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 王都に方向を決めると速度を限度近くまで速め、なるべく速く到着するようにしたが、彼女らを落としたら大変になるため、気をつけて飛行した。


(やはり三人持つと重いな)


 ジタバタするので何度も危ない場面もあったが、王都につき城がある、仮の城だが、みつけて地上に降り立った。

 冷からしたらこの速度に慣れてきていたのだけれど、ミーコは慣れていないために、信じられなかった。


「さぁ、到着したよ」


「う、う、う、う、嘘みたい……王都まであんだけ遠いのに……もう到着しちゃった……」


「速かったろミーコ。怖かったと違うか?」


「怖くない……です……でも少し怖かったかな」


「速度出し過ぎだろ〜〜〜!」


 ミーコは否定したけど怖いと認めるもリリスは怒鳴り声で冷に叫んだ。

 怖かったのでリリスは足が震えながら声を出したのを冷は見逃さなかった。


(あれれ、リリスは足が震えています)


「足が震えてるから怖かったのだろリリス」


「ええっ! 震えてなんかいない!!!」


「震えてるよ」


「うるさい!」


「それよりも大事な用事があるでしょリリス、私たちは高価なパーティーに参加するに相応しい服を購入するのよ」


 リリスは足の震えを止めようにも止まらないから自分でも恥ずかしくなるとアリエルが買い物の件を持ち出した。


「そうだぞ、買い物だぞ!」


「わかってるさ、俺は忘れてません。王都になら高価な服のお店があるだろう」


(たぶん、営業してるだろうけど)


「見てみないとわからないわね、なにせ誰かさんが町の半分以上をミノタウロスと破壊したのでしょ」


「探せばあるよきっと」


 冷はアリエルを説得させるがアリエルは納得していないで、ミーコも頷く。

 国王のいる城に行かず、最初に買い物をすることを選んだのは彼女達が買い物したいからだった。


(先に買い物にするしかないな)


 買い物と決めて町を歩くと、まだ壊れたままの町並みが残っていて、冷とミノタウロスの戦いの激しさがいかに凄かったかを物語っていた。

 そのためか町では道に寝泊まりする人もいて、混乱が続いているのが冷には大変に感じて、何とかしてあげたいと思った。


(ピルトが良くなったら、王都を手助けしたいな)


「王都では冷は人気者なのかな、だってミノタウロスを倒したわけだし、英雄扱いされてもいい」


「冷氏は、英雄どころか逆に町を破壊したから嫌われ者の扱いもあり得る」


「そりゃ英雄だろ」


「両方あるな、それに女の子ばかりメンバーにしているから男性からは嫌われるだろうぜ」


 アリエルが冷を人気者と言ったらミーコは否定的に言い、どちらなのか住民に会えばわかるが、リリスは両方あるなと思った。


「英雄なのだから、男の子からはうらやましいと思われていいだろ」


「男の子じゃない、大人の男だ。可愛い美少女を引き連れて歩く冒険者は、たいてい妬まれるんだよ」


「難しいな、俺は男性のメンバーは入れる予定ないし」


(面白くないもんね)


「それでも女子の数に対して男がひとりってのはメンバー構成が偏ってますが」


「構わんよ俺は、偏っていてオッケーです。それよりも見ろよ、住民が俺を見てるだろ」


 冷が指した方向には住民が冷を発見し、足を止めて見物していた。


「いや〜〜〜冷さんですか、握手して〜〜」


「ああいいですとも」


「私も〜」


「はいはい!」


 冷は握手を求めてきた女子、それも可愛い女の子だったので、直ぐに握手で応対したが、やたらとニヤニヤしてるので、アリエルからは嫌われてしまう。


「ねぇ、握手するの楽しそうね?」


「そりゃ楽しいさ」


「あの〜握手しれくれ!」


 そこへ男性の冷のファンがやって来て握手を求めてくると、冷は握手はしたが、ニヤニヤはなかった。


(女の子との握手の方が楽しいよね)


「やっぱり男性だとつまらない顔してました」


「ええっ……そうだったかな、気にしないで、買い物しようか。ほらあそこにお店がありそうだよ」


「話をごまかしたな」


 リリスから指摘されたのだが、冷はお店の方に向いてその場を逃れた。

 店は被害にはあっていなく、通常通り営業していて、店内は王都らしい都会的な服も売っていた。

 ミーコは真っ先に店内に入っていくと、値段はみないでドレス服を物色しだした。


「ねぇ、アリエル、このドレスなんかいいわよね」


「うん、大人っぽい感じする。パーティーに出るのだからこれくらいでいいわよ」


「リリスなんかこれはどう?」


「派手過ぎないか」


「派手ぐらいでいいのよ」


「良くないだろ」


「きっと似合うわよ」


「そうか……じゃあこれにしてみるか」


 リリスはミーコにすすめられた服を手に取る。


「どれも色々あって直ぐに選べない」


「うん、全部欲しくなっちゃう」


「全部はダメだよ」


 慌てて冷は否定する。


(本当に買いそうだから怖い)


「試着してみたら」


 このままだと時間がいくらあっても足りないと感じた冷は、とりあえず試着をすすめる。


(女の子って服を選ぶ時は楽しそうだな)


 そこでミーコ、アリエル、リリスはそれぞれ服を持って試着室に行き、冷は試着するのを待つことになった。


(買い物するのも大変だよ)


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