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 裸になって冷に迫るビジャ姫は、さらに大胆になって冷に抱きついてきて、


「これくらいしてもいいのかなと」


「いやいや……嬉しいけど、こんなところを誰かに見られたら国王が怒ります、大丈夫かな」


 ビジャ姫の胸が顔に当たり感触を楽しみながらも、一応は断りの言葉を使う。


(胸が当たってますけど、まずいよね見られたら)


「まずいです、ミノタウロスが強いのはわかってます、どうか我が国の力になってください」


「協力しましょう、俺はいつだって姫の力になりますよ、王都にも俺の戦力となった魔物がいますから、魔物を直ぐに派遣します、万全の体勢で望みましょう」


「ありがとう冷、宿泊するように言ったのは私の独断、ゆったりと疲れを取っていって、明日また会いましょう」


「はい、そうします」


 ビジャ姫はゆっくりと冷から離れると、またタオルを巻いて後退していった。

 残った冷は嬉しいし、もう少しいて欲しかったのは本心であった。


(もう少しあの感触を楽しみたかったな)


 居なくなってもまだ感触は残ったまま。

 大浴場を楽しみ服に着替えた。

 そこでメイドが冷を待っている。

 もうビジャ姫はいない。

 

(メイドさん、待っていたの、てことはビジャ姫と俺が一緒にいたのも知ってるわけね)


 しかし何も知らないとばかりにメイドは、


「大浴場はどうでしたか、楽しめましたか」


「ええ、もちろんです」


「それは良かった、それでは部屋に戻りましょう」


「お願いします」


 メイドに先導されてもとの部屋に案内されて、迷路状の内部には混乱する。


(やはり迷うよな城って)


 部屋に戻り明日を待つことになると、大浴場はアリエル達も使うのかと気になった。


(アリエル達も大浴場を使うのかな)


「はい、冷様が使ったあとに女風呂に変更します、アリエル様、ヤリッチ様、ルテリ三姉妹様はこの後に入られる予定です」


「これだけの大浴場なので、彼女達にも入って欲しいですから」


 メイドとはそこで別れる。

 ちょっと残念なのはアリエル達と大浴場に一緒に入れなかったことで、あの風呂に囲まれて入れたらどれだけ楽しいかと妄想してしまう。


(ヤリッチとルテリ達とも入りたかったな)


 ビジャ姫と入れたので満足とした。

 冷が強引に大浴場に向かい、彼女達の中に入りたいと考えたが、大浴場までの道のりは複雑で、とても冷ひとりでたどり着く自信はなかった。


(大浴場に強引に行っても迷子になるよな)


 あきらめて部屋で過ごすとした。




 冷が妄想している頃、アリエル達はメイドに誘われて大浴場に居た。

 ルビカが大浴場を見るなり嬉しくなり飛び込む。


「大っきい風呂だもん〜」


「これこれルビカ、騒ぐなよ!」


 ヤリッチが子供のように騒ぐルビカに言ったのは、ヤリッチにお湯がかかったからで、


「いいじゃんか、大浴場なんだから……でもヤリッチの胸ってけっこう大きいもん〜」


「これ! 触るでない!」


 ヤリッチの胸にタッチして遊ぶルビカに、姉のルクエは、


「ルビカ、少しは静かにしなさいで、ございます」


「ルクエお姉と比べてどうかな?」


「何がでございますか」


「胸が大きいのは、ルテリお姉、ルクエお姉、ヤリッチは同じくらいあるな……あれ、アリエルは胸がないのね」


 ルビカは遠りょなくアリエルが胸が小さいのを言ってしまう。

 さすがにヤリッチも気にしていて、


「こ、これルビカ、それは言ってはダメと言うものでしょう……」


「だって本当のことだもん〜」


 ヤリッチが止めたにも関わらずルビカはまたも言ってしまうとルテリはアリエルに気を使って、


「あ、あ、あの〜〜〜アリエル、気にしないでね、ルビカは悪気があって言ったのではないからさ〜〜」


 黙っていたアリエルはルテリが気を使ってもすでに時遅しであった。


「小さくて悪かったわね〜〜〜〜〜〜〜〜!!!! シルフィード!!!!」


「ダダダメですアリエル、ここで使ったら!!」


「きやぁ〜〜わ〜!」


 アリエルは怒り爆発してスキル、シルフィードを放った。

 大浴場の風呂のお湯は風で巻き上がり全員をぐちゃぐちゃにしてしまう。

 怒りの原因となったルビカも髪の毛がぐちゃぐちゃになる。

 

「止めて〜〜〜、謝るもん〜アリエル〜〜」


「うるさいガキね、シルフィード!!!!」


「だから、アリエル、ダメだって!」


 大浴場はアリエルのスキルによってお湯は全て吹き飛んでしまい、空っぽになっていた。

 ゆっくりと湯につかるとは、ほど遠い結果になり部屋に戻った。

 湯で温まるどころか逆に湯冷めした。

 ルビカは少し反省する。


 アリエル達が使い終わった後にメイドが大浴場の掃除をする。

 普段ならお湯を抜いて掃除となるが、すでにお湯がない、しかも大量に飛び散ったあとがあって、どうやったらこんな風になるのかと考え込むのであった。


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