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 サンマルの急激な魔力上昇に冷は警戒した。

 

(チルフがお願いしますとなぜ言ったのかな)


「人族との戦いにこれを使うとはな……ハイパーアップステータス!」


 サンマルのスキルは特殊なスキルでハイパーアップであり、農園で薬草にまいたスキルと同じ。

 少し違うのはハイパーアップステータスとなる。

 受けた者はステータスが一時的に急激に上がり戦えるメリットがある。

 サンマルのステータスは上昇したのを冷は感じ取る。


「ステータス?」


(サンマルから魔力が強く感じたぞ……)


「チルフ、行くよ! ハイパーアップステータス!」


「お願いします!」


 次にチルフにも放ったら同じ量のステータスが上昇。

 チルフは笑顔で冷をみる。


「さぁ人族さん、これでお終いにしましょう」


 チルフは見た目は変わらないが強さは以前のチルフではなくなっていた。

 冷に対して一発のパンチを投げ、これを冷は受け止めたのだが、


「……こ、これは!!」


 受けたはずのパンチは圧力で押されてしまい、体が吹き飛んでしまった。

 地べたに転がる冷は同じチルフかと感じる。


(さっきとは全く別人だろ……)


 転がる冷を見て笑うチルフは、


「あははは、もう終わりかよ、この程度ならギガース様には勝てませんよ」


「チルフ、トドメをさしてやりなさい」


「そうね、楽に死なせてあげますよ」


 チルフが伏せている冷の頭を蹴り飛ばした。

 冷はさっきよりも飛んで転がる。

 そこにサンマルがジャンプ冷の上に落下した。

 冷は地面にめり込んでしまい、地面は亀裂が入っていて、衝撃の大きさがわかる。

 何度も繰り返すし踏みつけてやる。

 少ししても動きのないとわかるとチルフは、


「死んじゃったみたい、案外弱かったわ」


「私達が強すぎた、この男は弱くなかった、運が悪かっただけ」


「単なるバカよ、工場を破壊してくれてヤリッチはいいけど、ギガース様に怒られると思うとヤバいよ」


「ギガース様の耳には直ぐに入るでしょう、そしたら怒られるのは確実。人族を信用したのがいけなかった。もっと注意深くみてればこんな無様な失態は防げたわ」


 冷を死んだと思っているサンマルは一瞬、冷が動いたと感じた。


「……気のせいだろう」


「気のせいじゃない、俺はまだ生きてますから〜」


 動きのなかった冷がピンと立ち上がると、何もなかったかのようにして笑っていた。


(思ったより痛かったな)


「な、な、な、な、なぜ生きてる? あれだけ蹴り飛ばしてやって生きてる? 嘘だろ」


 サンマルは信じられない顔で冷をみやる。


「その程度で俺は死なないってことだよ。しかし蹴りの強さは認める、痛かったな」


「……なんて体してんだ、どうやったら倒せるの!」


 チルフも冷がわからなくなり、恐怖心がわいてきて、後方に後ずさりした。



*


 

 アリエルはもはやこれまでかと覚悟をした。

 数人の巨人族は倒したが、残った巨人族は距離を取り、アリエルの攻撃の範囲から外れてしまっていた。

 

「………………」


 アリエルが覚悟した時に轟音が聞こえた。

 与えられたのとは違い、アリエルには痛みがない。


「アリエルっ! 来ましたから大丈夫です」


「誰……長女のルテリ!」


 ルテリはアリエルをすくい上げて巨人族からの攻撃をかわすのに成功した。


「助かったわルテリっ」


「私こそ、助けに来るのが遅かった。あなた達の後を追っていたのに、道を外れてしまって」


「……まぁ、こんな時に迷うとは」


 ルテリ達は後ろから冷をつけていたが、慣れていなく見失うという失態をしていた。

 次女のルクエも現れて巨人族に剣で切り裂いて反撃に、


「お邪魔しますで、ございます〜」


 ルクエの剣で巨人族の体は切り刻まれると動きは止まってしまった。

 そこに三女のルビカも登場し鈍った巨人族に切りつける。

 巨人族は激しくのたうち回り倒れた。


「最後は私がやりましたもん〜」


「よくやったルビカ、ルクエ」


「ありがとうございます、エルフ達はみんな巨人族から逃れて町に向かいました。工場は冷が跡形もなくぶっ壊しましたので」


「工場の破壊は成功したわけで、その情報も町に伝わる、ヤリッチに伝わるのも時間の問題。騒ぎになるわ」


「それと冷はどうなりましたでございます?」


「ああ、冷は破壊して炎で工場が燃えてしまい、直ぐにサンマルとチルフが来たの。その2人の巨人魔族と戦ってる。まぁあの男は大丈夫だろうから、私達は町に行きましょうか」


 冷を助けることなく無視して町に行くと決まった。


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