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始動する日米共同トライアングル作戦
始動する日米共同トライアングル作戦
15日午前8時すぎ、防衛省記者クラブに一枚の発表資料が掲示された。「日米物品役務提供協定(ACSA)に基き在日米軍が使用可能な空港に山形空港を追加指定」
簡単な発表のみでブリーフィングも行われず、朝夕新聞が夕刊にベタ記事で報じただけだった。
その裏側で、日本の自衛隊と在日米軍による福島第一原発の緊急時の消火のための共同作戦が動き出していた。スリーマイル島事故の経験のある米側の提案で、福島第一原発をトライアングルのように囲む三つの発進拠点が決められた。一つ目は、茨城県の航空自衛隊百里基地(茨城空港)。二つ目は、福島第一原発の沖合約30キロに停泊していた米原子力空母カールビンソン。そして三つ目の拠点が、閉鎖中の仙台空港に代わり新たに米軍も使用可能となった山形空港だった。
輸送ヘリによる消火活動は、乗組員の被爆を避けるため、常に風上から行われる。海に面した福島第一原発周辺は、日中と夜間ではまるで風向きが変わる。そのため、24時間いつでも風上からの作戦行動ができるように、3つの拠点を発進基地として確保する必要があった。日本側の主力は、百里基地の航空自衛隊の部隊である。そしてこの日、在日米軍の主力になる予定の海兵隊の部隊が、沖縄から急遽、東京に呼ばれていた。




