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 アリエル、ミーコ、リリスの3人がスキル習得してレベルも上がっていたのは冷のパーティーの能力値全体のアップに繋がる。

 伝説の3人の能力は今までは控えめであったのは冷の目から見ても確かであった。

 道場を作り、訓練に励んできたのがここにきていい結果に繋がったと考えられる。

 それに魔物や魔族との戦いもあり、経験値を積み上げたのも貢献した。

 冷が思った通り、3人は伝説級のレベルに近づいていた。

 その存在感は日増しに増えていく。

 

(3人は伝説級の能力に近づいているのかもな)


 国内の冒険者ギルドに登録されているパーティーは数え切れない数数がある。

 最初に登録した頃は弱小パーティーではあった。

 下級パーティーレベルであり、冷だけ異常に強い構成。

 それが中級レベルのパーティー、そしてガーゴイル、ゴーレムが加わり、一気に上級、いや最強レベルのパーティーに名のりをあげる。

 国内で冷のパーティーを知らない冒険者はいない域にまで達した。

 

(俺のパーティーは1番有名になったようだな)


 


 中級魔人ギガースは上級魔人ミノタウロスと作戦を練っていた。

 目標はスタンダード国の王都の制圧、ピルトの町を制圧の2つ。

 王都は魔族なら当然の目標であるし、ピルトの町はギガースの敵である冷が拠点とする町だと情報から。

 ミノタウロスから説明がされて、


「作戦の実行する時がきた。準備はいいなギガース、サンマル、チルフ」


「準備はいつでも出来てる。冷をひとおもいに殺してやろう」


 ギガースは憎い冷を思い浮かべて言った。

 過去に負けた恨みは忘れていない。


「ギガース様と同じく」


「冷のパーティーを全滅させましょう。ガーゴイルとゴーレムも一緒に」


 サンマルとチルフもギガースに続いて決意を表した。

 ミノタウロスの作戦ではガーゴイルがいてもゴーレムがいても、こちら側が有利とふんだ。


「王都に向けて陣を構えるのは私とリョウシンでいく。牛頭族の魔物も引き連れて。そこでギガース達はピルトの町に行け。王都を私が制圧する。問題は冷だな。あいつがピルトの町にいれば、ギガースが戦い、冷をピルトの町に居させる。そうすれば王都を制圧しやすい。もし王都に冷が来れば私が戦う。その時はピルトの町を制圧するんだ。その後に王都に駆けつけてこい。冷な力は把握しているが、念のためだ」


 ミノタウロスが作戦を詳細に話したら配下のリョウシンは、


「ミノタウロス様なら冷などひとひねりでしょう。もし王都に冷が来たら地獄を見るわね」


「わかりましたミノタウロス、私達はこれからピルトの町に向かう。巨人族の魔物はピルトの町に向かうとする」


「問題はガーゴイルとゴーレムだろう」


 やはり気がかりなのはゴーレムとガーゴイルの両魔人の存在。

 ギガースがいても必ず勝てる保証はない相手。

 サンマルが確認のためにミノタウロスに、


「ガーゴイルとゴーレム達を合わせるとかなりの力になる。形勢が不利となったら?」


「ギガース達には冷に恨みがあるのだろ。ゴーレム、ガーゴイルを討ち取り、魔族に逆らった者のがどうなるかをしらしめてやれ。まぁ私が王都を制圧したらその勢いでピルトの町に応援に行くから心配ない。牛頭魔族リョウシンも貸す、リョウシンも加えれば楽勝だろう」


「そうですよサンマル、ミノタウロス様は上級魔人。上級魔人の恐ろしさを冷は知らない。そこが敵の弱点です。楽勝です、冷など即死させます。圧倒的な差を知るでしょうがその時は遅い。ガーゴイルとゴーレムも後悔させましょう。ミノタウロス様に逆らうとどうなるかを」


 ミノタウロスは楽勝と伝えると、リョウシンも余裕っぷりで言う。

 戦った経験からサンマルは冷が強いと知っているが、上級魔人には冷など無視していいレベルであった。

 ミノタウロスの凄みに普段は決してどうじないギガース達も、顔色が変わる。

 感じたことのない魔力。

 底しれない魔力量。

 これが上級魔人と呼ばれる者の器なのかと。

 ギガースは勝てると確信した。

 ミノタウロスの側近であるリョウシンもギガース軍に加わる。


「それではピルトの町に向かうとする!」

「王都を制圧!」


 決戦の場を分けて戦う作戦。

 戦いの舞台は王都とピルトの町が決まった。

 ミノタウロスは王都に巨人魔族と。

 ギガースは持てる魔物、巨人族達を結集させる手はずをとった。 まずサンマルに命令し、


「魔物をピルトの町に向かわせるんだ。完全に制圧してやる。数では圧倒的に有利だ」

「直ぐに準備します。すでにスタンダード国の中に巨人魔族らは待機させてます。ピルトの町になら直ぐに到着可能です」


 サンマルはゴーレムの命令に頷く。

 巨人魔族の数の総数は1000匹を超えていた。

 

「山から山に移動する。移動するのは夜間だ。昼間は山に隠れるとして、人族側の騎士団には発見されないようにしたい」

「心得ました。あいつらの顔が目に浮かぶ……苦しむ顔が……あははは」


 チルフは笑いだしてギガースに返事した。

 そうしてギガース軍は夜半にピルトの町に出発。

 巨人魔族は全軍が身長が高いのが特徴である。

 ギガース、サンマル、チルフも冷より大きい。

 リョウシンは身長は普通。

 頭に角が生えていて牛頭魔族の特徴である。

 胸はギガース達にも負けない膨らみを放っていた。

 巨人魔族らはギガースよりもはるかに大きい者もいて、冷の身長の3倍くらいに達する者もいた。

 当然に腕力も比例して大きくなるので、人族の騎士団と対しても有利となる。

 打撃戦となれば騎士団を圧倒する戦況を予想した。





 中級魔人ギガースが大軍を率いての出発は、冷はまだ知らない。

 えらく余裕で待っていた。


(そういえば魔人ギガースって来るのか、逃げてもう来ないのでは?)


 ピルトの町の人族も誰もわからない。

 まさかこれだけの大軍がひし迫っているとは想像もしていなかった。

 人々は平和に暮らして、冷には感謝していた。

 ありがとう冷と。

 感謝される冷も嬉しがる。


(俺がいれば安心です)

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