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「お触りになってよろしいでございます〜」


 次女ルクエが一歩前に出ると冷を誘うようにして、冷は思わず手が出そうになるが、


「……あ、危ない、もう少しで触るところだった……」


(危ないところだった、それにしてもルクエの胸は凄いな)


 ルクエに続いてルビカが、ルビカはルクエとは逆に胸は小さい、ロリータ体型であって、


「ルテリ、ルクエ姉ちゃんとは違うけど、どうかな、触ってもいいもん〜〜〜〜」


「う〜わ〜わ、触りた………い」


(ちびっ子でルビカは可愛いかも……でも我慢だ!)


 ルビカの誘いにも我慢して必死に抵抗したのを長女ルテリは、


「…………あなたの目的はどうやら悪徳業者ではないとみて良さそうね。ここまで我慢できるのなら、噂は間違いで、本当の冷は私達を救ってくれる紳士な冒険者だと判断します」


「判断させてよろしいでございます〜」


「判断するもん〜〜〜」


 三姉妹は冷を信じるに値する人物だと判断し、再び服を着て、冷の前に現れる。

 紳士な人に思われているが実際は我慢の限界をこえて、頭が狂いそうになるのであって、爆発する寸前まできていて、


「あ、ありがとうございます信じてもらえて、俺は嬉しいよ。それでは牢獄から出ようか、そしてすく様シャーロイ家の城に向かおう」


 三姉妹は冷をテストし、テストに合格した冷は、これでいいのかとなるが、とにかく牢獄から出ることに異論はないので、城から出ることにした。

 城を通る度に、兵士からはガーゴイルに続き三姉妹までも、牢獄から連れ出すなんて、とんでもない人だと噂された。

 ガーゴイルは魔人であるが、三姉妹は貴族で、冷のような高貴ではない者にとって、ことばも話すのも許されないはず、それ位に三姉妹の地位は高く、一般人との差があった。

 その三姉妹をまるで従わせてきるように城の内部を歩く姿は、異様であった。

 冷は待ちあわせのアリエルが居る場所に歩いていて、アリエルを発見すると、


「三姉妹を連れてきました、これで目的は済んだな」


「三姉妹さん、どうも女神アリエルです。これから城まで一緒に行きますから、よろしく」

 

「ええっ、め、女神さん、やはり本当なのですか女神なのは?」


 次女ルクエは女神と言われても実感が持てない、そもそも神と会話しているのが不思議でならなく、三女、長女も同じであった。


「女神です。エルフ族に味方するのも特別なことですが、魔人が関わっているなら、無視できないのです、あなたの城にエルフの国と繋がる入り口があると聞きました。この男が行きたがってますので、よろしく」


「入り口のことまで知ってるのですか、お父様がそう言ったのなら、話を進めますので、ございます〜」


「じゃあ、出発としよう!」


 冷が出発しようとした時に見送るように現れたのがビジャ姫で、


「冷、シャーロイ家と国王家は仲が良くないのはお父様もわかってます。魔人との戦いになるのは怖いですが、無事であることを祈ってます」


「ありがとうございますビジャ姫、俺は国王の味方です、必ずいい報告をしますからお待ちを。けど気になるのが国王の側近である軍師コロナと魔術士ラインです、あの人は俺をけぎらいしてるように感じます」


「わかってます、事が荒れるのを嫌う性質があるからでしょう。なるべくなら魔人とは関わりたくないのが本音、あなたは魔人と問題ばかり、この違いかな。魔人とは逃げていても問題は解決しません、早く手をうつのが重要なのは、私も同じ考えですから」


「そう言って頂けると助かります。これからシャーロイ家に飛んで行きますので」


「飛んで……?」


「ああ、俺は飛べるんですよ、気にしないでください」


「……便利なのね……」


 ビジャ姫は冷が飛べるのは知らなかったので、どうやって飛ぶのか不思議であるが、冷なら何があっても不思議ではないため、それ以上は聞かなかった。

 ビジャ姫とは別れるとそこで冷は飛行体型に。


(ビジャ姫が見たら驚いてしまうかもな)


 飛行体型を見て三姉妹は驚くしかなく、


「それで飛ぶのはわかったけど、あなたしか飛べないわよね。私達は陸で移動して行けと?」


 誰でも思う質問にアリエルが、


「私は冷に抱っこされてきました。羽から出てる手で抱えられて。でも気をつけて、この手は体を触ってくるから」


「アリエル、余計なことは言わなくていいよ」


 アリエルの一言に冷は恥ずかしくなる。


(俺の楽しみなんだから)


「冷が体を触る? 変ね、先程はいっさい体を触りませんでしたで、ございます」


「いつの話かしら……」


「牢獄でございます、触っていいといってるのに、我慢して触ってきませんでしたでございます」


 次女ルクエが説明する。


「それはあり得ない話、この男に女の子の体を触らないなんて、あと体を触っていいて、なんでそんな話になったのよ!」


 アリエルは冷を不審な目でみつめると、


「えっと……そんなこともあったけかな、あははは」


「あははは、じゃないでしょ、この変態め!」


「怒るなよアリエル、俺は触ってないのだから」


 冷は必死に触ってないアピールをしても、アリエルからは冷たい視線が注がれる。

 長女ルテリが気になるのが、


「アリエルが抱っこされてきたのはいいとして、最大で1人が限界でしょう。私達は三姉妹、つまり4人も同時に抱っこは不可能。陸で行きますよ、馬車も王都から使えます」


「おいおい、キミたち、俺を見下してないかい?」


(困るよな、俺の能力をなめてもらったら)


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