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魔法使いの授業を終えて魔力の使用方法を手にして満足度は高かった。
養成所での一部始終を話して伝えると、驚きを通り越してあきれていた。
ネイルはというと、冷が規格外の冒険者だと聞かされてはいたが、養成所を2日目で卒業したとなると噂通りの人であると思わされた。
そんな規格外の主人に対して抱いた感情は、もっと私の手で癒やしてあげたい、であった。
「それでどうなったのですか先生は?」
「俺がフルパワー出した後に困らせてしまったよ」
「冷は加減を知らないからね。困った生徒ですよ」
アリエルはネイルに残念な主人なんだと教えてあげた。
驚くもネイルは冷に、
「フルパワーを出したのなら、その〜お疲れではないですか?」
「う〜ん、さすがに疲れたかな」
「それでしたら、その〜私の手でしてあげようかなと」
「手で、するだと!」
ネイルはもちろん癒やしの手のことを言ったのだが、冷は勘違いしていた。
(おい、ネイルって意外にも積極的なのかもな)
「おい、冷! 今の言い方だと勘違いしてないか。ネイルはマッサージしてやるという意味で言ったんだ」
「そ、そっちだったかい、あはは。でもマッサージお願いします」
「はい、では昨日みたいに横になってください」
言われるがままに横になる。
女の子4人に囲まれて楽しさは倍増していて、おまけにマッサージとくれば、言うことはない。
癒やしの手が始まった。
体の表面から温まるような感覚が始まり、しだいに体内へと伝わってきた。
今日は魔力をフルマックスで使用したため、疲れはピークにまで達してる。
それもあり、効き目は昨日以上に効果があった。
(うわあ〜、気持ちいい〜〜)
癒やしの手によるマッサージが終わった。
ネイルも魔力を使い続けるのもあり、時間制限があるのが残念でならなかった。
「ありがとうネイル。疲れはグッと取れた気がする」
「よほど魔力を使ったのですね、体に凄く吸収されていきました」
「急激に何かが入ってくるのがわかったよ」
このネイルの光属性の魔力が入ったことで冷は魔力に目覚め、潜在能的にあった魔力を引き出せたのである。
ネイルがいなければ、いまだに魔力は使えずに悪戦苦闘中であろう。
そのことは冷だけでなくネイルも知らないでいた。
新たなる能力が見についた。
世界最強の武術家に加えて魔力による魔法スキルも使える。
偉大なる力を復活させて冷は急激に強くなったのであるが本人は何を考えているかというと。
(この癒やしの手、俺にも使えるかな、そしたらアリエルやリリスを気持ちよくさせられるよな〜〜〜〜〜)
と、この調子であった。
この部屋でがっかりしたのが1人いた。
なぜか冷がいやらしいことを考えていたのを知っていた。
部屋の隅に置かれたナギナタであった。
ナギナタと同居してる冷のご先祖で、これ程の偉大なる才能を女の子とイチャイチャしてるのに使用しているのを見て、情けなくなったからだ。
ただし、中級魔人オークを倒したのは、先祖ながら良くやったと褒めてあげたい気分で、いい子孫を持ったと誇らしくなった。
なぜかナギナタと同居してるのかは、わからずやや窮屈であるのが不満でもあった。
冷はナギナタのご先祖が見ているのも知らず、実験してみるのだった。
「アリエルよ、そこのベッドに横になってみろ」
冷に言われてアリエルは、
「えっ、なんで?」
「俺がマッサージしてやろう」
「はあ? 遠慮する、別に疲れてないからさあ。何か変なこと考えてない? 私の体を使って癒やしの手を試そうとしてるでしょ?」
「正解です」
「こ、これでも一応は女神なのよ。女神であるからして人族から癒されるなんて恥よ」
ベッドには横にならず抵抗する。
女神であるのでスケベ心の対象になるわけにはいかないのだ。
女神は人族の上に立つ身分であり、冷の実験台はゴメンであった。
「じゃあ、仕方ないなあ〜〜。奥の手でいこう〜」
「て、まっさか、女神に無理矢理にしていいと思って! ベッドなんか絶対にいかないわ」
アリエルはかたくなに拒否るも、女の子になっていた。
「よ〜し、俺の癒やしの手を受けてみろアリエルよ!」
ネイルのスキル癒やしの手は習得してあった。
