225
225
アリエルを抱っこしてどうするのかといえば、冷には考えがあった。
(ヤリッチの部屋に行こうかな)
ヤリッチとアリエルを2人と遊ぶ計画を実行したかった。
「隣の部屋に行こうかなと」
「隣! てことはヤリッチの部屋に……ヤリッチとだけにして、私はこのまま置いていきなさい!」
「嫌だね!」
アリエルを抱っこしてゆうゆうとヤリッチの部屋に。
その頃ヤリッチはベッドに寝っ転がり、着替えの最中であった。
裸になり寝やすいように用意されてあった衣服に着替えていて、急に冷が、しかもアリエルを抱っこしてきたのだから驚いてしまう。
「あ、あ、あ、あ、あなた、き、か、着替え中です!!! 出て行きなさい!!」
「着替え中でしたか、それならちょうどいい、脱がしたかったから」
「はぁ! 何を言ってるこの男は! アリエル、なんとか言ってください!」
ヤリッチは体を隠して恥ずかしそうにアリエルへ文句を言う。
いきなりノックもせずに女性の部屋に入ってくる冷の行動を批判してのこと。
常識がないとしか言えないが、アリエルは平然としていて、
「言ってなかったかもしれないけど、この男はいつものことなの。ヤリッチも気をつけて……もう遅いか」
「遅いかつて、何しに来たか説明しなさい!」
説明を求められてアリエルを床に降ろして説明を開始して、
「わかった、説明しよう、キミは魔商人として散々な酷いことをエルフにしてきたよな、商人の気質があるのかもしれない、だが使い方が間違っている、俺がキミの魔商人の方向性を変えたいのさ」
「説教をしにきたわけか、魔商人が正義正しい商人に変わる、バカにしてるのか、魔商人は商人であって、商人ではない、正義もなにもない、エルフをくいものにしてでも儲ける、それが魔商人だ、生まれた時からのな、だから無駄な説教だ、説教が終わったのなら、出て行きなさい」
説教の理由がバカバカしく、怒りながら冷に言いつけた。
「わかってない、キミの魔商人を変えるのは俺さ、俺の考えてる魔商人になって欲しい、そういう風に変える、それも楽しみながらね」
「言ってる意味がわかりません、早く出て行きなさいと言ってるでしょう!」
ヤリッチが立ち上がり冷にキレて言ったが、その瞬間であった。
冷はアリエルを連れてヤリッチをベッドに連れ込む。
まさに一瞬の早技であり、ヤリッチは何が起きたか頭がついていけなかった。
「こ、こ、これは何を冷!」
「言ってるだろ、俺の思う魔商人になって欲しいからだとね」
次の瞬間にはヤリッチの衣服は早々と脱がされて裸に変わっていた。
「失礼な男だこと!」
「…………ヤリッチ、あなたもう裸に…………」
まだヤリッチは自分が裸にされたと認識されていなくアリエルに指摘されて、
「えええええぇ!! いつの間に、返しなさい服を!」
指摘されてやっと裸にされたとわかると大慌てで取り戻そうとするが冷はヤリッチの裸をじっとガン見する。
(うわぁ〜可愛いですね)
「そのままでいいんだよ」
「何を言ってるのか自分でわかって言ってるの? 変態か!」
そこからはヤリッチは倒されてベッドで冷に好きにされた。
可愛いから我慢できなかったのだった。
(俺がちゃんと真面目な魔商人にしてやる)
冷はヤリッチの方向性を変えるために、まずはお楽しみをしてみたいと考えた。
そうすればかなりの強気な性格は変わると考えたのであり、実際にゴーレムも冷に逆らわない。
ヤリッチは疲れ果てたと思ったが、
「い、い、いきなり、こんな、私を誰だと思ってる………魔商人が変わるわけないだろ、バカめ!」
「……ずいぶんと良い正確してるよな、それじゃあもう一回だな、あとアリエルもだ」
「えぇ!!」
アリエルも加わり、文句を言うにもそれより速く脱がされて、ヤリッチとともに冷のお楽しみにされた。
(アリエルとヤリッチか、女神と魔商人の組み合わせだな)
女神の神聖な体と魔商人の魔族の体を交互に楽しむと2人は動かなくなる。
「これで、俺の思う魔商人になるだろ…………う」
ヤリッチとアリエルのヘトヘトになったのを見て起き上がってこないだろうとしたが、ヤリッチは再度起き上がってきて、
「これしきのことで魔商人が変わるかよ、意地でも変わらないからなっ!」
そしてアリエルも、
「女神の意地、魔商人になど負けやしない」
なぜかヤリッチに対抗心を燃やして、起き上がってきていた。
アリエルはともかく、ヤリッチの意外な粘り強さには驚いた。
戦った時にはアッサリと負けたのに、この粘り、素質があると感じる。
(ヤリッチは俺の考えていた以上の素質の持ち主かもな)
「ヤリッチ、アリエル、まだ俺に戦いを挑むとは、いい度胸だ、それを言い続けられるのも今のうちだよ!」
再び冷の手が体に伸びる。
彼女達は、必死に抵抗する。
体力の限界まで使わないと冷には太刀打ちできない。
ヤリッチの宿泊した部屋は、夜にも関わらずドタバタ音がしたのは三姉妹の部屋に響いていた。




