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スキルコレクターの俺が異世界ハーレム道場を  作者: おーちゃん


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「この技を受けてみろガーゴイル!」


 手は高熱で烈火する。

 熱くなる手に込められた拳をガーゴイルに浴びせる。

 放つたびに炎が舞う。

 何もしなくても、凄まじい拳。

 そこに火属性のスキルが加わる。

 ガーゴイルは拳を受けてみて感じた。

 見たことのあるスキルであった。


「この技は烈火拳か! お前がなぜ烈火拳を使える。使えるわけがない。あれはサイクロプスにしか使用は無理だ。長く苦労して会得したスキルだからだ」


 実際に受けてみて混乱した。

 なぜなのかわからない。

 なぜ冷に使えたかを。

 一般的にいって不可能となる。

 魔人が途方もない時間をかけて獲得したスキルを人族の若い青年が使えたことに。

 

「俺は使えるぜ。なぜだか分かるか?」


(わからないだろう)


「……サイクロプスと戦った時に烈火拳を経験したはずだ。それは分かる」


「ああ受けたぜ。思い出しただけで痛みがくる」


(あの時はマジでヤバイと思った)


「……なぜだ。わからない」


「もし俺がコレクターだったら」


(技のコレクションてことだよ)


「まさかお前はサイクロプスの烈火拳を受けてみて覚えた……というのか」


「よくわかったな。思った通り、スキルストレージの能力者。受けてみると覚えられる能力だ。つまりはコレクターってとこ。便利だろ」


(バレたからには隠しても仕方ない。そう言うと相手はビビってスキルを使うの控えるのかな。それはないか……)


 別に話す必要ないが、簡単にバラしてしまう。

 ガーゴイルは混乱していた。

 スキルストレージなど聞いたことがないスキルであったから。

 使い方によっては強力なスキル。

 いや最強と言われるスキルは幾つかあるが、そのレベルのスキルとなると直感した。


「なんだと、スキルストレージだと……。ハッキリといって聞いたことがない。でもこれでハッキリとしたことがある」


「なんだよ言ってみろよ!」


(まさか降参しますか)


「危険だってことだ。このまま生かしておけば、次々とスキルを覚えていく。厄介な存在となるのは確実。魔人からみても今の内に潰しておかなければならない。まだ弱い今のうちにだ」


「ほう、俺をずいぶんと高く評価してくれますね、ありがとうございます。魔人さんから高評価されて喜んでいいのかな。だったら俺からも言わせてくださいガーゴイルさん。あんたは俺のコレクションになる。スキルストレージのコレクションにな。嬉しいかい。お友達のサイクロプスと同じコレクションになるんだよ」


(俺を負けるの前提で話すとはガーゴイル、俺をナメ過ぎだぜ)


「なるかよ。コレクションになんかよ!」


 ガーゴイルは冷に短剣で応戦する。

 烈火拳と短剣が交錯し火花を散らした。

 短剣の刃は高熱と重なると細かく弾ける。

 ガーゴイルが出ると冷は受けにまわる。

 冷が烈火拳を打てば、ガーゴイルは短剣で防御した。

 2人の戦いは見る者を圧倒する勢いであった。

 ラジッチも斧の動きを止めてみいる。


「マジか、冷の奴、あのガーゴイルと互角の勝負をするとは……。俺が負けるのも無理はない」


 冷の戦いっぷりに強さを正直に認める。

 冒険者でここまで戦えるとは、予想を遥かに 超えていた。

 ラジッチだけでなく騎士団も冷の強さに驚く。

 お互いに攻守の繰り返しになりとガーゴイルは、


「ならばこちらもスキルを出すしかない」


 ガーゴイルがついに最後の切り札をぬいた。

 このままだと勝敗がつかないとなり、一気に決めに来たのだ。


「……やはり出しますか?」


 冷はいつ来るかと思っていた。

 ガーゴイルは羽を大きく広げる。

 スキル、ウインドキルを放つ体勢になった。

 冷をキリッと睨みつける。

 肉しみを込めて羽を放った。

 

(やたらと撃ってくるんだよな)


「ウインドキル!!」


「!!」


 いきなり数十枚もの数の羽を飛ばした。

 冷は反射的に避ける。

 

(最初っからこの数できましたか)


 かろうじて避けたが、周辺の地面には羽の刺ささるあと。

 スキルの攻撃回避を瞬間的に使用したので助かる。

 使用しなければ突き刺さっていであろう。

 もちろん冷の持つ反射神経があってのことだが。

 回避されたことでガーゴイルは、


「何度もみると避けれるわけですか。ならばもっと増やしてやりましょう」


 ウインドキルの数は2倍になり、一瞬では数え切れない程の数になっていた。

 これでジエンドだとガーゴイルは思った。

 それらは冷めがけていっせいに飛び立つ。

 

(どこまでが限界なんだ。何枚まで出せるかが知りたいんだけど……)


 今度も避けた。

 避けたつもりだったが、さすがに数枚は当たる。

 攻撃回避にも限界点があった。

 無数の傷を負ってしまった。

 冷も避けれる限界があった。

 ガーゴイルはどうか。

 ウインドキルとて羽。

 羽ならば物理的に限界もあり得た。


「私の羽が何枚出せるかって今思ってたわね冷。おあいにく様でした。まだまだ本気じゃないから!」


 冷の気持ちは察していた。

 その上で、さらに数を増やしてみせる。

 もはや羽でガーゴイルの姿が隠れてしまう程。

 膨大な数の羽がまるで生き物のように襲いかかる。


「マジかよ」

 

