信じる者は誰か?
「そこのあなた、どのリンゴ食べる?」
入学式が行われ、校長先生が放った第一声はそれだった…
「え、えーっと。じゃあこれで」
断れないと思い、その男子はカゴに入ったリンゴを一口…囓った、いや、‘囓ってしまった’
「うっ…」
その男子は食べた直後その場に倒れた…何が起きたのか分からず、すぐに悲鳴は上がらなかった…しかし、誰かが声を発した瞬間、体育館はパニック状態になった…
「おい、お前らうるせえ」
近くにいた、教師が生徒を撃った…
何なんだ…この学校は、私は逃げ出したい気持を必死に抑えた。
「はあ…毎年こうなるんだよなあ」
毎年?毎年こうなのか?なら、なんで、ニュースとかそういう噂はないんだ?
「1年100人、いや98人かお前らは3年の卒業時には5人だけになってる。生き残るのは5人だ」
訳が分からない…どういうことだ?
「ねえ、ちょっと来て」
校長先生が話してる途中、誰かに裾を掴まれた。そして、体育館のトイレに逃げるように来た。
「あなたは、何をしたの?」
「何って、私は…親にここに入れられただけで…」
そうだ、思えば変だった。受験をしてないのに高校が決まったと言われ、私は疑わしいより、嬉しい気持ちが勝ってしまった…
「人を殺したり、物を盗んだりしてないの?」
「そんなことしないよ」
いきなりこの子は何を言いだすんだ。
「そっかー、まあでも後々分かるさ」
「後々か…ねえ。白井さんだよね、少しこの学校について教えてくれない?」
「うーん…私も少ししか知らないけど、教えられることは教えるね」
『この学校は、親が社長や市長や国会の子供達が集まってて、中学時代に悪さをして、手を焼いた親が子供をこの学校に入れる…
いや、‘ぶち込む’の方がいいかしら?まあ、‘存在を消してほしい’からこの学校に入れるんだけどね…会社とかの面子にかかるから』
「それで、この学校があるわけか…」
「ただ、全員殺す訳ではないの‘5人’だけ生き残れる」
「警察は…って、警察とも繋がってるのか」
「そう。その通り。この学校に法律なんて一切ない。でも、生徒が先生を殺す可能性もある。だけど、先生は…」
「相当な手練の集まりってわけ…」
「雪美さんの言うとおり…下手に手を出すわけにいかない」
だいたい、理解できたがそれだと生徒同士で殺し合いが起きる可能性がある…
「あ、そうそう。体内に私たち爆弾あるから。だから、殺し合いとかもできないの」
「爆弾!って、いつの間に?」
「ホームルームの時に飲まされたジュースの中に入ってた。飲み込むと体内に張り付くから取り出すのは不可能」
この学校は国が世界が絡んでる…そのような爆弾があったとしても不思議ではないか…いや、そう思わないとやっていけない。
「とにかく、いつ死ぬかわからないし。やりたいことをやろうよ雪美さん」