(女神って言っても、こうなったら普通の女の子だよな〜)
「いや〜〜〜ん、ん、!! 何にもないようだけど」
「あれれ、おかしいな、もう一度だ、癒やしの手!!」
横になり無抵抗のアリエルの背中に手を置いて魔力を込める。
しかし結果は同じで、何も変化はなかった。
冷のもくろみは完全に失敗に終わった。
「ご主人様、大変言いにくいのですが、癒やしの手は失敗したようです。アリエルは反応ありませんし」
「失敗したようだな。でもなぜだろうネイルのスキルは習得したはずなんだけどなあ〜」
「あっはは、ダッセーなお前。見事に失敗して」
「黙れリリス! リリスにも癒やしの手だ!」
小馬鹿にされてムッとなりリリスにも試した。
結果は散々な結果に終わった。
「アハハハ。やっぱり失敗だ」
リリスの笑い声が冷のプライドに触れるも、理由がわからなかった。
「ご主人、スキルを習得とはどういう意味でしょうか。私のスキルを使えるということですか?」
「言ってなかったが俺は見たスキルを学習し習得する才能がある」
「それは便利」
ネイルは感心する。
「偉そうに言ってるが与えたのは私ですが。スキルストレージていうスキル」
「スキルストレージで習得したとして、私の癒やしの手は職業が整体師でないと使用できません。それと関係してませんかね?」
「なるほど、ネイルの言うとおりだ。整体師の職業が必要となのか」
ネイルの予想は見事に的を得ていた。
いかにスキルストレージがあろうとも職業が必要な場合は職業が上回り、制限されてしまう。
整体師の職業がないと[癒やしの手]は使用できないのであった。
あらゆる辺境の地をまわり、最強の武術を目指して武術に触れてきた冷をもってしても、整体師の修行は経験がなかった。
整体師を馬鹿にしてたわけではなく盲点であったのだ。
(整体師の職業か。残念ながら使用出来ないな)
これで万事上手くいった、ひとりを除いて。
「服を着させてよ〜!」
アリエルはそのまま朝まで裸であった。
アリエルの服はいいとして別のことを考えてもいた。
それはこの3人の女の子らを鍛えてあげる件である。
道場を作り鍛えられる環境が必要だからで、そのための資金はあった。
資金を使えばもっといい環境が入るだろう。
(よし、資金がある今のうちに環境作りとしよう)
これが冷が始めるハーレム道場の始まりであった。
そうと決まれば翌朝には考えを伝える。
「みんな聞いて欲しい。俺は以前からある考えを持っていた。それはここに道場を建設するってことだ」
「道場???」
全員が頭にハテナマークがついたようである。
実際にこの世界には養成所はあるが日本式の武術を学ぶ道場は存在しなかった。
冷が何を言ってるのかわからないのは当然といえる。
「どうやらみんな道場がわからないみたいだな」
(知らないのはしょうがないか。なにせ日本の言葉だしな)
「冷が考えるくらいです。きっと私たちに変なことする物ではないでょうね?」
「ミーコよ、変なことではないぞ。道場とは武術を学ぶ為の施設と言ったらいいだろう。つまりは君たちを今よりも良い環境で訓練してあげるってことさ」
「訓練施設か。養成所のような物を冷が教えてくれるわけですね」
「まあそう言うことだ。俺も実際にこの世界に来る前は道場で鍛えられたのさ。だから君たちにもと思ってな」
(いつかは俺も自分の道場を持ちたいとは思っていた。それがこの地で叶いそうだ)
「お前の言う道場を作りたいっての話はわかったとしてだ、問題はどこに作る気だ。それにマリが必要だろう」
「リリスが言うのは考えてある。どこにかって言われたら近くの空いてる土地を購入する。そして購入した土地に道場を作る。資金のマリがどれくらいかかるかは今は不明だがな。先ずは土地を購入したいので土地の売買できる方法を知りたいな」
「それは私にはわからないけど、ミーコは知ってるかな?」
アリエルがミーコに訊いた。
「ええっと、土地を購入希望なら土地の商人に聞くのが手っ取り早いでしょう。町にもあるはずです」
「土地の商人か。それが早そうだな。さっそく行ってみたい」
(商人て言うくらいだ、不動産屋みたいな感じだろう)
商人を探すために宿屋を出て町を散策した。
