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電脳クライシス  作者: 明夢
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モンスタービル

本日の試練に選別させられたのはランダムに選ばれた100人。

男・女・老人・大人・子供・人種全てがランダムに選ばれた人間達。

共通するのはこれから起きようとする痛みを伴う恐怖に怯えていること。


電脳ダイブした100人が居るのはどこかの建物の部屋。

100人の人間が居ても余裕のある広さから巨大な建物だと推測される。

部屋には扉と扉の横に黒い電子版と開の表示があるボタンがある。

その見た目から階のボタンではないがエレベーターを想像させられる。


電脳ダイブして5分経過したぐらいで100人の前に表示が現れた。

その表示は今回の試練とルールについてだ。


モンスタービル

一人でも100階を通過したらクリア。

各階ごとにモンスターが生息している。

各階は独自の環境である。

3・6・9・12・15・18・21・24・27・30・33・36・39・42・45・48・51・54・57・60・63・66・69・72・75・78・81・84・87・90・93・96・99階はセーフティエリア、モンスターは居らず武器の補助ができる。

武器は一人につき一つ選んだもののみ。

モンスターを倒さなくてもいい。

扉は階の何処かにある。

各階のモンスターは一体。

選別者が一人減るごとに各階のモンスターの数が一体増える。

終。

今回の試練は最初からルールが全て表示されている。


選別者達がルールを読み終えると同時に各選別者の前に表示が現れる。


表示には銃、刀、剣、槍、弓、盾、ハンマー、メイス、ボウガン、火炎放射器、手榴弾、硫酸、札。

ありとあらゆる武器がある。

銃一つにとってもハンドガン、ショットガン、ライフル、マシンガン、バズーカやロケットダン等種類が豊富。


選別者は一人一つの武器のルールに基づき思い思いの武器を選んでいく。

使用した経験が有るもの使用したことがなくても自分の身を守れると思うものを選ぶ。


全員が武器を選び終えると開のボタンが光だす。

武器を手にしようともこれから起きようとしている恐怖を思うと安心は出来ない。

だが行かなければ現実には戻れない。

勿論全員が死ねば試練は終了し現実に戻れるが痛みは本物、実行は出来ない。

お互いを鼓舞しながらさぁ行こうとした中それは起こった。

パァン、パァン、パァン。

グサ、グサ、グサ。

ボー、ボー、ボー。

100人の中で既にクリアを諦めていた選別者達がいた。

彼等にも思いは有った。

早く現実に戻りたいと。

だからこそ現実と変わりなく痛くてもどうせ現実には死なないからと死を選ぶ。


突然の暴挙に選別者達は一斉にパニックになった。

これでは統率も何もない。

しかも全員が既に人を死に至らしめる武器を所持している。

こうなったら結末は一つ。

混乱を抑えようと懸命に抗う者も半狂乱に惑う者も目の前に起きる死に呆然とする者も死を目指す者もどんどん倒れていき落ち着いた頃には部屋の中は血塗れの壁と床に死体の山。

生き残ったのは34名。

とはいえその中で無傷なのは16名。

後は怪我や辛うじて生きていると言える者達。

武器も五体満足ではない。

弾数は消費された。

中には壊れもう使いようがないものもある。

補助、補填しようも表示は選んだ時点で消えている。

死んだ者の武器を使いたくてもルール条自分が選んだものしか使えない。


残った34名はこの状態で100階を目指さなくては成らない。

しかも64名脱落と言うことは一階からモンスターの数は65体。

モンスターの情報、部屋の環境の情報は何もない。

ここで絶望し死ねたらどんなに楽であろうか。

だが分かっていても出来ない事もある。

例え無理な状況下であろうと生に意地汚くともすがり望むのもまた人間だ。

例え此処で死のうとも。

現実に戻れば無事であろうとも。


残った選別者達で動けるものは動けぬものを置いて先に進む。

願わくば自分達が100階を通過するまで死なないように祈りながら。


開を押す。

扉が開いた先にあったのは地獄だった。

65体の凶悪なモンスターの群れとモンスターにあった環境。


選別者達はモンスターを倒し或いは逃げながら扉を探し上がっていく。

一階一階上がるごとに人数は減りモンスターの数は増えていく。

セーフティエリアで武器を変えようとも数が増えていくモンスターには焼け石に水。

中には独自の環境で使えない武器もあった。

それでも選別者達は100階を目指し死に物狂いで進んでいく。


森林蠢く巨大殺人蜂。


砂の中に潜む肉食ワーム。


墓場にさ迷うゾンビ。


そうして5階に到達したのは僅か2名。

その2名も

海面游ぐ人喰サメに喰われ生を終えた。




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