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テーマ詩集:夜

あたしの白夜

作者: 歌川 詩季

悲劇、ですかね。

 べつにさよならでもいいや

 あのお星さまみたいに

 あたしの夜空で ずっとまたたいてくれるわけじゃない


 べつにさよならでもいいや

 あたしの夜空だって

 夜明けがくれば白んでしまう


 べつにさよならでもいいって

 あたしは言ってるじゃないの

 だから

 そのつめをのばしたゆびを うにゃうにゃしながら

 そのてのひらを ぱたぱたふってちょうだい

 そしたら

 あたしにも ちゃんとわかるから


 これが さよならだってわかるから



 もういっかい 太陽が沈んだって

 もうにどと あたしの夜空には

 あのお星さまみたいに

 あなたが またたくことはない

 ひょっとしたら

 あたしの夜空すら ひろがることもないまま

 太陽の沈んだ青空は 夕焼けのあとの色を

 何色(なにいろ)に染めればいいか とほうにくれて

 夜明けまえの白んだ あの色に

 塗りのこしちゃうかもしれない


 あなたがまたたくことがないなら

 あたしの夜空だって もういらない

 ひと晩じゅう 白んだ空のまま

 つぎの朝焼けを待ってればいい


 これが あたしにおとずれる白夜(びゃくや)

 またたかないお星さまと

 何色(なにいろ)にも染まらない空の色


 そして きっとさよならな こんな夜

 べつにさよならでもいいって もう言ったよね?

 さみしくないって

 かなしくないって

 もうどうでもいいって

 そんな嘘がうまくなりたいわけじゃないけど

 べつにさよならでもいいやって

 思っちゃう そんな夜もあるんだ


 これが あたしにおとずれる白夜(びゃくや)


 あなたがまたたくことがない

 ひと晩じゅう 白んだ空のままの


 これが あたしにおとずれる白夜(びゃくや)

 トラジェディ!

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― 新着の感想 ―
[一言] あなたのことが大好きなはずなのに、別にさよならでもいいやなんて思ってしまう、そんな複雑なあたしの乙女心に共感しました。 好きと嫌いって表裏一体で、でもその根源にはきっと強い想いが隠れているの…
[良い点]  「あたし」のように、どうにもできない気持ちをもて余してしまうことってありますよね。  投げやりというか、もう、どうでもいいやって。   でも、本当はそうは思っていなくて。  「あたしの白…
[良い点] この詩のあたし、私の感覚に似ていて、どきりとしました。 疲れきって、諦めきろうとすると、胸の痛みを覆い隠し、未練さえ面倒って思ってしまう時があります。
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