだよ。だからそこに居続けた動物や放置された死体は自然と魔物化する。まぁ、皇帝は別のものを呼称するのに使ってたけどね。」


「……。それが本当なら、何故魔境には魔物が沢山いるのですか?」


「人がそこで死にすぎたからだ。死体は魔力が多いところではその媒体となってしまうから。当時は…って今もか、知らずに放置したのだろうね。」


「はい?それでも、そこまで魔物は増えないのでは?そんなに沢山の人間を処刑していたら、さすがに騒ぎになるのでは?」


「意外と今の皇帝って頭悪いんだね。」


「ウッ……。」


「魔境の管理はね、元々、影が行っていた。影と聞けば察しはつくかな?あれは、皇帝がやれと言われればなんでもやる。誘拐でも殺しでも、なんでも」


「………。」


「魔境には、たまに僕の息子みたいに肝試し感覚でそこに入ってくのがいるんだよ。もし、そこでその子達が魔物と遭遇せずに、何事もなく生還したら、どうなる?」


「噂は嘘であったとされ、入る人が増える。」


「そう!森は資源だからね。平民からしたら宝の宝庫さ。魔物が嘘であるという話が出れば、みんな入っていくだろう。生きるために。だからそれを阻止するためには?」


「……入ってきた者を殺す。」


「そういうこと。僕は強かったから反撃が出来たけど、力の使い方を知らなかった息子は、僕が次に目にした時にはもう、死体だった。」


「「…」」

絶句する2人。


「…待ってくれ。今までの話が全部本当だとすると、その殺された息子は。」












「そう。グラナージ。君だよ。」

読んでくれてありがとうございました。

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