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銀白色の涙  作者: どらえもん
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「東電撤退」に深夜の社長出頭命令

 「東電撤退」に深夜の社長出頭命令


 首相官邸の執務室で仮眠をとっていた菅原首相を江田官房長官が叩き起こしたのは、15日午前3時40分ごろだった。

 「東電の社長が福島第一原発から撤退したいと言ってきました」

 「なに! 撤退などありえない。東日本が吹っ飛ぶことになるぞ。何を考えているんだ。すぐに社長を官邸に呼べ」

 短気な菅原は、寝起きにもかかわらず、すぐに沸点に達していた。午前3時に空江田経産相に撤退を申し入れた東電社長は、主務大臣に断られ、江田官房長官に相談したところ、すぐに官邸に「出頭」するように命じられたわけだ。

 午前4時17分、首相官邸の執務室に入った東電社長は、菅原の怒鳴り声に迎えられた。

 「撤退は認められない。そんなことをしたら福島第一はコントロールを失って、福島第二を巻き込んで取り返しのつかないことになる。最悪、東日本が吹っ飛ぶ。さっき、保安院も認めたんだ」

 「それでも、私には社員の命を守る責任があります」

 菅原の怒気に怖気づきながらも東電社長は、意思を曲げなかった。

 「俺には国土と国民の命を守る責任がある。命令を聞かないなら電力会社の社長をクビにする権限もある。撤退は認めない。責任は俺がとる」

 菅原の言葉は、裁判官の判決言い渡しに等しかった。交渉の余地など最初からなかったのだと、この時、東電社長は思い知った。

 逆に、不服そうな様子を隠さない東電社長に、菅原は疑心暗鬼を深めていた。これは、監視を付ける必要があるな、と菅原は心の中で呟いていた。

 午前5時26分、執務室を出た菅原は、通信社の首相番記者に一方的にまくしたてた。

 「これから東電本社に行く。政府と東電の合同対策本部を設置しに」

 早朝で番記者は通信社とNHKしかいなかったが、すぐにニュースとして流された。


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