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冷は、もっとモテたい、いちゃつきたい、抱き合いたい、と言う妄想が爆発仕出して、アリエルからの冷たい視線にも関わらず女性をみつめた。
「あれ! あなたは冷では?」
「そうですが……」
「ちょっと〜〜嬉しいわ〜」
少し年上の若妻風な女性はフラついて冷に抱きついた。
「きゃ〜あのサイクロプスを倒した冷さんよ〜!」
こんどは5人いる女の子の集まりでまだあどけない少女5人組の学校帰りですって感じで、楽しそうにお買い物中であったのに、冷に出会ったばかりに運命が変わるのであった。
「お願いします、お名前を教えてください!」
「俺は冷だけど」
「やっぱり! どうか私の物になって〜〜」
「いや〜〜。私のよ冷は!」
「いいえ、冷は私と結婚するの!!」
少女5人に、若妻、もう一人お姉さん系の女性に取り囲まれて、きゃ〜きゃ〜言われて、ハーレム状態になる冷は嬉しいのを通り過ぎて、困惑する始末になり、もはや自分では解決できない程のモテぶり。
(凄えことになった。収集つかなくなるぞ。凄えな王都)
すでに収集つかなくなってるのに空気が読めない冷は、町の人々から熱い視線を受けてしまい、ちょっとした有名人に。
なにしろ、あのサイクロプスを倒した冒険者だと判明。
王都ではすでに新聞などで1面扱いされており、有名人化していた。
冷はまだそんな事態を知らなかったのだ。
「いい加減にしてください。一緒にいて恥ずかしい気分です」
「だって、近づいてくるんだよ」
「つい、じゃないでしょうこの状況は」
「ああ、そうだけど、俺にもどうしようもないぜ」
反省の返事をして申しません的な態度を作る冷だった。
「俺はサイクロプスを倒した英雄だ。スタンダール国の為に戦うことしか考えてないさ。ピルトの町に帰ったらクエストだってするから」
「全くどこまで本当なのかな。いい加減に女どもを追い返してください!」
冷の言い訳じみた言うことに、半分以上呆れていたリリスは、先ほど馬鹿にされたのはもう忘れていて、特に気にはしていなくなっていて、結果的には冷の騒ぎが良い方に貢献していた。
王都の城内ではハンマド国王と軍師コロナ、魔術師ラインの3人が話し合う。
「冷はひとまずは安心してよいだろう。しっかりと魔人には手を出さずにあくまで防衛に徹すると言っておいた」
「はい、確かに冷はそう言いましたが、まだ安心はできかねないかと」
「コロナは冷をかなり疑っておるようだな」
「完全には信用してはいません。なぜかと言いますと、温泉が入りたくて魔人サイクロプスを倒すなんて仕業は普通の者には考えもしない発想です。まだ注意深く見ていた方がよろしいかと」
「それは私も感じました」
「魔術師ラインもか?」
「はい、いったいどうやって魔人を2体も倒せたのか。考えてもわかりません。恐らくは、我々が知らない程のレベルの魔法やスキルを使える者と予想します。それ以外考えられません」
「では、どんなスキルが考えられる?」
「攻撃魔法ですと、よほどの高レベル魔法。火、水、土、雷、風の複数を使えるかも知れません」
「複数の適正か。ちなみに魔術師ラインは幾つ使える?」
「はい、私は3つです。それでも国内では最多でしょう。騎士団にも2つ持つ者すらほとんどいません」
それだけ複数の適正を持つのは困難でありレアな者となる。
冷はすでに複数の魔法適正があり、この時点でレアであった。
「そしてもう一つ気になった点があります」
「もう一つだと、コロナよ言ってみな」
「はい、冷の異質な点はわかりました。そこにきて仲間がいました。3人の女です」
「確か、名前はアリエル、リリス、ミーコとなっていた。まだ年も若いし、とても強い冒険者には見えなかったが……」
「はい、幼い女の子って感じでした。しかし、妙な物を感じざるを得ないのです。彼女たちから感じる不思議な力を。どこにでもいる補助的な女の冒険者とは違うのです」
「魔術師ラインはどう思った?」
「言われてみて、彼女らは普通に思えましたが。たぶんコロナの思い違いでは……」
「……そうかな。思い違いならいいけど……」
軍師コロナは首を傾けて悩んだが、答えは出なかった。
「でも冷とともに彼女らも能力がもの凄くて、魔人を倒したのに関係してることもあり得ます。それで冷と彼女らの情報を集める必要があるかと」
「なるほど、まだ秘密があるわけだな冷には。いずれは知っておきたい情報だ。今後は冷、彼女らの情報を集めることをしてくれ」
ピルトの町ではアリエルが女神、リリスが淫魔、ミーコが勇者の子孫と知られてはいたが、王都にはまだその情報は届いていない。
国王も知らない。
なので冷と彼女らの関係がイマイチわかっていなかった。
なぜかと言えば、そんな話を王都には送れないからで、不確かな情報は送れない。
むしろ馬鹿かと評価が下げられる可能性すらある。
ユズハもその件は知らせるのは時期尚早と判断した。
「はい、情報収集をします」
魔術師ラインと軍師コロナは国王の指示に従った。
軍師コロナからすると冷は、はっきり言って邪魔であった。
ここまで築いてきた安定した世界がたったひとりの冷という冒険者に粉々に壊されるように思えたからだ。
こんな状況は夢にも思っていなかった。
王都でひと騒ぎして、変態がいる、町の女を誘拐するきか、魔族のスパイではないか、と通報されて衛兵が呼ばれる始末に、冷らは慌てて王都を離れ、ピルトの町へと帰還する。
(ヤバイな。俺このままだと捕まるぜ)
何日かぶりの帰った感じは、落ち着ける気分に、王都よりも小さな町の雰囲気の持つ穏やかな空気、そしてなによりも出迎える人々の輝かしい視線、それら全部冷は感じ取り、手を振って返した。
「おお、冷さんのお帰りだ!!!」
ピルトの町の男からは英雄が町に帰って来たような出迎えように冷は照れてしまう。
「冷さん!!!」
「きゃ〜きゃ〜冷〜〜〜〜」
その男達を抜けると次に待っていたのは、女の子の大群で、もちろん冷のことが大好きな少女やお姉さんらで、必要以上に抱きついて来て、前に進みにくい程のモテぶりに冷は、微笑むしかない。
(王都だけだはなくなっていたようだな)
「おいおい、いい加減にしてくれ。ウザったいぜ!!!!」
「俺にもどうしようもない。それに良いことして有名になったんだから多めに」
「移動しましょう」
そこへ新たな集団が。
「退け〜〜女ども! 我らはアリエル、リリス、ミーコファンクラブ親衛隊だ!」
次に現れたのはアリエルとリリスとミーコの親衛隊と名のる男達で、冷に抱きつく女の子を蹴散らして現れる。
「アリエルさん!!! 王都は楽しかったですか?」
「ええ、楽しかったですよ」
特に何のへんてつもない返事をしたアリエルだが、答えてくれたと大喜びする親衛隊で、出来れば俺たちも王都に行きたかったが無念にも行けなく残念だと思っていて、その気持ちがアリエルを見た瞬間に爆発したのだった。
「邪魔くせいな」
「リリスさん、すいませんでした。今、道を開けますので!」
リリスはハッキリと邪魔で親衛隊など冗談だろという感じであるが、親衛隊としてはその冷たい態度に興奮するのも多いのはリリスはわかってない。
人だかりを抜けると冒険者ギルドに到着するが、まるで大スターがやって来た様なあり様に、店内は他の冒険者が恐縮してしまい、中には冷や汗を流し恐怖する者も少なくない。
「リリス、君も俺と比べて変わらない人気だよ!」
「う〜ん、その様だな。なぜ私に集まるのかわからない」
「リリスには魅力があるってことだろ」
「魅力!! 私に魅力が。そんな風に考えたことないが」
「いやあるよリリスには。ツンツンしてるがリリスは女の子としての魅力はとても高いんだよ。それを自分ではわかってない」
「どちらでもいい。ギルドに急ごうぜ!」
「あれ、なんかリリスったら、照れてる感じする」
「照れてるかよ!」
「照れてますよ完全に」
「うっせ〜〜〜!」
早歩きでギルドに向かうことに。
「やあ、こんにちはユズハさん。王都に行って来ましたよ!」