(これはマズイよな)


 ラジッチも休戦して見ていたが、冷が死んだと思わされる。

 余りにも差があり過ぎたと。

 ガーゴイルに対して冷はよく戦った。

 ここまで追い込んだのだから、決してけなされるものではない。

 そしてラジッチはこの後自分が戦う番だとも思う。

 冷が勝てないのに自分では、勝ち目はないだろうと。 

 受ける冷は、当然悲壮感であると思われたのだが、本人はというと至って冷静であった。

 しかも冷の口元には笑みもある。

 もう冷は死んだと見る者は疑わなかった。

 しかし冷は死ぬなんてことは全く考えていない。

 逆にスキルを打ち込んでやろうとしていて、


「……烈火拳!!」


「何!」


 ガーゴイルにしていた烈火拳を、羽に対しても使う。

 冷の拳闘術はガーゴイルも知らなかった。

 高速で拳を繰り出し一枚ずつ的中させる。

 それもとても人間技とは思えない速度で地面に落とす。

 しかも拳には烈火拳を施してある為に羽は力負けしていた。

 ガーゴイルは冷の拳闘を見て衝撃を受ける。

 それでも全てを受けれるはずはないと、

 

「全部は拳では防げまい!」


「俺をナメるなよ」


 ガーゴイルの言い分をはねのけるようにし拳の速度を上げた。

 まるで烈火拳が火の壁を作っているかのように見える。

 

(俺の拳はまだまだ限界じゃないんだよガーゴイルさん)


 全ての羽を完全に一発も体に受けずに防ぐのに成功したのだ。

 さすがに全てを封じられては言葉も出ない。

 ぼう然となる。


「……そんな馬鹿な。アレを防げる人族などいるわけない……」


「残念だったな。俺は最初の人族ってことかな。他の魔人にも言ってやりな。俺に常識は通じないと。他の人族と比べるなとな!」


(サイクロプスと同じく俺をナメ過ぎだよ!)


 現実を見れないガーゴイルは再びウインドキルの態勢に。


「偶然に決まっている。もう一度だ!!」


「同じこと。烈火拳と拳闘術の組み合わせの前には、通用しないさ」


(やってみなよ!)


「ウインドキル!」


 またも同じ量の羽を。

 しかし冷はまたも笑みを浮かべる。

 同じ手は二度通用する程、冷の眼は節穴ではなかった。

 全ての羽の軌道は完全に読めていたからだ。

 羽を1つ残らずに撃ち落とすと、そのままの勢いでガーゴイルに急接近した。

 羽が落ちたことによるショックがガーゴイルの動きに一瞬だけ精彩さを欠かせた。

 僅かなスキもこのレベルでは命取りとなる。

 直ぐに防御の体勢にはいり、冷からの攻撃を受けようとした。

 

(遅いぜガーゴイル。俺の拳は羽よりも速いんだぜ)


「!!」


 ガーゴイルは防御したが短剣は弾かれ吹き飛ぶ。

 腕も防御しきれずに高速の烈火拳を数え切れないだけ喰らう。

 最大の武器でもある羽にも。

 羽は烈火拳が当たり、その熱さで火がついた。

 羽は燃え上がると真っ黒になるまでいき、使い物にならないならないまで黒くなる。

 さすがの魔人も烈火拳をこれだけもらうとダメージは膨大になり致命傷となった。

 体の骨は耐えられない程にダメージを負っていて、立つことさえ出来ない。

 ガーゴイルが受けたダメージの深さに、


「やりやがったなあの野朗!」


 ラジッチは激闘に衝撃を受ける。

 今の攻撃は正直にいってラジッチには見えない程に速かった。


「……」


「立てないと思える。俺の勝ちでいいよな」


(もう終わりだろう。拳を当てた際に手応えはあった。恐らくは骨も折れてるはずだから)


「……負け、私の負けよ。羽はダメだし。もう勝ち目はない。ひと思いに殺しなさい」


 ガーゴイルは負けを認めると、自分を殺せと言った。

 魔人にはそれだけの誇りがある証だった。

 このまま生かされても恥をかくだけ。

 ならばひと思いに死んだ方が増しだと。

 冷は敵同士だったとはいえ、ガーゴイルに対して武術家に通じる潔さを感じた。

 一歩間違っていれば冷の方がズタズタになっていたのがわかる。

 勝利はどちらに転んでもおかしくない展開であった。

 スキルの強さは互角といえよう。 

 しかし違うのは冷の持つ潜在能力であった。

 反射神経だけとってもガーゴイルよりも一瞬だけ速く動けた。

 間合いの取り方は人間離れしていて、魔人をも超える取り方であった。

 そして1番の違いは恐怖心。

 ガーゴイルは冷に対して恐怖心を抱いた。

 冷もまた恐怖心はあったが、それ以上に戦いの中で楽しみを感じていた。

 サイクロプス戦も同じく。

 その得意の体質が結果的に差となった。

 僅かに冷の拳が炸裂したのだった。

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