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銀白色の涙  作者: どらえもん
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あとがき

 あとがき


 ここまで読んだ読者は、すでに気付かれただろう。これは、小説の形をとった実話。それも10年前に始まり、戦後に遡って現在に至る現在進行形のドキュメンタリー小説である。取材源を秘匿する必要から仮名を用いている人を除き、仮名を用いた実在の人物は故人になれば、筆者自身も含めて実名に変えるようリストを用意している。

 つまり、時を経て版を重ねるごとにドキュメンタリーに近づいていくかつてない小説である。そのため、関係者の取材だけでなく、首相動静などを通じた時系列的な事実の確認を丁寧に行った。後世の歴史家の検証に耐えるものにするためである。政府の公式発表と取材を通じて確認した事実が異なる場合は、あえて政府の公式発表のウソも明確にした。

 福島第一原発で出された原子力緊急事態宣言は、10年たった今も有効で、解除はされていない。1号機の下に水没したまま放射能を巻き散らす「デブリ」も米軍の無人ロボットを使っても、いまだに全く回収できていない。百里基地にある原発用の消火剤もそのままで、自衛隊の待機状態も続いている。つまり、事故は今も終わってはいない。今も非常事態なのだ。放射能汚染水の処理はおろか廃炉の具体的な方法すら何もまだ決まっていない。避難地域の住民が帰宅できるめどもたたないのに、復興五輪などとどの口が言うのか。

 にもかかわらず、宮城県の女川原発の再稼働に動く原発官僚とそれに振り回される政治家たち。見るに見かねて、本稿を急ぎ書き上げた。原子力緊急事態宣言が出続けている状態で、福島第一原発から二番目に近い位置にある女川原発を再稼働するというのは、正気の沙汰とは思えない。

 関係者への取材は尽くしたつもりだが、小説ゆえの筆の勢いというのもある。本筋から外れたところは、ご容赦願いたい。

 このドキュメンタリー小説が、この国の原子力政策と官僚と政治の在り方を見直すきっかけになれば、この国にとって幸いである。安全保障とエネルギー政策の両面から、この国の未来は、脱原発の道にしかない。

 末筆ながら、事故から二年後に亡くなられた吉田昌郎福島第一原発所長(当時)のご冥福を祈るとともに、英雄的な活動をされたフクシマ50をはじめとする福島第一原発所員の皆さんに感謝を捧げたい。また、筆者の急な提案に協力していただいた当時のオバマ米大統領ならびに当時副大統領だったバイデン米大統領と急きょ来日してくれた米海軍のシールズの部隊に心からの感謝を捧げたい。私の心臓は、あなたたちと共にある。

 そして、福島から逃げた沖縄海兵隊。あなたたちは、日本のトモダチではない。すみやかにこの国から出て行ってくれ。



                   2021年正月

                             どらえもん


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