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冷が兵士から教えられて見たのは、とても国王が住む家とは言えない住宅、それも小さな、冷の世界で言うアパートの様であって、まさかと冷は思ってしまう。
(これが国王の現在の城?)
ただ国王に用事があって来たわけで、立っていても始まらない、ゆっくりと新たな城に近づき、国王を訪ねた。
前には門番の兵士がおり、冷は止められるも、顔をみて冷だとわかる。
「ああああ、冷さんですか、国王にお伝えします!!!」
慌てて様子で国王に伝令しに行くと、兵士から中に通るように言われて、城に入ると感じたのは狭い、であった。
(思ったのと同じ狭いですね)
国王の居る部屋に案内され、その案内された部屋も狭かったため、目の前に国王が座る位置であり、普通なら考えられない距離感に冷は困ってしまう。
(国王が近いな)
国王と他にはいつものメンツである軍師コロナ、それとビジャ姫という構成であった。
「無事でなによりです冷」
「これはビジャ姫、ありがとうございます」
(近くで見るとまた綺麗だな)
「冷、ピルトの町の経過を報告してくれ。まだピルトの様子がわからない。王都がこの状態だから、情報管理も無理だ」
「まだ知りませんでしたか。俺から伝えます。まずピルトの町はギガース達、中級魔人と魔族、そして巨人魔族らによる進撃がありました。この件に関しては国王もご存知の通りでした。そして俺がピルトに到着したら、すでにギガース、魔族は倒されていました。巨人魔族もです。よって心配は不要となります」
冷はピルトの町で起きた経緯を克明に伝えた。
「……となると、中級魔人で巨人魔族のギガースを倒したのは、ゴーレムか……またはガーゴイルかとなるな。または2人かがりなら、さすがのギガースも勝てなかったわけだ」
国王は冷の話からゴーレムとガーゴイルが対戦して勝ったと思い込んでいて、隣にいる軍師コロナも同じ考えとなるのは、他には勝てる相手ではない、中級魔人であるとわかっていたからである。
その国王の言ったのに冷は首を振って答える。
「いいえ、違います国王。倒したのはゴーレムとガーゴイルの2人ではなかったのであり、もちろん2人も参戦していたらしいですが、ギガースと直接に戦い、勝ち倒したのは他のメンバーでして、それは国王もご存知の人物、女神のアリエル、勇者の子孫ミーコ、淫魔族リリスの3名が、協力しあいなんと倒した、この話は俺も聞いて驚くしかなかったです」
「なんだって!!!! あの3名が中級魔人を……。そこまで強いとは聞いてないぞ。そうだったよな軍師コロナよ?」
「はい、驚きです。私の持つ情報では冷は異常に強いが、あの3名は冷がいるから何とかなってる程度の能力だったはず。それが中級魔人を倒したとなると、恐ろしい速度で強くなっていると推察しますが…………」
国王が驚き3名の名を聞いて軍師コロナに確かめてみると、コロナの情報でも同じく、アリエルらはさして強くないとされていたから、驚いていた。
この反応には冷は面白くなり、こうなると初めからわかっていたのである。
(やはり驚くよな)
「それでがんじんのギガースとミノタウロスはどうした。ミノタウロスは冷が一緒に飛行して王都から連れて行った。今は?」
「ミノタウロスはピルトの町に居ます。ギガースも同じ宿屋に宿泊してます」
「宿泊とはどういう意味かね、説明してくれ」
「彼女たちは、俺の冒険者パーティーのメンバーに仲間入りしました。他にサンマルとチルフの巨人魔族と、ミノタウロスの弟子リョウシンも。なので国王に伝えに来たのは彼女らを俺のメンバーになったと報告に来たわけです。また人数が増えて大幅に戦力もアップしました」
新たなメンバーを加えて戦力アップは途方もないアップしていて、世界をみても上級魔人を仲間入りさせてるパーティーなど皆無であった。
よって国王達の反応は驚きの反応となったのは当然となる。
最も驚いたのは軍師コロナで驚きと同時に警戒感を抱いてしまう。
「な、な、な、なんと……あのミノタウロスを仲間入りさせたのか、しかもギガースも。何をする気だ、そこまでパーティーを強化していったい何を企んでおる!」
「企んでいるのは俺の冒険者パーティーが世界1番強くなるのが目標と言ったら、いいですかね」
冷は単純に強さを求めていて、強くなるのが好きであり、楽しいからで、それ以上の物ではなかったのだが、そう説明して理解できるわけなくコロナはいっそう警戒した。
「も、も、もはや国家の力を軽く超えたパーティー。そんな冒険者パーティーがあっていいのか。国として管理できないほどに強いし、強すぎだ。もし、冷がその気になれば、この国を簡単に乗っ取れることに繋がる。あまりにも危険なパーティーだ……」
「俺は乗っ取る気なんてないですけど」
「ハンマド国王……あまりにも危険なパーティーになりました。そう思いますが、どうでしょうか?」
軍師コロナは冷を完全には信用していないのが、この発言で伝わると国王は考え込んで答える。
「確かにコロナの言うのは、いちりある。周辺国からしても脅威だろう。なにせ上級魔人ミノタウロスが仲間入りしたのだからな。異常事態と言える。しっかりと監視できるのだろうなミノタウロスを?」
再び暴れたら国が崩壊するのは目に見えていた。
「ええ、問題ありません。むしろ人族の役に立つようにします」
「役に立つとは何のことだ」
「現在のピルトの町の様子は大変なレベルでして、大半の町の家屋がギガースの戦いによって失い崩れてしまいました。残念でしたが、そこで俺のパーティーメンバーの力を使い、町の復興をすることを人々に誓いました。ギガースとミノタウロスも了解してます」
「町の復興を魔人がすると……聞いたことないぞ、魔人が人々の役に立つ話など……」
国王は気難しい顔をして言ったのは、中級魔人、上級魔人は人族の天敵だからで、とても協力するとは思えないのである。
冷はそれでも自信を持っていた。
(王都もひどい状態だな。ピルトの次に手伝ってやるのは王都かな)




