表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
255/351

253

253

 アリエルの成長に歓声と驚きの両方が巻起こる。

 少なくてもミーコとリリスはお互いに、邪魔もの扱いされてきた。

 弱小魔物にも劣るステータスに冷から呆れられた。

 アリエルとギャンが握手をしてお互いに褒めあった。

 その光景に強く刺激を受けたのはミーコであった。

 アリエルが微笑ましくいるとミーコは、


「私も新しいスキルを覚えた、この場で確認してもらいたい」


「なんだって!」


「ミーコもか……アリエルが絶賛されたから悔しくて言ってるのでは?」


 シールドに指摘されてしまうとミーコは否定する。


「いいえ、悔しくてではない。この数日間、わからないかもしれないが密かに訓練していたのです。スキルを完成させるためにね」


「習得したのですか?」


「習得しました、スキル名はソウルブレード。攻撃スキルです。効果は特殊な効果があります」


「どんな効果なの?」


「一度に8回連続攻撃が可能、速度は驚速です。しかも防御属性無効となり、防御系のスキルだろうが、アイテムだろうが関係なくダメージを与えられる」


 ミーコのソウルブレードは正にミーコにピッタリのスキルであった。

 速度のあるミーコに8回連続攻撃が可能となると素早さを最大限に活かせるからだ。

 そのスキルに興味深々の冷は大いに期待する。


(8回連続攻撃とはハンパないな)


 そこでアリエルと同様に対戦形式にて試してみることにした。

 対戦するのはシールドが選ばれる。

 シールドを選んだ理由は、ミーコのスキルを受けるのにうってつけの盾を持っているから。


(シールドの盾にミーコの剣さばきが、どこまで通じるかな)


「シールド、今回はキミに託す。ミーコの攻撃を受け止めて欲しい。むろん、ミーコにすきあれば、反撃して構わない」


「受け止めてみせます」


 シールドは一歩前に出てミーコと向きあった。

 盾はシールドの体よりも大きな周囲をしていて、通常の攻撃などノーダメージとなる。

 シールドは自信がある。

 どんな剣をも受け止める自信が。


「シールド、お願いします!」


「はい、どうぞ!」


 ミーコの持つ剣、聖剣ヴェルファイアの力を発揮する時だとミーコは感じた。

 まだこの聖剣の力を100%引き出せてない。

 能力不足だと感じていた。

 いまこそ発揮する時。 

 聖剣ヴェルファイアを構えてスキルを発動する。


「ソウルブレード!」


 ミーコは最高速度でシールドに接近した。

 接近して聖剣ヴェルファイアを持てる素早さのマックスで、振り抜く。

 剣の斬れは連続で8回にも達した。

 シールドは接近も速かったが、剣の速さに目を奪われる。

 剣の太刀筋が目視できない。

 危険を感じて盾を構えて防御に徹する。 

 すきあれば反撃と考えていたが、それどころてはなかった。  

 反撃する余裕など全くない。 

 盾で防御するのが精一杯である。

 5回、6回と防御したが、かなりキツイ。

 8回目の攻撃。

 盾での防御にも限界があった。 

 大きくのけぞり、後方に弾かれてしまったのである。

 

「うわわわわわぁ〜〜」


「シールド!!!!」


 ゴーレムが叫んだ。

 シールドが盾で負けるのは滅多にない。

 まさかの展開となった。

 ゴーレムからしたら負ける対戦ではなく、シールドが余裕勝ちするとよんでいた。

 シールドが盾ごと飛ばされたところで冷は対戦を止めた。


「はい、そこまで! ミーコ良くやったな、そしてシールドも頑張ったな、面白い対戦だったぞ!」


「大丈夫ですかシールド!」


 聖剣ヴェルファイアをしまい、シールドを助けに行く。


「ええ、大丈夫ですよ、それにしても凄い速さでした。見たこともない速さ!」


 シールドは怪我はなかった。

 やはり盾が守っていたからであるが、ミーコには負けを認める。


「あなたの盾と互角に戦えるのなら、とても自信がつきましたよ!」


「盾が無ければ大変なところでした。そのスキルと剣を極めれば、もっと上のランクに到達できると思う」


 シールドの高評価に嬉しくなるミーコ。

 そこへ冷はもっと嬉しがる。


(俺の道場のおかげだよな)


「ミーコの上達は道場の成果といえるよな、あははははは」


「自分の成果にしてしまう。恐るべきだ……」


「そうよ、やっと気がついたのルテリ。全部自分のおかげとか言い出すわよ」


「貴族は幼い頃から鍛錬されてる。道場など比べ物にならない」


 ルテリは道場とは関係ないとしたが、ミーコのソウルブレードを見て恐ろしい悪寒を感じる。

 同じ人族とは思えないレベルの剣さばき。

 全てを見切るのが無理だった。

 もし自分が対戦していたら……。

 ルテリは寒けがしてしまう。

 しかもソウルブレードとは……。


「ひとつだけ確認したいのだ。ミーコよ、答えるのだ」


「はい、どうぞ」


 ルテリが質問する。

 確認させたいことがあった。


「ソウルブレードとは……たしか勇者が使っていたスキルだと私の記憶にはある。なぜミーコが使えるのか知りたい。話してくれ」

 

 ルテリの質問にミーコは知ってる限り話すことにした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