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一時はクエストを受けれるのかと心配するが、彼女達と和解し魔物であるシーホークの出現場所へ向かう。
シーホークは説明された通りに鳥の魔物である。
それ故に、森に多く生息していて、特にシーホークの出現場所は危険とされていた。
冒険者ですらなるべく通らない程の危険地帯。
あえて選んだ冷達は到着した。
静かな森であり、すんだ空気が気持ちよく感じられた。
(とてもここに魔物がいるとは思えないが……美しい森だけど)
「ここに生息してるようだから、気をつけて歩こう、みんな」
「良い景色だけど」
「鳥も鳴いてるし、普通の鳥しかいない」
「鳥に訊いてみたらいいです冷氏」
「ミーコ、キミは意外とムチャぶりするな」
「金の……いや、経験を積むためです。アレは何かしら、木の上に大きな鳥がとまってますが……」
「周りにいる鳥とはちょっと違うよね」
「アレが今回のターゲットの魔物かしら」
「大き目ね」
ミーコが見た木の上には、普通の鳥よりも大きめな鳥がいた。
そして不可思議なことに冷達をまるで上から見下ろしているようであった。
「アレは鳥じゃないぜ。どう見ても違うな」
(魔物か?)
「シーホーク!」
「やはりか」
「みんな、落ち着け。俺達を観察してるんだよ」
「上から見てて、いつ来るかね」
リリスの言ったのは見事的中である。
シーホークであった。
シーホークは頭上高くにいたが、存在に気づかれたのがわかった途端に、翼を広げて飛び立った。
「飛んだわ!」
「こっちに来るわよきっと!」
「でも飛んでるだけで、様子を見てる感じする。1匹だけ確認しました!」
「どうやら俺たちが見つけたと言うよりも、見つかったと言ったら正しいかもな。相手は空中だ。攻撃は降りて来たらミーコが先陣、次にリリスが斬る。それでいこう!」
(奴も降りて来ないことには攻撃できまい。その時まで待つとしよう。俺はとりあえず指示を出すのに専念し、彼女達の戦いをサポートする)
「わかりました」
ミーコはすかさず聖剣ヴェルファイアを構えてシーホークの動きを注視。
「ミーコの次、オッケーだぜ!」
リリスも魔剣グラムをシーホークに向けた。
しかし冷の指示は的外れになった。
シーホークは降りて来ないで、空中を旋回したままである。
まるで冷をあざ笑うかのようにして飛んでる。
「あれ……冷氏、これじゃいつになっても攻撃できません。ずっと待ちますか?」
「ミーコ、もう少し待て。きっと向こうから動きがあるはずだ」
冷はミーコを静止させた。
(奴め、俺達を観察してやがるな。ここは様子見が得策だろう)
冷は様子見を指示。
「向こうは何を考えてるのかわからない」
「ああやって、相手をじらしてるのが好きなんだろうよ」
「不気味な感じ」
「気を許さないことね」
するとシーホークは旋回から変わる。
急降下して森の中に消えた。
「冷氏!!! シーホークが消えました!」
「どこに!!」
「見えないわよ!」
「森の中にいるはず。ミーコ、突然奇襲してくるかもだ!」
「はい、いつ襲ってきてもいいです」
「リリスとアリエルもだ」
「はい!」
「わかったよ!」
(シーホークは森の木々を利用して隠れた。きっと襲ってくる。いつ来るかだ。俺は耳をすませるが彼女らは無理だろう。目では追いつけないか)
静かな森はシーホークをくらませた。
そして何のためらいもなく、現れた。
「ミーコ! 右よ!」
「えっ!! 間に合わない!」
ミーコの近くから現れたシーホーク。
アリエルが見つけ伝えても敵の方が速かった。
ミーコの肩を強襲。
ミーコは敵の攻撃を食らうと倒れた。
「うう……」
「大丈夫か、ミーコ!」
「動くなリリス、次も来るぞ。ミーコに構うな!」
(思ったよりも速い……)
「でもこれだと、ミーコが危ないだろっ!」
「待て、待つんだ! それがシーホークの狙いだ。きっとリリスを狙い撃ちしてくるぞ!」
