13 魔物との戦闘は辺境伯の領地にて
「あらあら〜。案外弱いんだね〜。永遠に眠り続けな」
「大丈夫だよ〜、僕が君の人生を有効に使ってあげるからね。」
「………。」
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イスキローテが倒れた頃の辺境伯領。
「……急げ!!!」
「逃げろー!!とにかく、魔境から離れろ!!」
「ママー!どこー?」
「どこいったのー??」
「「うわぁーん」」
「どうして!?どうして!?」
「結界があったんじゃないの!?」
「なんで!?最古の魔女様の結界は?」
「守れ!1人でも多く!」
「命をかけて!」
「ここでやらなきゃ、帝国が終わる!!」
悲鳴。怒号。指揮。
あらゆる大声が飛び交う。
「あの御二方はどこへ!?」
「クッソ。」
「どうすれば!?」
「指示をください!!」
「「辺境伯爵様!!」」
「避難を優先させろ。」
「あれは、俺らだけでどうにかできるものでは無い。」
「「承知しました!!」」
「全騎士に告ぐ!!避難誘導を優先しろ。」
「全魔女に告ぐ!!避難誘導が完了するまで魔物をできるだけ足止めしろ。」
「「「「「「オウ!!」」」」」」
「「「「「「「はい!!」」」」」」」
多種多様の魔物が襲ってくる。
魔物血。人の血。
死体。
壊れた家屋。
さっきまでの平穏な日常が一瞬にして崩れた。
その光景を見て誰もが思った。
これは現実なのか。
夢なのでは?
これが現実?
ありえない。
あってはならない。
こんなことが。
起きてはならない。
何故?何故?何故?何故?何故?何故?何故?何故?
辺境伯はあの時にグラナージ様を信じ抜くと言えれば、良かったのだろうか。
対処の糸口が少しは見えたのだろうか。
分からない。
どうにもできない。
どうしようもない。
もう。無理かもしれない。
「クソッタレ。」
「はぁ〜。死ぬかと思った〜。」
「え?」
「遅くなってごめんね。まずは全部、ぶっ倒そうか!!」
「え?」
魔法が発動される。
あんなに苦戦していた魔物が、一気に10体ほど倒れる。
「結界を突破したんだから、どんだけ強いのかと思ったら、魔鬼が無効化しただけか〜。」
「もう少し、頑張った方がいいよ〜?」
「え?」
「辺境伯〜。私、ちょっと時間が無いからさ、一気に殺るね。」
「え?あ、はい。」
「あとこれ。魔女たちに渡しといて。」
「あ、はい。」
「見ればなにか気づくと思うから、説明不要〜。」
「分かりました。」
「なんも説明できずに巻き込んでごめんね。もうすぐ終わる。だから、それまで耐えて欲しい。」
そう言い残すと、浮遊する。
「……嘘だろ。」
頭上に巨大な魔法陣が出現する。
魔女たちは気づく。失われたはずの魔法。
かつてたった1人の魔女のみが使えたとされる伝説の魔法が。
頭上で展開している。
「生きていたんだ。」
「助けに来てくれたんだ。」
「凄い。」
「綺麗。」
声が響く。
「ティモリステ トー カーコ」
次の瞬間。
魔物がその場に倒れていく。
「魔法陣がある間は悪しきものを殺し続ける。変な気は起こすなよ。この陣に敵だとみなされたら終わりだからな。」
「ステイド・ルクロンバ。」
凛とした声が響く。
「はっ!」
その威厳に思わず膝を着く。
「いままでありがとう。お前の一族には世話になった。」
笑みを浮かべる
「あとは頼んだ。お前なら。お前らなら大丈夫だ。」
そう言い残して空から姿を消した。
そして、
彼女が去った場所には色とりどりの釣鐘状の花が咲き誇っていた。
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「クソが!!!!」
(これを俺一人にどうしろっていうんだよ!!!)
読んでくれてありがとうございました!
あと少しで終わるかなって感じです




