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 ユズハは最初はなんて失礼な女性かとなったがルテリだとわかり、


「消臭て……る、ルテリさんてあのシャーロイ、ルテリさんでしょうか?」


「他にいるか、シャーロイ家の名を持つ者が、わかったなら消臭しなさい」


「は、は、はい、直ぐに消臭します……あのシャーロイ家のお方がお仲間になったとは。ルテリさん、それでは冒険者登録をします」


 ユズハは慌ててルテリの登録を行った。

 失礼のないような態度を作り、それはここピルトの町では絶大な力を持つ大貴族であるから。

 知らない者はいないといえる。

 ルテリの次にルクエが待っていて、


「ルクエですが、登録もお願いしますでございます」


「る、る、ルクエさんも居たのですか、確か次女のお方! 失礼しました、ルクエさんの登録も直ぐにします」


「お願いね」


 ルクエの登録も間を開けずに行うとルビカも現れて、


「ルビカも登録をするもん〜」


「ルビカさん、これはどうもピルトの町に、まさか三姉妹が3人ともいたとは驚きです、3人とも登録いたします、ですがあの貴族シャーロイ三姉妹が冒険者になられるのならギルドも誇りに思います」


「あなたの意見などきいてない、さっさと登録をしなさい」


「は、はい!」


 ルテリに説教気味に言われてユズハは急いだ。

 三姉妹の登録は直ぐに済んだが次にはヤリッチがまだであった。


「ユズハさん、三姉妹の登録はありがとう、俺のメンバーとしてこらから活躍してもらうから、それともうひとりいるんだ、エルフの国にいた魔商人ヤリッチという魔族なんだけど、登録をお願いします」


 三姉妹の登録を済ませた後にヤリッチの名を聞いて、ふと思い当たった。


「あの〜もしかしてあの有名な、悪い方で有名な魔商人ヤリッチさんとみてよろしいでしょうか」


「悪いのだろうごめん、ヤリッチは私だ、魔商人と言われるくらいだから正義よりも金だな、登録はしたくないが冷がしろと言うからしておこう、ユズハとやらお願いする」


 ヤリッチは本来は戦い向きではないが、登録だけはしておけとなる。

 ユズハは魔商人を前に緊張して登録を済ませた。

 冒険者ギルドにおいて魔族を登録するのは違法に近いが冷の頼みとならば断るのは困難。

 登録が終わるとクエストは今回は控えることにして、先にメドメールを探すのが先決だった。


「それじゃあユズハさん、今回はクエストはしません、エルフの女の子を探しているから」


「ああ、そうなのでしたか、もちろん構いません、次回来た時にお願いします。それと忘れていたのですが、ゴーレムさんとギャンさん、シールドさん、ボーガさんに商業ギルドから依頼がありました」


「商業ギルドからですか、なんでだろう」


「隣にあるので寄ってみたらいいでしょう、パトリシア店員の話では大変に評判がいいとのこと」


 ユズハはパトリシアからゴーレムに言ってほしいと告げられていた。

 ゴーレムは何のことかなと不思議がる。


「何のことかな、私は商業ギルドと関わった覚えはない、別の人と勘違いしてるのでは」


「いいえ、間違いなしにゴーレムさん達にと」


「隣にある商業ギルドに立ち寄ってみます」


 ユズハとはここで別れて商業ギルドに寄ってみる。

 主に商業全般に携わるギルドであって仕事の依頼もきたりする。

 冷にはわからないがゴーレムが評価されてるのは悪くない。


(ゴーレムが評価されたか、とても気になる話だな)


「それじゃゴーレム、商業ギルドに行ってみよう、キミを評価してるそうだからさ、悪い気はしないだろう?」


「いいえ、罠かもしれない。私をはめる罠……」


 ゴーレムは危険性を感じ用心し、ギャンたちにも危険さを注意。


「ゴーレム様、この商業ギルドとやらを破壊してみましょう、そうすればわかる、もしギガースの手下だったなら、ゴーレム様への刺客となる」


 ギャンが長大なスピアを構えて言った。

 今にも振り切る考えだ。


「ギャン、待って、待って、まだギガースの罠と確証はないですから!!!」


「ミーコ、止めるな!」


「止めてギャン!!!」


「ゴーレム様を守る!!!」


 ギャンはもう完全に商業ギルドが悪者だと決めつけていて、ミーコを振り切る寸前であった。

 冷はさすがに不味いなと感じる。


(ギャンは気が早いよな……)


「おいおいギャン、待つんだ、ギガースの罠と決まったわけじやない、落ち着こう。まず中に入ってみて怪しいかわかるだろう、まぁ怪しいことはないけど」


「わかった、その代わり少しでも変な動きがあれば斬るぞ!」


「わかった、わかった、とにかくギルドの前でそのスピアを振るのはやめよう、ただでさえ目立つスピアなんだしよ!」


 リリスがギャンを止めて波乱は切り抜けた。

 商業ギルドに入店。

 店内は商人なのか人が数人おり、商談をしていた。

 冷達が入店するとその者は一致して冷を見る。

 見慣れない姿に、13人もの女の子を引き連れて入店すれば目立つに決まってる。


(気のせいか、俺を見ていやがるな)


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