「じゃあこのままミーコを見殺しかよ!」
「……」
リリスはミーコを助けようとしたが、やめて防御をした。
それは冷の判断であり、ミーコを助けるとリリスも危なくなるからだ。
シーホークは事実、それが狙いであった。
わざとミーコの肩を狙い、リリスのスキをつこうとしていた。
シーホークはまたも森に消えた。
次に来るのはどこからか、わからない。
「……」
「……慌てるなリリス、アリエル。また襲ってくる。それまで動くな」
「はい」
アリエルは頷く。
しかし、リリスは、
「もう! 待つのは嫌いなんだよなっ!」
「まぁ待て。あせればあせるほど相手の思うツボさ」
「ふん、わかったよ!」
冷の指示通りに待つことに。
慌てれば敵の思う壺になる。
それは冷が経験してきた蓄積から出した答え。
何度もピンチを経験してきた冷だからこそ言えた冷静な指示だった。
リリスは不満であったが、冷の指示に従うことに。
しばらくして、シーホークは現れた。
同じく木々から突発的に。
「リリス!!」
「出たな!!」
アリエルが言うとリリスは身構えた。
魔剣グラムを振り切る。
しかし、シーホークは当たらずに、むしろリリスがダメージを負った。
「速くて剣が間に合わないぞ……」
リリスは腕に怪我を負ってしまう。
「怪我はどうだ?」
「大丈夫だ」
「速いだろ」
「速くて剣が間に合わないぞ!」
「軽い怪我で済んだのは、よく見ていた証拠だ」
幸いにも怪我は浅かった。
クチバシで軽く斬られた程度で済んだ。
そしてまたも森に消えた。
これがシーホークの戦術であった。
森に潜み、どこからか強襲する。
鋭いクチバシで襲いかかる。
これでは冒険者も、なすすべなく負けるのは納得させられた。
冷はミーコに続きリリスまでも負傷し、シーホークが予想通りに手強いと実感する。
(どうやって攻撃を与えられるかが勝負の別れ目だな)
アリエルは不安な気持ちになった。
ミーコとリリスが攻撃出来ない状態に。
そうなると自分ではとても攻撃を与えられる自信がない。
「冷、シーホークが来たらヤバイかも……やっぱり私はミーコとリリスと違って戦力外なんだ。だからもう終わり。無理」
「なに言ってんだ。アリエルにも十分出来ることがあるだろう」
「私にも出来ること……」
「そうだよ。あきらめる前にやる事があるんだよ君には」
「ミーコは今は怪我をしている。私ならその怪我を治せるかも」
「そこまで思いついたなら先ずはミーコに聖なる治癒を試してみたらどうだ」
(丁度いいチャンスだ。怪我を治せるのかみてみたい)
「やってみる!」
「だが、シーホークには気をつけてだぞ」
「わかった」
冷はアリエルに新たなスキルを使用することを提案する。
冷静さをなくしてるので、落ち着かせるように言った。
アリエルはまだ実戦では未使用の聖なる治癒を試すことに。
ミーコに視線を送る。
かなり痛手を負っているのが、わかった。
何とかしてあげたいと思った。
魔力を上げる。
全神経を手に込めた。
「どうかな……シーホークは」
「今ならイケる!」
「はい!!! 聖なる治癒!!」
まばゆい光が光線となってミーコに放たれた。
ミーコは何が来たのかわからない。
ただ眩しいなと感じた。
「ああ、痛みが和らいでく。怪我が治った!」
「良かったわ」
「アリエルが!」
「そうだよ!」
「ミーコ、立てそうか?」
冷は確認してみる。
「ええ、立てます。アリエルがスキルを使用したと……だとしたら効き目バッチリ。ありがとう!!」
アリエルに手をあげて礼をした。
「オッケー!」
アリエルも手をあげて合図仕返した。
お互いに気持ちが通じたのだった。
「アリエル、キミのスキルはたいしたものだ。もっと自信を持つんだ!」
(完全に回復したとはいえなくても、治癒能力は貴重なスキルと言える。アリエルに自信を持たせてあげたい。そうすれば自分が役に立たないなんて考えが無くなるはずだしな)




