日常の崩壊
この作品は以前書いていた小説を改訂したものです。
亀更新ですがよろしくお願いします
廃墟と化したコンクリートジャングル、かつての喧騒が消えた街の一際高いビルの屋上で俺は仰向けになって空を見ていた、夕焼けで赤く染まった空とそこに浮かぶ異常なほど大きな月、見慣れてしまった夜空のことを考えながらこの数年間の短くも濃い出来事を思い出していた、全ての始まりは唐突だった
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スマホのアラーム音で目覚めた俺は重い体を動かしてベッドから起き上がる、今日は水曜日、1週間の折り返しだ、俺が一番憂鬱と感じる日
深夜までゲームをしつつ週末に行くサバゲーの話で盛り上がっていた為、普段以上に足取りは重く目の下にはクマができていた、俺の名前は「丹波 努」どこにでもいるような普通の高校生だ。強いていうなら親の影響で若干ミリオタに片足を突っ込んでいるぐらいだ(本人談)。
俺が通っている、高校は隣町にあり電車で通学をしている。田舎に片足を突っ込んだような所だった為、朝の電車を逃すと確実に遅刻してしまうのだ。
その為、朝は早く起きる必要があり正直嫌だった。朝は早いうえに夜遅くまでゲームをすることがすっかり習慣化した俺にとって早起きは天敵であり高校進学から一年経った今でも慣れてはいない。
いつも通りの時間に起き素早く朝の身支度を終えたあと俺は家を出た、俺の通っている高校は隣町にあった為自転車と電車を使って登校している、駅で会う中学や高校の同級生と軽く挨拶を交わし電車に乗った。
俺は、いつも通り学校に通い普通に授業を受け特に困ったこともなく昼休みになった、この高校は食堂がなく各人が弁当を持参して教室で食べることが殆どで昼休みでも教室はある程度活気があった。最近流行りのドラマや新しいアニメ、ゲーム、そんな会話が教室中に響いている。
「丹波くんってそんなに食べて眠くならないの?」
米とおかずがぎっしりと詰め込まれたお弁当を見てクラスメイトが声をかけてくる
「俺は普段動いてるからこれぐらいがちょうどいいの、逆に三戸部は少なすぎだ」
クラスメイトからそう言われ、俺はそれっぽい言い訳を言い笑いながらそう返す。声をかけてきたのは三戸部 優香同じ中学から進学してきた同級生で互いに共通の趣味があり、日常会話を話すぐらいには仲がいい、髪型は所謂ショートボブで容姿端麗、成績優秀であり先生やクラスメイトからの評価は高い、確か部活は吹奏楽だったような気がする。
それに対して俺の評価は決していいとは言えない、成績全部が中の上でいいといえば体育と社会科全般ぐらいだ。部活に所属してはいるが小規模の文化系で知名度も低い為彼が部活に入っていることを知らない人すらいるほどだ。
「優香、ここにいたのか?また丹波に声をかけてたのか?あまり彼と関わるのはよせ」
声のする方を見て「うわっでた」と思った、というか多分表情に出ていたような気がする。こいつは上輝 創樹容姿端麗、運動神経抜群、成績優秀、困っている人がいたら見過ごせない聖人、どの角度から見ても優秀でクラスのリーダー的ポジションにいる。俺とは正反対の人物だ、神は二物を与えないと言うがこいつは例外だろうと思ったとことは何度もある。
こいつとは中学時代から対立することが多く、授業態度が悪いだの、協調性が感じられないだの頻繁に衝突していた。その結果俺はクラスの中でも関わりずらい人間と認定されて話す人が限られてしまった。そういう経緯があり俺はこいつが好きではない、はっきりいえば嫌いと言ってもいいだろう。
「まぁ、丹波くんとは中学時代からの仲だしこれぐらいは普通だよ」
そう優香が答えると上輝は、ばつの悪そうな顔をする。彼からしたら彼女が俺と仲良く話すのはよく思ってないのだろうとは想像がつく。まぁそんなことは俺からしたら関係ないのではあるが。
「そ、そうか……ならいいんだ」
諦めがついたのか上輝は自分の席へと戻っていく。
「あっちに行ってやれよ、俺と関わると碌なことにならないぞ」
「でも……わかったわ」
なんとか優香を説得して、俺は1人でお弁当を食べ始めた直後、教室中の床全体に魔法陣のようなものが広がる
「みんなすぐ教室から出るんだ!!」
上輝の鶴の一声でみんな一斉に教室から出ようとするがその直後に魔法陣が光り輝き教室中が閃光に包まれそこで俺の意識は途切れた……
改訂前とストーリーが若干異なりますが、楽しんでいたいただけたなら幸いです
ではまた次回