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 ミノタウロスの名が出た途端にゴーレムの顔色が変色していく。

 普段には絶対にみせない変化。

 まして魔人であるのだから、ちょっとやそっとで驚いていては、中級魔人と名のるのも無理となる。

 ミーコがその異変に気づいて、


「ゴーレム、かなり顔色が悪いですよ、それもミノタウロスと聞いた瞬間から、もしかして知り合いとか?」


「知り合いという仲ではない、ミノタウロスは同じ魔人でも上級と世界から名付けられた魔族、上級と中級ではレベル、体力、魔力、全てにおいて、格が違う。ギガースが知り合っていたのなら、話を持ちかけていてもおかしくない。上級魔人達は我らの上に位置するわけでなく、繋がりがある者と繋がりがない場合もある。特に上級魔人は姿をくらましたままだ、それは魔王を復活させる準備をしていると聞いてる。魔王の件には私はノータッチ、全くわからないし、知らない。しかし上級魔人の中に魔王に関する情報を持っている者がいるのは確かだ、ミノタウロスがそれなのかは不明、ミノタウロスの強さは異常だぞ冷、残念ながら戦える相手ではないな、強さの桁が違う。もしミノタウロスが来るなら逃げるしかないだろう」


 ゴーレムは冷たく冷に説明したが、それは冷たくしないと冷が死ぬとわかっていたから。

 わかっているのなら止めたいとなる。


「それに、ミノタウロスは強力な魔物である牛頭族がいる。ピルトに攻めて来たら、この町は大惨事を引き起こす、来るなら来るで準備が必要ですね」


 ガーゴイルがミノタウロスが来るなら来る前提の準備がいると。

 それは冷も考えていた。

 ゴーレムが言うのも理解はしている。

 その上で、わくわくしてきていた。


(へへ、やっと上級てのが現れるのだろ、わくわくしてきた)


「ゴーレムが俺を心配してくれるのは嬉しい。でもなギガースに会えた時に俺は嬉しくなった。なぜならこんな強い魔人が居るなんてと思ってさ、だからミノタウロス、上級魔人に会えるとなったら、なんだかわくわくしてきているんだよ、俺って変かな?」


「……………………」


 部屋は沈黙に変わり、心配していたゴーレムは頭をかいて恥ずかしがる。

 

「ゴーレム、ガーゴイル、言っておきますが冷はこの調子です、心配するだけ損しますよ」


「はい、わかりました」


 ゴーレムは素直に反省した。

 

「それでいい、それでいい、みんな俺を心配することはない、それよりも自分が強くなるのを考えて欲しい。どうやったら俺みたいに強くなれるかと、何が足りないのかと、わからないなら道場で試せばいい、わかるまで訓練すればいい、そうやって壁を乗り越えていくんだよ」


「冷が言っても、あまり伝わらないのよね、別の世界の人って感じるから」


「まぁ異世界から来たんだけど」


 冷がルーツを話すとヤリッチは、


「異世界から来たのかあなた、道理で普通じやないと思ったわ、人族にしては常識を超えてるし」


「アリエルに頼まれてな、いちおう女神なんだよ」


「女神!!!!!! でしたか、まさか伝説の女神がメンバーに!」


「それだけではなくリリスもだ、リリスは淫魔族だぞ」


「い、い、い、い、淫魔! 信じられないあの淫魔族がまだいたとは、我ら魔族のエリートですが」


 ヤリッチは度肝をぬかれる。

 そのあとに冷は続けると、


「ミーコは勇者の末えいだよ」


「ゆ、ゆ、ゆ、ゆ勇者ですか!!!!!、我ら魔族は何度も負けたという!!」


「このメンバーは伝説の淫魔、女神、勇者が揃っていると、そして冷という異世界人か……ハンパないな」


 ギャンがよくぞこれだけ集めたなと感嘆した。

 シャーロイ家も歴史を習うが、


「貴族は幼い頃から教育で歴史を学ばされる、教科書に出てきた名だ、本当なのかしら」


「たぶんね」


 ミーコは軽く言った。

 どれだけ凄いことかを把握していない言い方であった。


「これで紹介を終わったとして、明日からどうします、いつギガースが来るかを待っているの?」


 ボーガが今後の予定を知りたくなる。


「とりあえずギルドに行って、ヤリッチと三姉妹を登録をしておきたい、ユズハさんにね。それとエルフ族のメドメールにも会いたい、まだピルトに居るかな」


「私達も会ってない、もとはと言えばメドメールに売店してたところ出会ったのがキッカケでエルフの国に行ったのだもの、彼女に報告をしないと」


 部屋で少し休むと翌日はギルドとメドメールに会うのを目標とした。

 冷のいない間にしたクエストの詳しい内容などを聞くと、なかなかのリリスとミーコの活躍があったと、アリエルと同じく2人も成長過程で爆発的に成長していた。

 成長した話を聞いた冷はとても微笑ましくなる。


(リリスとミーコが大活躍したそうだな、とても嬉しい報告だな)


 彼女達の成長の話は冷にとって最大の喜びとなる。

 ヤリッチとシャーロイ三姉妹には別の部屋を用意した。

 これだけ人数が増えてくると部屋もその分増えていき、大変になってきた。

 どこかに引っ越しをするのを考えておくのも大事になる。

 これ以上は増えても宿屋に宿泊可能な部屋は限界があった。

 最初はアリエル、リリス、ミーコしかいなかったから問題なかったが、大人数のパーティーメンバーになり、しかもまだまだ増やしたいわけで、金をかけてでも寝床は確保したい。


(人数が増えたから、宿屋で足りなくなるな)


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