表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
銀白色の涙  作者: どらえもん
34/51

東電本社に乗り込み制圧した首相

 東電本社に乗り込み制圧した首相


 15日午前5時35分、社長とともに内幸町の東電本社に乗り込んだ菅原首相は、何事かと集まってきた勝間会長ら200人近い社員を前に大声で話し始めた。

 「社長から福島第一原発から撤退したいという申し出があったが、撤退は認められない。これは、東電がどうという問題ではない。東日本がどうなるか、この国がどうなるかという問題だ。本部長として断じて撤退は認めない」

 東電の対策本部が、一瞬、静まり返る。

 「今が正念場だ。政府と東電が緊密に連携して緊急事態に臨機応変に対応する必要がある。そのために、ここに政府と東電の合同対策本部を置いて、経済産業大臣かその代理に二十四時間体制で指揮をとらせる。皆さんは、その指揮に従ってもらいたい」

 菅原が東電を事実上、制圧した瞬間だった。そして、それまでの混乱のもとになっていた二つの指揮命令系統が、本来法律が想定している通り首相を頂点とする一つになった瞬間でもあった。主務大臣や主務大臣の代わりとなる政治家が常駐している状態では、原発官僚が横から口を挟むことはできなくなった。

 「とっさの判断だった」と後日、菅原が語るこの政府と東電の合同対策本部設置から後、福島第一原発が落ち着きを取り戻すまで首相官邸と東電の足並みが乱れることはなくなった。菅原のファインプレーだった。

 東電本社には、昼番として空江田経産相が、夜番として細川豪志首相補佐官が常駐することになった。事故発生後、ほとんど宿舎にも帰れていなかった空江田経産相が、これでやっと夜眠れると内心ほっとしていたのは、内緒の話だ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