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 魔族のプライドを傷つけられたサンマルは冷に手加減なく拳を放つと、普通なら防御するのも困難なサンマルの拳の力を冷は難なく受け止めて、チルフと同じ形となった。


(サンマルも拳を打つのに、ムラがある)


 冷はサンマルの攻撃をあらためてじっくりと見たおかげで拳の使い方に手直しできるポイントを発見していた。

 二人で向かっても、それも巨人魔族が誇るチルフとサンマルがであるから、ギガースも少なからずショックを与えられてサンマルに続いて冷に拳を向けた。


「……そんなに殴って欲しいのかい……冷っ!!!」


「3人同時に相手をしてやります!」


「な、なにっ……、巨人魔族の攻撃を3人同時に防ぎやがった……どうやって防御してんだ」


 ギガースの拳は冷は防いでみせたが、彼女達には冷が3本腕があって、3本の腕で防御したように見えたから、理解できなかったのだが、当然であるが冷には2本しか腕はない。

 では冷はどうやって防御したのかは、簡単で素早く腕を動作して3人の攻撃を同時に防御したように思わせたのであり、その速度についていけてない3人との実力差と言えた。


(俺の素早さにはついてこれないようだね)


「どうやって防御したのか、わからないようだね。なに簡単な話だよ、君たちが俺と比べて遅すぎたんだ」


「なんだと……中級魔人のギガース様が遅すぎただって?」


「そうだよ。遅い、遅い」


「嘘つけ、特殊な魔法スキルかなんかを使って、だましてるんだろ」


「スキルなど使ってない。俺の基礎能力と君たちの基礎能力が違ったんだ。そして拳闘術においても、かなり無駄な動きがある。体が俺よりも大きいだろ、巨人魔族なのだから、そこが弱点なのだよ。動きに無駄な要素があり過ぎてしまう。俺には止まったように感じたんだ。もっと俊敏に動作を高めれば、もともと力はあるのだし、攻撃のヒット率が上がるはず」


 冷は的確に巨人魔族のウィークポイントである動作の遅さを指摘し、もっと速度を上げるように言ったのだったが、言われたチルフはムカついたようで、連続で冷に攻撃を放った。


「これなら、これなら、これなら、どうだ、どうだ、どうだ!!!!!!」


「……遅っ」


「なにっ……全部防がれた……。ちくしょー悔しい………」


 チルフは怒りから狂ったようにパンチを放ったが、ことごとく防がれ、残念ながら一発も冷の体には届いておらず悔しがった。


「俺の言った通りだろ。君たちは素早さを鍛える必要がある。素早さは戦いにおいてとても重要なステータスだ。鍛えることが大事だな」


「鍛えるとか、意味分からないけど……」


「わからないのは問題だよチルフ、だってキミの体を見てごらんよ、自分の体を?」


(まだ気づいていないのかな)


「体だって……冷の攻撃を受けてはいないし、痛みもないし…………」


「……あれ、チルフ、あなたの着ていた服は……ないわよ……」


 サンマルがチルフが服を着ていないのに気づいて指摘すると、


「……サンマルだって着ていない、は、は、は、裸じゃない!」


「…………ええっ!!! なぜかしら、誰が脱がしたのよ」


 サンマルは自分の体を確認すると言われたように裸に近い状態であり、自分で脱いではいないから、誰かが脱がしたとなったわけで、チルフも同じで脱がされたことに初めて気づくのだった。


「れ、れ、れ、冷っ、あなたですねっ、衣服を脱がした犯人は!!!」


「犯人て、犯罪者扱いかよ。まぁ俺がやったんだけど。やっと気づいてくれたのだね。パンチは遅いし、気づくのも遅いぞ」


 チルフが冷に意識を集中していると冷は彼女達の衣服を脱がしていたのであるが、意識させないほど速く素早さを上げて、彼女達の衣服を脱がしていたのだった。

 あまりの速さにチルフとサンマルは気づくことが出来ずにいて、冷の前で恥ずかしい状態にされられて冷は楽しんでいた。


(巨人魔族だけに、背が高い女性もエロいですね)


 冷は自分よりも背が高い女性の体を、ニンマリと眺めては、だらしない顔になっていて、ミーコやリリス達は背が低いから、背の高さからくる違うエロさを感じて、満足していた。


「服を脱がして、何を考えてるのだ!」


「そうだよ、私の服を返しなさい!」


「返して欲しければ、俺から奪いなさい。そしたら返してあげるよ!」


(俺から取れたらの話ね)


「くそっ、どこまで巨人魔族をバカにしたら気がすむのだ、サンマルっ、取り戻すわよ!」


「絶対に取り戻してやるっ!!」


「どうぞ、取り戻しに来てくださいっ!」


 チルフ、サンマルは自分の服を脱がされ恥ずかしい姿にされ、魔族の体を晒してしまい、悔しくなり意地でも奪いに出るのであったが、冷はこれを望んでいたのであった。


(さぁ、おいで、巨人魔族ちゃん)


 チルフ、サンマル、とも全力で自分の服を奪いに行くが、冷はまるでハエのように軽々と来る手をかわしてしまい、捕まる気配はなく裸のまま右往左往させると、彼女達のたわわな胸が揺れて、冷は大いに目が釘付けされられ、楽しむのであった。


(胸の位置が俺の目線よりも上だから、胸を下から見る感じだ、凄いな)


 冷の目が彼女の胸よりも下にあるため、ボリュームのある胸を下からのぞくと迫力満点となり、興奮してしまう冷であった。

 胸を楽しむ余裕があるにもかかわらず、二人がかりですら冷に触れることさえ出来ない結果に、チルフ、サンマルはがく然とショックを受けたのだった。


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