今までは必要性がなかったので気にしていなかったが、至る所に商人の看板はある。
「あれが商人の店らしいな、訪ねてみよう」
(話だけでもいいだろうし、そもそも土地を購入した経験がない。日本では月収から払って30年ローンとか普通だよな。俺が払える金額なのか)
「マリを稼いだのは冷なのだし、冷が決めたらいいわ。私は否定するつもりはないので」
「アリエルには特別メニューで訓練してやろうか」
「それは遠りょしておきます」
店内に入ると男性が対応してきた。
「若い兄さんだね。それに美人が3人も!」
冷に対して冷やかすような言い方であった。
「どうもです。ここらへんで家が建つくらいの土地を探してるのですが、ありますか?」
「家が建つくらいのですね。もちろんありますよ。でもあなたにはちょっと無理でしょうね。なにせその若さで土地を購入できるとは思えませんが。それに貴族の方でしたら紋章を身に着けるはずですし。冷やかしなら帰ってくれるかな。こっちも忙しいんだよ」
男は冷に購入できるだけの資金が無いと判断して言った。
「購入資金ならありますが、もちろん金額にもよります。今なら2000万マリなら出せます」
「2000万マリだと……。嘘をつけ。君のような若造が持てる金額ではないだろう。もし本当なら証明してみろ」
「あなたが知ってるかはわからないけど俺は中級魔人オークを倒した者でして。その際にけっこうな額のマリを頂いたんです」
「ち、中級魔人オーク…………。あの新人の冒険者があんただったのか。いや〜それは知らなかったぜアハハ」
男は冷だとわかると急に態度を変えて低姿勢となった。
冷の噂は直ぐに商人の間にも広まっていたのであった。
当然多額のマリを持っているのも耳にしている。
「無理ならいいですよ。他の商人へ話を持って行きますから」
(商人だけに態度を変えてくるな)
「いやいや、冷さん、実はいい物件があるのですよ。ここから近くて尚かつ更地の土地です。もちろん冷さんがそこに建物を建てるのは自由ですし。どうでしょう見学に行きませんか?」
「そうだな、見学させてくれ」
(やはり態度が変わったな。こういう物はちゃんと自分の目で見学しておくのが大事だよな。あとで騙されたなんてことないように)
「アリエル達も一緒に来るかい?」
「ええ、ぜひ見ておきたいわ」
「ならみんなで見学としよう」
商人に連れられ物件を拝見しに。
商人は持っている物件の中でも条件に合う物件を紹介した。
相場からして2000万マリくらいの土地があったので、そこへ案内した。
あまりにも安い物件を高く売ると蹟が怖いと思ったので。
普段なら多少は高く売るが冷にはその売り方はやめた。
到着した土地は何もなく雑草が生えてる。
広さは住宅が2つは建つくらいの大きさはあった。
「どうでしょうか冷さん。ここなら2000万マリで売りますよ。更地ですし」
「う〜ん思ったより狭いな。これだとたいした道場は作れないかもな」
(もっと広いのをイメージしてたんでね)
「冷の考えてたのとは違うってわけ。これでも十分に広いと思うけど」
「俺が昔に習っていた道場はここより広かった」
「冷は持ってる資金とでここが限度なんだよ。広い敷地を手に入れるならより多くの資金がいるんだと思うよ」
「確かにそうだろうな。今はここで我慢するか」
(贅沢はいわないが、もっと資金を稼いで道場に建設費にあてたい)
「では冷さん、この土地を購入しますか。2000万マリでよろしいでしょうか?」
「購入します。金はちゃんと払います」
「ありがとうございます。また資金が増えたらお越しください。もっと広い物件を用意します」
商人はニンマリとして売買は成立した。
冷としても自分の土地を手に入れて満足度はあった。
「ここを俺の作る道場としていくぞ。今はまだ何も無いが、いずれは有名な道場にしてみせる。君たちはその大事な門下生ってわけだ。今まで以上に鍛えると思ってていいぞ!」
「げっ! 今までよりって仮にも私達は女の子なのよ。もう少しいたわる気持ちを持ったらどうかしら」
「アリエルの言う意味はわかる。だが君たちのことは大事な生徒だと本心で思ってるさ。だからこそ道場を建設するのさ。さあわかったら早速訓練開始としようせアリエルさん」
「うう〜早速ときたか」