「あら、冷さん、お帰りなさい! 王都はさぞかし盛大に迎えられたのでは。なにせ中級魔人を二人も倒した人なんて、この国には居ませんから」
「ハンマド国王からはとても褒めてもらえた。それに1億マリも獲得できたんで、申し分ない結果かな。衛兵からも尊敬っぽく見られるし楽しかったよ、アレさえなければ」
アレと冷がつい言ってしまったのは、城で出会ったボニータ達の件であり、とても楽しいとはいえなっかし、報告しておくのも有りだと思って言った。
(黙っていようか……)
「アレとはなんの事かな。向こうで問題でも起きたとか?」
「実はサイクロプスの件が済んだ後の話でさ、今後も俺にスタンダール国内で活躍して欲しいそうで、他の魔人がどう動くか、それと冒険者を集めたからそこに協力してくれとな。それがさその冒険者ってのがひと癖ある奴らで、俺をあまり歓迎してない感じ出まくりだったんだ」
「それはハンマド国王としても冷さんの力は欲しいに決まってます。言葉が悪いですが、利用価値があると思ってるのでしょう。スタンダール国には魔物がたくさんいます。国内の精鋭騎士団は常に配備されています。いつ紛争が勃発するか分からない状態。だから冷さんにお願いしたのでしょう。きっと招集された冒険者も名のある相当な、国内でも有名な方なのかもしれません。お名前は聞きましたか?」
「えっと、ラジッチとナーベマルと言ったかな。それとボニータってのが感じ悪かった。俺を嫌ってる様な態度でさ」
冷がハンマド国王から紹介された3人の冒険者の名をユズハに言ってみたが、冷としてはユズハが知ってるとは思わないで言ったのであるが、名前を言った直後にユズハの顔に変化が現れていた。
「ボニータですって?」
「知ってるのですか彼女を?」
(おや、お知り合いでしたか?)
「知ってるも何も有名なAランク冒険者ですよ。冒険者ギルドで働いてる者なら誰だって知ってる。最高の難易度のクエストをもこなせる数少ない冒険者として」
ユズハは冷からボニータと言う言葉が出てきたから驚きのあまり、脅し気味に言ってしまうも、ギルドに登録した冒険者なら恐れない者はいないし、その紛争が率いる神風の団に所属してる能力も高いことで知られる。
「そこまで有名なら俺も安心だな。ボニータさんに任せるとしよう。俺だって死ぬ思いをしてまで戦いたくないし。できることなら楽をしたいし、女の子と遊んでたい」
「いや、今でも十分女性にはモテまくりでしょうに。これ以上モテたいなんて冷さんは欲深い人だこと」
「そう言われると照れます!」
ユズハが冷をこれ以上モテないように仕向けると、冷は完全に意味を取り違える。
「照れてどうする!」
そこへすかさずリリスから注意のツッコミが入った。
「ユズハさんでも知ってるとはなあの3人の冒険者」
「私だけではありません。冒険者なら誰でも知ってる名です。むしろ知らないあなた達の方が少数派でしょう。なぜ感じ悪かったのかは知りませんが、一緒に戦えれば魔人との戦いも優位になるはず」
「どうかな。ヤケに俺達を嫌ってたけど」
「私は口もききたくない!」
「リリスはもうすでにケンカしたもんな」
「一緒になど戦う気ないからな」
リリスはスネて向こうを向く。
「それと女の子の話はさておき、ひとつ聞きたいことがあります。商業ギルドについてなんですが、多額のマリを貰ってしまい、大きな声では言いにくいですが、場所を教えて欲しいのです」
(実はどこにあるか知らない)
冷は商業ギルドに一度も行ったことはなく、詳しい場所を聞き出したいと思った。
「商業ギルドなら簡単な場所にありますよ。直ぐお隣の店が商業ギルドです。知りませんでしたか?」
「えっ、知りませんでした。お隣でしたか。それなら近くて便利だな。行ってみます」
(隣でしたか。ちょっと恥ずかしい)
冷はまさかお隣だとは思いもしなかったので、顔を赤らめる結果となった。
(なんか恥ずかしい。とりあえず商業ギルドとか言うとこに行ってみよう。日本にいた時からすると商業ギルドて馴染みが薄いんだよな)
言葉からも馴染みが薄い商業ギルドに向かうことにしたのだった。




