プランB
プランB
「原発官僚が危機管理の責任者である菅原さんへ上げなければいけない情報をブロックしている状態だと、最悪の事態が起きる可能性があります。現場の指揮は菅原さんに任せるとして、それと並行してプランBを動かす必要がありますね」
「プランB?」
町田の提案に、原田が疑問を口にする。
「ええ、スリーマイル島事故の報告書によると、あの時米海軍の特殊部隊が、原発専用の消火剤、確か核燃料の被膜に使うジルコニウムをゲル状の錯体にしたものだと思いますが、それをいつでも原発の上から投下して大爆発を防げるようにスタンバイしていたはずです。プランBとして、それを準備すれば、燃料プールが壊れて連鎖で大爆発する最悪の事態を防げます」
「なら、それで行こう」
原田がすぐに乗ってきた。
「ただ、日本は原発安全神話が徹底しているので、そもそも原発用の消火剤は用意していないはずです」
「じゃあ、どうすればいいんだ」
「ACSA(日米物品役務提供協定)を使いましょう。防衛省から正式ルートで米軍が持っている原子炉用の消火剤の提供を求めましょう。そして日米共同で原発を鎮火する作戦を立ててもらいます」
「なるほど。そういうことか」
原田が納得して頷く。
「確かオバマ大統領から福島原発事故で協力の申し出もあったようですから、こちらが具体的に協力要請すれば、動いてくれるはずです」
「よし、ならすぐに大川さんに電話しよう」
原田はすぐに携帯で、大川勝也防衛副大臣に電話を入れた。
「福島第一原発の件で、すぐに動いてもらいたいんだ。実は、・・・」




