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王都に戦りつが走った。
兵士が国王に緊急の伝令を伝える。
国王は何事かと受け入れると、
「大変です、て、敵を発見しました。王都の外で騎士団が発見しました。さらに後方には2000人を超える数の魔物も!」
「ミノタウロスか、ギガースか!!! ついに来たか……」
国王と軍師コロナは衝撃を受ける。
「ハッキリと確認はできませんが……」
見張りの騎士団は遠目に発見しただけでギガースかミノタウロスかまで区別がつかないでいた。
すると軍師コロナが即決して兵士に伝え、
「わかった、直ぐに騎士団長ナニに向かわせろ、冒険者ボニータ、ナーべマル、ラジッチにも報告し敵の居場所に直行だ。絶対に王都内に敵を入れさせるな!」
「伝えます!!」
◇
ナニ、ボニータらにも伝わると王都の城外に向かう。
ナニは報告を受けて立ち尽くす。
ついに来たかとなるも、次の瞬間には行動に出ていた。
◇
ミノタウロスは王都を囲う壁に到着。
その周りには騎士団の軍勢がいて、中に入られないように防御していた。
「誰だ?」
「ミノタウロス! 見てわからない?」
「ミノタ、ミノタウロスだ!!」
騎士団はミノタウロスの名を聞くと身震いした。
しかも後ろには大軍が迫ってきていたから余計に身震いする。
ミノタウロスの魔力が解き放たれると、邪悪な魔力は王都を覆い尽くす。
強大な魔力に騎士団は固まってしまい、足がうごかない。
これが上級魔人の持つ破格の魔力量であり、逃げ出す騎士団もいた。
「騎士団かい、邪魔なので退いて」
「退けぬ!」
「それなら強引に入るわ…………猛獣の追撃!!!」
ミノタウロスはスキルをいきなり使う。
自らの頭にある角を武器に突進して破壊するスキル。
単純なスキルであるが、ミノタウロスが使うと破壊力はケタ外れとなる。
ミノタウロスが突進していくと防御に徹した騎士団はことごとく弾かれてしまった。
「うわぁ〜!!!!」
まるで紙のように軽く吹き飛ぶ騎士団達。
大軍を揃えていたにも関わらず、一瞬で敗北した。
「騎士団て、この程度かよ。次は壁ごと突っ込むぞ!」
猛獣の追撃による破壊は続く。
王都の壁にぶち当たると、壁もろとも破壊して大穴を開けた。
王都中に響くほどのごう音を上げて。
壁が破壊されると王都にいる人々は絶叫した。
ミノタウロスの出現に。
「我はミノタウロスなるぞ、冷はどこに居る!!!!!」
「ミノタウロスだあ〜〜〜わ〜!」
逃げ惑う人々にミノタウロスは追撃を繰り返す。
王都の城下町の一部はすでに破壊されて商店から街路地、植林に至るまでなぎ倒して進んだ。
目標は冷である。
必ず冷はいる。
感じる……直感的に魔人をも倒す者の存在を。
その直感に従いミノタウロスは直進した。
通り過ぎた後は、全てがなぎ倒されていた。
しかしミノタウロスが進む前に立ちはだかる者が現れて、突進を一時止める。
「止まりな牛頭……ここはお前の庭じゃない、走りたければ外で走れよ!」
「誰だ……冷か?」
「冷!! ざけるな! 俺様はラジッチだ、あんな奴と一緒にするな!」
ラジッチは冷と間違われて怒るがミノタウロスには冷もラジッチも知らない顔であった。
ミノタウロスのスキを見てナーべマルがミノタウロスに攻撃を。
「僕も忘れないでね……フラワースパーク!」
ミノタウロスに雷光を放つと、
「ん……、雷かい?」
「避けた!」
「遅いよ!」
ミノタウロスはスキルを放つナーべマルに体を向けると猛獣の追撃をやり返した。
ナーべマルは攻撃をした後なので、防御の体勢になれない。
ミノタウロスとナーべマルの両者ががっちりと衝突した。
「うううう!!」
「ナーべマル!!!!」
ラジッチが叫ぶよりも早く彼女は飛ばされてしまい住宅地に激突させられ、全く動かない。
重症を負ったのはラジッチが見てもわかるダメージである。
その攻撃力をみてボニータは、
「…………上級魔人と呼ばれるだけはある。ナーべマルがまるで子供扱いかよ……。ラジッチ、怖くはないかい?」
「怖え〜〜よ、当たり前だろ。こんな化け物見たことねえからよ」
「2人で同時に攻撃するしかない……」
ボニータはミノタウロスの一撃をみて確信した。
上級魔人の攻撃を受けたら終わり。
そこで戦いは終わり、続けられないだろうと。
「どうやら冷では……ないのか、残念だ。冷が目的で来たのに。王都を守るべき人族よ……かかっておいで、ミノタウロス様が瞬殺してあげます!」
「冷に会うより先に死ぬことになるわ、魔人さん……ダイヤモンドダスト!!!」
ボニータは水属性魔法スキルを放つ。
ダイヤモンドダストは触れた物をすべて凍らせるスキル。
たとえ硬い角だろうと凍れば折れるのも、枝のように簡単となる。
「大車輪!!!」
ラジッチもスキルを使い斧を振り回した。
回転は凄まじい速度でミノタウロスの体に迫る。
「ほぉ〜〜、なかなかのスキルだな」
2人の攻撃はミノタウロスにかわされる。




