天馬の軌跡 -闇の紅玉髄-

空、地、水界から成る『リヒトガイア』。そこはヒトと魔物が共存し、魔導士や幻獣も存在する世界。

　ある日突然『時空の裂け目』という、文字通り何らかの事情で空間が裂ける現象が起きた。魔力を持つ者は酷い頭痛に襲われ、酷い時には目眩も起こす。そして裂け目からは必ず『時空の旅ビト』という過去に生きたジンブツが飛び出してくるのだ。

　『心の闇』を己に取り込む力を持つ『黒の一族』の末裔アルスは、とある海岸で気を失っていた青年ヘイレンを助けた。彼は自分の名前以外の記憶を失っており、何故海岸に倒れていたのか、何処から来たのか何も分からなかった。

　アルスは召喚士シェラード(シェラ)と会う約束をしていたが、ヘイレンを置いていくわけにもいかないので、連れていくことにしたのだが、港町ポルテニエで、闇の靄(もや)に襲われてしまう。身を挺してヘイレンを守るアルスだったが、闇の魔力を奪われて気を失ってしまう。しかしその後、駆けつけたシェラにふたりは助けられる。

　その闇の靄こそが、これから始まる災厄の元凶であることを、この時彼らは知る由もなかった……。