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 冷は頭を使いあることをひらめいていて、


「アリエルの回復系のスキルを使いたい、どんなスキルなんだ、知ってるのは聖なる治癒だけど、聖なる治癒を利用してみたい」


「聖なる治癒を?」


「うん、回復薬を調合する際に、アリエルの聖なる治癒を組み合わせる作り方だ、エルフ族も同じ回復系なのだから、掛け合わせれば2倍位の効果があるのでは。アリエルが調合する研究所や工場に行き、効果の高い回復薬を作る、そうすれば更に高く売れるだろ」


「はぁ……金になると、要するに私を労働者として使う、女神に対する暴言ですことよ」


「あははは、働く女神か、最高だな」


「笑うな!」


 冷は笑うとアリエルはムキになってしまい、ついルテリ達三姉妹も、


「アリエル、あははは」


「女神さま、働くのは良いでございます〜」


「働くと世の中に役に立つもん〜」


「うるさいわよ〜〜〜、働けばいいのでしよ働けば、工場だろうと、どこだろうと!」


「おお、その調子だよ女神、そしたら王女、俺達をヤリッチに案内して欲しい、名目は工場でより効果のある回復薬を作れる技術を教えると。そしてまんまと工場に潜入に成功したら工場を破壊する。働くエルフ族にはその前に逃げてもらうとする。破壊すれば偽回復薬を作れないだろう」


「破壊したらヤリッチは許しませんよ。恐らくは戦闘に突入します」


「戦闘になれば俺の出番だな。一気に勝負をつけてやろう!」


「かなりのハイリスクですが…………やってみましょう」


 タリヌ王女はようやく冷の考えに賛成し頷いたら、周りのエルフ兵士は慌ただしくなり、


「い、い、いいのですか王女様、今日初めて会った人族の意見に賛成して、もし失敗したら、そこの人族が死ぬだけではすみませんです、王女様も責任がいくこともある、そうなったら大変です!」


「わかってます、しかし今のままエルフの国をヤリッチに支配されているのが正解なのか、冷が来てチャンスともとれる、逆に言えば、今しかないかも、私の命を賭けてでも冷と行動しましょう」


「…………王女様、がそこまで決めたなら我々も行動します!」


 エルフ兵士達は王女に忠誠を誓った。


「王女、俺の命にかけてエルフの国を開放してみせます、それと俺のとアリエルの名前は伏せておきたいところ、魔人側も俺の名前は聞いてる可能性があるので、そうだな、俺の名はレイール、アリエルはアリババとして」


「わかりました、レイールとアリババですね」


「アリババて、適当に聞こえるけど」


 アリエルは気にするが、冷が考えた名で決まった。


 

 冷とアリエル、三姉妹は王女の側近がヤリッチに伝令に行ってる間、別室で待機した。

 アリエルと三姉妹は冷の考えに危険性を感じて緊張していたが、冷は違っていた。


(タリヌ王女って若くて可愛いかったな〜、それに体も……)


 と全く緊張感もなかった、しかも体のラインを思い出してはニヤつく始末。

 少しして兵士が迎えに来ると、


「冷さん、あっ、レイールさん、迎えに来ました。ヤリッチからはぜひともお会いしたいとのこと。しかし気をつけてください、あれは腹のそこで何を考えてるかわからない」


「気をつけます」


 そここらは冷とアリエルだけで行き、三姉妹は工場の破壊が開始されるまで隠れていることにした。

 冷が破壊開始したら、直ぐに応援に行く予定に。

 

「ルテリ、キミたちには後から応援を頼む、それまでは潜んでいてくれ」


「ずいぶんと勝手な作戦だ、失敗したらシャーロイ家とエルフ族の取り引きは一生無くなるぞ」


「シャーロイ家の為だ。このままだと人族は終わりだぜルテリ」


「…………しかたない、協力してやろう」


 長女ルテリは冷に不信感があったが、言ってる内容は間違っていなかったので、協力となる。





 ヤリッチは城から離れた地に神殿を構えていて、普段は隠れていた。

 無論周囲にはエルフ族の兵士が気配を伺い、不審者がいないか常に見張られている。

 ヤリッチは警戒心が強くて、誰でも信用しない、魔族であろうが人族であろうが関係なく、自分しか信用していなかった。

 タリヌ王女からの伝令には、最初は疑いの念を感じたが、回復薬の研究よりも効果がある話なら面白いとなり、冷を呼ぶとした。

 素性はシャーロイ家の商人レイールである。

 冒険者の冷だとは知らないヤリッチは、厳重な警護に見張られて冷とアリエルに対面した。

 

 ヤリッチから冷に声をかけ、


「これはこれは商人レイール、私と取り引きがあるそうですな、なんでもエルフ達に作られせてる回復薬の効果を著しく上げられるとか……本当かな」


「はいヤリッチ様、私の隣にいるアリババは治癒系の魔法が使えます、シャーロイ家の魔術士で、とても優秀です。エルフ達が作っている最中に、アリババが治癒系魔法を加えれば、相乗効果で数倍にも効果は上がります。ぜひ試してご覧ください」


「ほほう〜〜治癒系の魔法か、面白い実験になるな。しかし商人レイール、なぜ私に手を貸すのだ。エルフ側の利益になっても人族側の利益にはならないだろ。そこまでして協力するのがどうもわからないのだよ」


 ヤリッチは冷の協力的な態度が逆に気になっていたが、人族が罠をしかけてきてるとは予想もしていなく、冷とアリエルに疑いを弱めた。


「エルフ国とは今後も長くいい関係でいたいと考えました。我々はエルフ族に貢献したいと思いから、アリババを連れてきましたので」


「あなたがアリババ、回復薬の協力を私からお願いしたい。早急に効果を確認するので、これから工場に向かってくれますか。工場は大規模で、普通は人族にはお見せしませんが、特別に許可します」


 ヤリッチは許可したのは偽物の回復薬だとバレないと判断したからで、アリエルには偽の体力低下効果を付与する現場は絶対に見せないように指示した。

 アリエルには効果を増加させるのだけに集中させ、体力の低下効果を増加させたい目的であった。

 


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